ネッツvsホーネッツ

2022/3/27

8位の座を巡る攻防です。ホーネッツはもっと勝っていてよかったし、ネッツはこんなはずじゃなかった。8位と9位じゃ全然違うわけで、集中力を高めるプレーインのラウンド0です。

◎スタミナ勝負

ホーネッツはデュラントとカイリーにハイプレスをかけていき、パスを促すとカットして速攻に繋げていきます。基本ラインはハンドラー2人を追い込んでいく形ですが、これがハーデン相手ならパスでゲームを作られて成立しないでしょうが、ゲームメイカーではない2人が常に判断とアクションを要求されていくのならば、どこかでボロが出そうです。

それ以上に、ビッグ2中心のオフェンスなので、とにかく疲れさせるという意味合いもあります。幸いにもオフェンスでもロジアーに対してカイリーがマークしてくるので、攻守に働かせることが出来ます。とにもかくにも「働かせろ」ってことだ。

特にホーネッツの場合はウイングが充実しており、スイッチ対応が出来るし、デュラント相手にも次々にぶつけることが出来ます。開始7分でロジアー以外は交代しており、運動量とスタミナ勝負だ。スーパースターがいないならば層の厚さを有効利用しようぜ作戦は極めて有効なので、序盤はホーネッツの狙い通りに進んでいきます。この戦い方をプレーインでもやりたいね。

しかし、欠点もあります。それはディフェンスじゃなくてオフェンスで、アグレッシブに打っていくハイペースなホーネッツなので、カウンターを食らう事も多く、トランジションからデュラントに3Pやドライブを返されてしまいました。そこに強く出ないと削れないのに、自分たちのペースアップが裏目に出る。本来はスローダウンなチームがとりたい戦略って事です。

そんなわけで狙いと流れに反してリードするのはネッツ。そしてカイリー⇒ドラギッチになると、そもそもゲームメイカー登場でチーム全体にボールが供給されるようになり、一気にディフェンスが苦しくなり、ミルズやエドワーズにワイドオープン3Pを打たれていくと、速攻でドラギッチのパスからエドワーズのダンクで点差が二桁に。

要はネッツもベンチメンバーが出てきたところで運動量とスピードに対抗したわけだ。その中にデュラントが混じっているから、ちょっと止められない。層の厚さよりもスーパースター1人の存在が厄介という反撃を食らったのでした。最後にPJワシントンが3Pを返したので32-26と6点差で終わった1Qです。

◎ドラモンド

「初めのシュートが決まるまでベンチも全員が立っている」という結束力アピールのネッツですが、実際こうしてベンチメンバーが出ても戦えるんだから雰囲気は良いはず。ただ、それが結果に結びつかないわけで、ガンがいるわけだよね。

今シーズン初めてのホームゲームに出場という事で「オレが帰ってきたぜ」というアピールを観客席にしているカイリーですが、盛り上がっているのかな? ファンからしたら「お前のせいで苦労してんだよ」の方が強いだろうしさ。

2Qもドラギッチが組み立てていくのでチームオフェンスになっていますが、そんな中でドラモンドがムービングスクリーンして、クレームしてテクニカル。そんなドラモンドがスクリーンを成功させたら、今度はダブルチームを食らったカイリーの仕掛けが遅くて、スクリーンの意味がなくなって1on1。こういうのが続くと空気悪くなるよね。

それでもドラモンドがプットバックに、トランジションでもゴール下ファイトして&ワン。もちろんフリースローは外したけどね。カイリーは2on1の速攻でゴール下フリーのドラギッチを無視して3Pを打ち、これをヒットさせます。決まったけど気分悪そうなドラギッチってのは内緒だ。

そんなわけでチームとしては怪しいけど、個人の馬力で強引に流れを引き寄せました。

ちょっとドラモンドが抗えないホーネッツ。ホーネッツというかプラムリー。リバウンドを制されセカンドチャンスを決められるだけでなく、ディフェンスリバウンドをイージーにとっての速攻も出てくるのでよれよれのプラムリー。もう割り切ったようにリバウンドには飛ばず、ひたすらボックスアウトに徹しています。

さらにチームとしてもドラモンドを捨ててダブルチームを仕掛けることで「ドラモンドに打たせる」形にしますが、決めきるドライモンド。フリースローは決まらんが。カイリーのロング2Pにトランジションでセスのミドルが決まって最大14点差まで広がります。自分たちから仕掛けておきながらトランジション負けしているホーネッツ。

〇前半のドラモンド
15点
FG6/7
FT3/8
9リバウンド

前半はドラモンドにやられたようなホーネッツですが、同時にドラモンドに助けられたような前半でもあるね。ファールで止めてフリースロー打たせて救われたよ。ドラモンドは左手でフリースローを打ちなさい。

