ペイサーズとハリバートンの3年間

◎1年目

ドラフトロッタリーに外れたペイサーズが指名したのはマサリンでした。今見るとシャープとっておけばよかったけど、当時のシャープは大学でプレーしなかった謎の選手でもあったから仕方がないさ。むしろこの時にジェイレン・ウィリアムスを指名していたら、このファイナルではサンダーと当たらなかったかもしれません。

ペイサーズにとって重要だったのは6位ではなく31位でした。今をときめくセカンドガードに連れてきたのがネムハード。さすがにこんなにいい選手になるとは思いもしなかったわけで、くしくもサンダーとペイサーズがファイナルへと進む原動力となるセカンドガードを手に入れたドラフトでした。その意味では3年間という同じ期間で強くなったかもしれない。

これでベースが揃ったペイサーズですが、早々に現在の形になったわけではありません。形としては近しいものがあれど、大きく違ったのは

ということです。ヒールドとドゥアルテがオフボールムーブができるので、ここにシュートを打たせるためのオフェンスシステムを構築していました。

初めは3Pアテンプトが現在よりも多く、2Pが少ない状態でした。もちろんペイント内も少なく、昨シーズンと比べると8点も違いが出ています。トランジションのチームであることに変わりはありませんが、そのフィニッシュについてはシューター系だったのが初年度です。

また当時は速攻がメインアタックでした。面白いことに2年目の方が速攻は減っているのにペイントは増えているんだぜ。

初年度のペイサーズはそんな感じでした。ヒールドが8.5本もアテンプトがありながら3P42.5%と決めまくっており、チームに欠かせないキーマンになっていたのです。期待のマサリンも16.7点を取っており、再建に踏み込んでの初年度としては非常にいい感じに見えました。

一方でプレータイムシェアはこの時点で始まっていました。ブリセットやアイザイア・ジャクソンも出番があり、やや形をどうしていくのか悩んでいる面もありました。まぁ再建チームだから特に気にしないというかさ。その程度にしか見ていなかったのも事実です。

一方で2年目へと続く課題も出てきました。それはマサリンがはいってくるとスペースの問題が出てしまう事。ムービングシューターが威力を発揮するためにはアウトサイドにスペースが必要ですが、それを勝手に埋めてしまうマサリン。ジェイレン・スミスもストレッチビッグなので、なおさらスペースに悩ましくなっていきました。

ルーキーシーズンに13.1点と活躍したドゥアルテですが、スペースが消えるとともに存在感も消えていき、オフにキングスへとトレードされると、リーグでの存在感を失っていきます。ヒールドが来なければ、マサリンがこなければ2年目も活躍していただろうけど、ディフェンス問題もあって生き残れない選手になってしまった。

さて、このシーズンで35勝したペイサーズは7位指名権を手に入れクリバリを指名。すぐにトレードでジャレス・ウォーカーを手に入れました。それはPFポジションの弱さからくる適切な補強でもありました。

センターはターナー、ジャクソン、メガネで3枚揃っているものの、ウイングがスモールサイズになっており、ヒールド、ニスミス、マスリン、ブリセットあたりで回していましたが、ブリセット以外はサイズもフィジカルもちょっと厳しかったので、インサイド仕事で困っていました。

運動量とスピードがあって3Pオフェンスをしているのはいいし、平面でチェイスするディフェンスも出来ていたけど、この先の伸びしろも見えない状態でした。そのため平面の対応ができるPFを求めていたわけです。そんな中でのウォーカーはベストチョイスに思えたのですが、今となっては弱点が強みに代わっているんだよな。

「ハリバートンのチーム」になった初年度から二桁アシストを記録したハリバートン。相変わらずのミスの少なさに加え3P40%と正確なシュートでの貢献もありました。得点はキャリアハイだし、個人としては申し分ない活躍度です。

しかし、3Pシューターがいて、マルチなセンターがいて、PGとして機能していながら、そこまで勝てたわけでもなく、本当はここから勝利のためにモンスタースタッツへと進んでいく必要があります。でも、そうはならないのがペイサーズとハリバートンの3年間。

ペイサーズとハリバートンの3年間” への5件のフィードバック

  1. 細かいですがルバートのトレードで獲得した2巡目指名権がネムハードになっています。
    ここ重要なのでよろしくお願いします。

  2. 2022年のドラフトコンバイン動画で見た「いいガードだなあ」と思ったのがネムハードでした。あの年、「1巡目23位がネッツに譲渡の可能性アリ」だったので「どこかがここで指名して、ネッツに譲渡しないかな」ツイートしたものです。
    そのネムハードとハリバートンが見せていた「冷静に仕留めていく姿」。一方で「燃え上がるようなメンタリティ」のブランソン、タウンズ。元気な方が勝つ時代において「元気&頭が冷静」なチームに対し、シボドーのスパルタンなローテ構成では、勝負は見えていたのかもしれませんね。
    昨今はスーパースター3人抱えるとチームが維持できない時代です。そこそこのスターといいロールプレイヤーでチームを作れ(つまりローテ人数を増やしなさい)ていうリーグからのメッセージでしょうかね。

    1. そのリーグからのメッセージは次回の労使交渉で「もっとサラリーよこせ」に代わってしまいそうなのも怖いですけどね。

      そろそろロスター枠は拡大してもいいのかもしれません。いろんな選手を試せるようにしないと。

  3. ハーフコート&少人数ローテのDALと、速攻アーリー&全員バスケのINDといったをファイナルに行けるオフェンスチームを作り上げたカーライルこそ真に驚嘆すべき才能なのかもと思いました。
    こんなに時代に合わせて変化し続けるHCがいるんでしょうか?

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