さようならピストンズ’22

◎変わるチーム

ヘイズだけでなく、ピストンズはチームとしての連動性が高まっていきました。未だに個人技アタックのチームだし、コンビプレーも個人の判断で構成されているので、チーム全体の合わせのルールが優れているって感じではないのですが、コーナーへの展開とカットプレー、ガード陣のパス交換など、連動性が生まれてきたことにより、急激にアシストが増えていきました。

〇アシスト数
10月 21.0
11月 21.5
12月 21.8
 1月 24.0
 2月 24.3
 3月 24.8

綺麗な上昇をしています。ちなみに2月はカニングハムが12試合中5試合を欠場しており、ピストンズは「カニングハムがいなくてもアシストが多いチーム」になっています。急速にカニングハムナイズされていったんだけど、本人不在でも関係ないっていうね。

同じ戦術でも連動性を作り上げてしまったカニングハムの影響力

これらのことはチームに必要な人材を変化させても行きました。特に活躍したのは控えセンターになったライルズで、ストレッチビッグとしてスクリーンからポップすれば、しっかりとパスが届くようになり、ライルズが空けたインサイドにはガード陣がドライブしやすくなりました。トレードされたけどさ。

最近ではルーキーのアイザイア・リバースが登場しており、総じてシュートやカットプレー、ハードワークで貢献できるロールプレイヤーの価値が上がってきました。逆にコーリー・ジョセフ、サベン・リー、ジョシュ・ジャクソンらのハンドラーもするタイプは合わないケースが増えていったとも言えます。ケーシーはこっちが好みだし、アシストの少ないオフェンス戦術なんだけどね。

そしてデッドラインでバグリーを手に入れました。オンボールプレイヤーとしては物足りなさしかないバグリーですが、ライルズが機能したように、ストレッチビッグが欲しいことや、スピードで合わせてくれるタイプ、そしてオールコートの走力が重視されたと捉えられます。オンボールでアクションする選手ではなく、カニングハムのアイデアについてこれるような

オフボールとパスワーク・万能タイプの重要性が高まった

チームの方向性は開幕直後から大きく舵を切りました。カニングハムは戦術そのものを動かしてしまう強烈な影響力を持っています。これはベイのスタッツから見ても同じで

〇ベイのキャッチ&シュート
~11月 4.5本
12月~ 5.9本

ヘイズとベイのプレースタイルが変わり、その上でバグリー、マグルーダー、リバースがプレータイムを得てきたことを考えると、カニングハムと共に歩める選手であることが、ピストンズで結果を残すカギになってきました。フロントもそういう選手を集める気持ちが強くなっています。

今ではカニングハムへのスクリナーも増えたし、スペースを空けておいて有効活用するようになってきた。ジェレミの個人技がスパイス程度の位置づけになっているのでした。随分と形を変えてしまったシーズン後半です。

◎足りないこと

急速にカニングハムナイズされていき、連動性が生まれたピストンズですが、その殆どはカニングハムとヘイズから生まれており、ほぼほぼ2人のイマジネーションに頼っているだけでもあります。ベイが3P決めまくって50点を奪ったりと、個々の活躍はちゃんとあるのですが、システムとして整備されているかといえば、かなり怪しい。

例えばピック&ロールのロールマンが、しっかりとスクリーンがかからないのに動き出してしまうことが多く、ハンドラーがマークを引き離せずに止められてしまう事があります。フルスピードで飛び込まないカニングハムは、このパターンでミスすることも多く、だったら個人技で打開する選手の方が良かったりします。

IQが武器なのだから、判断力やイマジネーションを使う場面を増やしたいのに、スピードやジャンプ力・フィニッシュ力を試されるシーンを作っては意味がないよね。つまりはコンビプレーをしているようでいて、完成度が低すぎてバラバラなことも多くあるわけです。

スチュワート、ベイ、バグリーと他の若手たちは気の利いたプレーはしてくれないもんね。カニングハムの判断に丸投げしている感がある。

そんなわけで「カニングハムはスゲー。ピストンズがすごいわけではない」と感じてしまうのでした。ここからレベルアップするには、チームメイト達もカニングハムの思考についていく必要があるよ。そういう選手を探してくるのか、レベルアップするのか。両方が求められるでしょうね。

カニングハムをみろ ⇒

さようならピストンズ’22” への7件のフィードバック

  1. 素晴らしいブログをありがとうございます!

    ピストンズファン以上にピストンズのことを分かってくださっているように感じました!

    おっしゃる通りもはやピストンズはカニングハムのチームです!

    これからのピストンズに栄光あれ!

    1. とても良いですし、駆け引き系統なので、ディフェンスもカニングハムナイズされてます。
      一生懸命守るだけだった昨シーズンとは、アクションの数が違う!

  2. 個人的に今シーズン見てて1番面白いルーキーであり
    フィジカルでもスキルでもないのに
    見ている側に強烈にインパクトをあたえるプレーは圧巻でした
    まさにドラフト1位といった
    特別なルーキーだと思います

    1. 間違いなく「上手い」と感じさせるのに、ワンプレーそのものは普通なんですよね。

  3. クインスナイダーがジャズから去るんじゃないかという噂がありますが、ピストンズでカニングハムとケミストったりすると面白いなと。

    1. ゴベアを有効活用しているスナイダーですが、それがネックなのでスチュワートやバグリーの方がいいかもしれませんね。

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