◎3年目
指名権はラプターズに渡したし、これといった補強もなかった3年目。正しく言えば補強したワイズマンが1試合目でシーズンアウトとなり、アイザイア・ジャクソンもケガでアウト。そこでトーマス・ブライアントを加え、シーズン終盤にはトニー・ブラッドリーがきました。そんなの補強に入らない・・・はずなのにさ。
〇レーティングの変化
オフェンス 113.8 ⇒ 120.5 ⇒ 115.4
ディフェンス 117.1 ⇒ 117.6 ⇒ 113.3
2年目でリーグ最高クラスのオフェンスを手に入れたペイサーズですが、3年目となりオフェンスがバレてきたのでかなり苦戦しましたが、驚くことにディフェンスの向上で取り返しました。攻守は連動しているので一概には言えないものの、ディフェンスがよくなったのは間違いありません。
〇被フリースロー
25.6 ⇒ 26.0 ⇒ 22.0
〇被3P
33.3 ⇒ 29.3 ⇒ 36.3
〇被3P%
37.3% ⇒ 36.5% ⇒ 35.5%
最大の変化はフリースローを与えなくなったことです。凄まじくファールしていたところから急に4本も減らしました。ただ、リーグ最少だった被3Pはぐっと増えました。これは良いのか悪いのか難しいラインですが、簡単にリムアタックされることが減ったことは大きく関係しており、ちゃんと3Pの成功率も落とさせています。
〇スティール
7.7 ⇒ 7.7 ⇒ 8.5
〇ペイント内失点
53.7 ⇒ 58.4 ⇒ 51.8
ボールを奪う機会が増え、ペイント内失点は大きく減らしました。フリースローと合わせて劇的にペイントを守れるようになっています。ちなみに自分たちのペイント内得点も大きく減らしたので、シンプルにカウンターの打ち合いを減らした面もあります。
〇オン/オフコート ディフェンス
シアカム 108.9/116.0
トッピン 116.1/108.8
単純にシアカムとトッピンの差で向上した面もあります。3年目になってインサイドカバーに安定感が出たのはシアカム効果といっていいのかよくわかりませんが、上手くいっています。またジャレス・ウォーカーが3番ポジションもこなすようになり、プレータイムも増えたのでディフェンスの安定感を加えています。なお、どっちもオフェンスの数字は悪い。
また、今シーズンはハリバートンやネムハードのカバーリングも目立つようになりました。ネムハードはもともとヘルプでテイクチャージ狙うことはあったけど、インサイドへのパスをスティールするシーンが増えてきた印象です。
〇ハリバートンの被2P
6.3本 ⇒ 7.1本 ⇒ 7.5本
56.5% ⇒ 61.2% ⇒ 52.7%
去年の被FGは酷すぎますが、今シーズンはハリバートンがインサイドでマッチアップして打たれる回数が増えた上で、成功率を大きく落としています。DIFFも△0.1だしさ。ネムハードは昨シーズンと大きな違いはありませんでしたが。
カバー&ローテのディフェンスが形になった3年目
リーグ屈指のリムプロテクターであるターナーがいて、エースキラーのネムハードとニスミスがいるのだから、守れてもおかしくなかったペイサーズですが、初めの2年でオフェンスの形を完成させ、この3年目ではハリバートンとシアカムのカバーリング、ウォーカーとシェパードでディフェンダー増もあってディフェンス面の改善が大きかったです。
インテンシティを保つプレータイムシェア
ディフェンダー増もあってプレータイムシェアが進んだし、試合に出てくるとトーマス・ブライアントもトニー・ブラッドリーも5分間で全力を出し切るほどに走りまくりました。この全てを出し尽くすマインドを作り上げたのもペイサーズ成功の要因です。
〇ハリバートン
33.6分
18.6点
TS61.6%
9.2アシスト
1.6ターンオーバー
3年連続でTS60%オーバーになったハリバートンでしたが、アシストが減り、そしてターンオーバーも減りました。自分で構築する機会が減った感じと単純に周囲のシューティングがイマイチだった。より堅実なチョイスをするようになったからかもしれません。
突如、ミスター過大評価とか、スーパースターじゃない、なんて言われ始めたプレーオフですが、何も関係ないとばかりに勝利をもたらしまくったハリバートン。この戦い方に成熟してきた面がありますが、3年経って脅威的に感じるのは
運動量バスケでも落ちない肉体的スタミナと判断を間違えない脳みそスタミナ
特に後者はプレーオフになって目立っています。燃え上がるようなメンタリティというよりは、冷静に仕留めていく姿をオーバータイムでも発揮できているのは素晴らしい。結局のところ、試合終盤がエースの個人対決になるのは、ミスを減らしてのアタックにするためであり、そこまでチーム戦術では戦えないということですが、ハリバートンは最後まで冷静に戦えています。
細かいですがルバートのトレードで獲得した2巡目指名権がネムハードになっています。
ここ重要なのでよろしくお願いします。
足しときました!
2022年のドラフトコンバイン動画で見た「いいガードだなあ」と思ったのがネムハードでした。あの年、「1巡目23位がネッツに譲渡の可能性アリ」だったので「どこかがここで指名して、ネッツに譲渡しないかな」ツイートしたものです。
そのネムハードとハリバートンが見せていた「冷静に仕留めていく姿」。一方で「燃え上がるようなメンタリティ」のブランソン、タウンズ。元気な方が勝つ時代において「元気&頭が冷静」なチームに対し、シボドーのスパルタンなローテ構成では、勝負は見えていたのかもしれませんね。
昨今はスーパースター3人抱えるとチームが維持できない時代です。そこそこのスターといいロールプレイヤーでチームを作れ(つまりローテ人数を増やしなさい)ていうリーグからのメッセージでしょうかね。
そのリーグからのメッセージは次回の労使交渉で「もっとサラリーよこせ」に代わってしまいそうなのも怖いですけどね。
そろそろロスター枠は拡大してもいいのかもしれません。いろんな選手を試せるようにしないと。
ハーフコート&少人数ローテのDALと、速攻アーリー&全員バスケのINDといったをファイナルに行けるオフェンスチームを作り上げたカーライルこそ真に驚嘆すべき才能なのかもと思いました。
こんなに時代に合わせて変化し続けるHCがいるんでしょうか?