諦めてスモールに切り替えたホーネッツは、狙い通りブリッジスがインサイドアタックで反撃していきます。デュラント相手でも仕掛ける気の強さはポジティブなのか、ネガティブなのかわかりませんが、ノービッグにしておいてのインサイドアタックは効果的。ワシントンもデュラント相手のドライブを決め、2Q終盤になって取り返していきます。ドラモンドもベンチに下がったしさ。

ネッツディフェンスはコディの3Pフェイクに2人が飛んでしまい、やっぱりイージーにドライブダンクを食らってしまうなど、明らかにカバーリングのルールが悪く、対応できていません。それでもブルースやクラクストンでひたすら追いかけまくるのですが、遅れ始めてファールも増えてしまったよ。

〇前半のFG
ホーネッツ 39%
ネッツ   50%

こんな結果なのに、なぜか4点差で終わりました。もっと差がついても良かったけど、ドラモンドのフリースローがね。そしてスモールにしてから圧倒したホーネッツですが、その時間帯にドラモンドは出ていなかったので、後半にどんな形で対抗するのか。

◎ラメロ

後半もトランジション3Pを決めるホーネッツが、同じくカウンターを食らってドラモンドのゴール下&ワンです。とにかくドラモンドを捨ててでも仕掛けるわけですが、それをするには「走れる」ドラモンドが厄介じゃ。

ただ前半と違ったのはラメロ、ラメロ、ワシントン、ラメロと立て続けに3Pをヒットした事。自分たちが決め切れば、そう簡単にカウンターはされないよね。にしても決めすぎのラメロですが、ちゃんとオープンになっているのでトランジションゲームの成果ではあります。

ところでホーネッツは自分たちで意図して走っているとして、ネッツはこれでいいのかね。正直、何が正解なのかわからないよね。シューターが多いので打ち合いは望むところなので、走ってもいいのですが、走ったらナッシュの酷使問題が敗戦要因になりそうじゃん。

逆転されたネッツですが、リバウンド争いでファールドローするドラモンド、ミドルを決めるデュラント、そしてブルースの速攻で追い付きます。つまりは走っても強みを出しているわけだ。ドラモンドとブルースのピストンズコンビは大事なハードワークをしているので。

ただ、やっぱり餅は餅屋というか、走ってもディフェンス強度を落とさず(スキは出来る)戦うホーネッツに対して、ハーフコートディフェンスでもマークが緩いシーンが増えてきたネッツ。ドラモンドがファールでベンチに下がると、リバウンド争いで奪い切れなくなり、それがさらにペースアップにつながるので、流れがホーネッツに傾いていきます。

10点ビハインドになったネッツは、デュラントアタックが連打されます。前半はそんなんじゃなかったじゃん。これに対してバカみたいに3Pを決めていくラメロ。1本はコーナーからのタフだったけど、ちゃんとクラクストンを引き出しての3Pになっているし、決めまくった後でラメロに渡すと見せてドライブするブリッジスだし。

〇3Qのラメロ
18点
3P5/6

〇3Qのデュラント
13点
FG5/9

ちょっとラメロが上回ったクォーターでした。決めすぎだよね。デュラントは平常運転くらいだけど、それをダイナミックに上回ってきたラメロ。これで36点取った3Qのホーネッツに対して、29点のネッツが4点ビハインドで3Qが終わります。

まぁこんなに決められたら致し方ないし、それでもデュラントで耐え抜いた感じです。一発勝負だとこういう事もあるよねーという教訓にもなるし、そういう時に止めに行く手段がネッツにあるのかどうかは不明です。。。シモンズ・・・。

◎コディ

当然のように休みがないデュラントのミドルのネッツに対して、しっかりとボールを動かしていくホーネッツ。これで互角の展開になるんだよね。あとラメロがいなくなってオープンの3Pが決まっていないホーネッツのつらさでもあります。

そんな中で遂に決めたのはアイザイア・トーマス。プルアップ3Pでリードを広げると、ディフェンスでもデュラントに食らいついていきます。ゾーンなので、密着して守り、抜かれるのはカバーに託すよ。もちろん高さで打ち切られることもありますが、そこを許容してでもハイプレッシャーの価値がある。別にアイザイアじゃなくてもデュラントの高さは止められないし。

そして因縁のカイリーをマンマークで止めきるアイザイア。こっちはフェイダウェイで打つことすら許さず。セルツファンが歓喜しそうなシーンでホーネッツがリードを保ちます。タイムアウトあけもアイザイアのドライブレイアップ。カイリーが外して残り6分半で8点リードです。

