ペイサーズとハリバートンの3年間

ファイナル進出記念

大型トレードや仲良しFAで巨大戦力を作り上げ優勝を目指すチームが崩れ行く中、わかりやすい『再建』から強烈なチームを作り上げたサンダー。それに対してトレードでチームを作ってきたのがペイサーズ。その流れは大きく異なるものの、継続的な戦術作りと浸透。そして弱点の克服という流れは似ています。

サンダーほどではないものの、25勝から3年間で倍の勝ち星を重ねました。この期間にあった出来事はリック・カーライルのHC就任であり、ハリバートンをトレードで獲得したことです。ドアマットからトレードで補強を繰り返し、層の厚いチームを作り上げたペイサーズの3年間を振り返っていきましょう。

◎前夜

オラディポのケガからサボニスのチームへと移り変わったペイサーズは、流行だった他のチームのACを連れてくる人事でネイト・ビョルクレンをHCに迎え入れると徐々に失速していきました。そこで次のHCには経験豊富な人材を探し、マブスをクビになったカーライルをチョイスしました。

しかし、このカーライル1年目は大苦戦。ここでシーズン中に明確に再建へと切り替えます。判断が早いとサボニスの価値が高い状態で実行できるから、対価も求めるものが手に入ってきます。

「トレードの勝者はハリバートン」と呼ばれたほど、明確に中心選手の座をあたえられるトレードであり、サボニスの方が高い価値があると判断されているトレードでした。それまでポイントセンターで作っていたチームがPGを獲得なので、スタイル自体が大きく変わるメッセージでもあります。

この時ペイサーズは再建へと動くので、指名権を求める処理トレードにも参加しています。

当時チームの3番手でもあったルバートも出してしまっているわけです。これで残ったのはブログドンでしたが、そのブログドンはオフになってセルティックスへとトレードされました。

このトレードは「再建へと進んだペイサーズがブログドンが優勝に絡めるチームに行かせてあげた」と言われていましたが、気が付けばキープレイヤーになっているニスミスを手に入れたトレードになっています。

当時のペイサーズにはウイングが多くいたし、セルツでニスミスは出番もなかったので、本当にブログドンのための温情トレードにしか見えませんでした。それが不要だと思っていたニスミスの立場が多き変わっていくのは3年間の重要な出来事です。

前夜に揃っていた選手はこんな感じ。サンダーは当初SGAとドートしかいなかったので、3年と5年の違いは大きく出ています。思い切った再建へと踏み込んだペイサーズ。ただ、大量に指名権を集めたわけでも、有能な選手が集まってきたわけでもありません。そこんところは層は厚いけど人気のある選手を揃えているわけではないサンダーにも似ている。

ペイサーズとハリバートンの3年間” への5件のフィードバック

  1. 細かいですがルバートのトレードで獲得した2巡目指名権がネムハードになっています。
    ここ重要なのでよろしくお願いします。

  2. 2022年のドラフトコンバイン動画で見た「いいガードだなあ」と思ったのがネムハードでした。あの年、「1巡目23位がネッツに譲渡の可能性アリ」だったので「どこかがここで指名して、ネッツに譲渡しないかな」ツイートしたものです。
    そのネムハードとハリバートンが見せていた「冷静に仕留めていく姿」。一方で「燃え上がるようなメンタリティ」のブランソン、タウンズ。元気な方が勝つ時代において「元気&頭が冷静」なチームに対し、シボドーのスパルタンなローテ構成では、勝負は見えていたのかもしれませんね。
    昨今はスーパースター3人抱えるとチームが維持できない時代です。そこそこのスターといいロールプレイヤーでチームを作れ(つまりローテ人数を増やしなさい)ていうリーグからのメッセージでしょうかね。

    1. そのリーグからのメッセージは次回の労使交渉で「もっとサラリーよこせ」に代わってしまいそうなのも怖いですけどね。

      そろそろロスター枠は拡大してもいいのかもしれません。いろんな選手を試せるようにしないと。

  3. ハーフコート&少人数ローテのDALと、速攻アーリー&全員バスケのINDといったをファイナルに行けるオフェンスチームを作り上げたカーライルこそ真に驚嘆すべき才能なのかもと思いました。
    こんなに時代に合わせて変化し続けるHCがいるんでしょうか?

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