ここまでホーネッツのペースとなりましたが、ホーネッツが勝ち切れないのは、ここからのゲームコントロールにあります。基本的にハイペースで仕掛けるしかないので、短い時間で追い付かれることも多い。実際、カイリーに連続でドライブを決め切られ、すぐに2点差に戻されます。

タイムアウトのホーネッツはスモールに切り替えますが、インサイドをデュラントに止めきられ、ドラモンドのオフェンスリバウンドからカイリーがドライブからのミドルで同点になります。残り4分同点ならば、スーパースターコンビで勝つさ。ホーネッツのペースと思いきや、あっという間にネッツの勝ちパターンに。

ただ、ここで前半同様にブリッジスがドラモンド相手のドライブ。狙い所で得点したホーネッツは、ドラモンド1人にリバウンドを取られかけますが4人で囲んでなんとかルーズボールにしてキープ。

今度はドラモンド&カイリーでラメロを追い込みますが、苦しい状況でパスを受けたコディが片足のタフなロング2Pを決めきって再び4点リードにします。ここでスターを上回り始めたコディ君。

ネッツはセスがドライブで返します。さらにブリッジスのアイソをドラモンドが意地で止めきった・・・のですが、こぼれ球が出てきたワシントンのパスからコディがコーナー3Pをヒット! ここにきてのコディ連発で残り1分12秒で5点リード。スモールが当たったホーネッツ。

するとプラムリー投入なのですが、今度はドラモンドがベンチに下がるという噛み合わなさ。プラムリーはデュラントのマークになりますが、そこに何故かスクリーンに来てワシントンとスイッチさせたドラギッチの判断ミスにより、デュラントもミドルを外します。そのままプラムリーとのアイソで良かったのに。

ホーネッツはブリッジスのアイソの形から、ロジアーがアイバーソンカットで逆サイドに抜け出し、パスを受けると3Pを決めきり、見事に勝利と8位の座を手に入れたのでした。

〇4Qのデュラント
4点
FG1/8

冒頭に戻ってみると、デュラントに負荷をかけるような作戦できたホーネッツに対して、後半24分フル出場のデュラントが最後に失速して終わりました。なので、ホーネッツのゲームプランの勝利だし、やっぱり酷使が好きなナッシュの敗戦でした。

2人でFG15/46のデュラント&カイリーの不調が響いたわけですが、この2人にはダブルチームも辞さない守り方で仕掛けているホーネッツなので「不調」とは違うよね。途中のドラモンドでリードを得たように、もっと他の選手を使っていけばOKだったのですが、そんなゲームメイク能力はないよ。

普通にブルースをPGにしておけば済むし、ミルズもいるし、なんでこうなってしまうのかはナッシュの謎です。両エースを囮にしておけば良かったのにね。

ホーネッツは途中のラメロの大爆発は大きかったですが、それも3Qの話なので総じてみればチームで勝ち取った感があります。そのラメロもチームでフリーを作れていたし、ブリッジスはスモールでスピード差のマッチアップを作っての仕掛けだったし。

しかも試合を決めたのはアイザイア・トーマスからコディー・マーティンという流れだったので、なおさらチームで勝ち切った感があります。「ケイレブがすごい」というヒートファンには「コディもすごい」と教えてあげましょう。

さて、これで8位とネッツに対するタイブレーカーを手に入れました。ナゲッツ、シクサーズ、ヒートなどとのカードが残っており、厳しいことに変わりはありませんが、7位は遠いので何とか8位をキープしたいところ。

ネッツはバックスとキャブス、そして直接ライバルのホークスとの対戦を残すものの、他はプレーインに出れないチームなので若干のアドバンテージがあります。あと、この試合に負けたことでベン・シモンズを起用しやすくなった気もする。勝っていたら「起用して負けた」が怖くなるし、このトランジションゲームならばシモンズが欲しいし。

ネッツがプレーオフにすら出れない可能性も出てきた面白いイーストの争い。気が付いたら首位にいるのがセルツらしいので、マジでどうなるのか全く分かんないよね。

ネッツvsホーネッツ” への1件のフィードバック

  1. この前のグリズリーズ戦でもそうでしたが、KDを便利に使いすぎですよね、ナッシュは。接戦にならずに終わらせられるならいいですが、接戦でエースがガス欠になると、なかなか勝つのは難しいですよね。ということで、このままでは、カイリーがいたとしてもプレイオフ勝ち抜くのは難しいんじゃない?と思っています。早くシモンズがみたいです、シモンズが救世主としてネッツを救う未来があるのか・・・。

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