ダイナスティとは遠きもの

◎スポルストラとブラッド・スティーブンス

柔軟性に溢れた戦術を構築し、試合中に見事な修正を施してきた『天才』ブラッド・スティーブンス。しかし、天才にとって天敵だったのは負けない戦術のスポルストラ。試合中に多様な変化をしてくるので修正が追いつかないというのがセルツとヒートの戦いでした。

ヤニスやエンビードは個人としてはイーストをけん引してきた存在ですが、プレーオフという場で重要な「対策とアジャスト」という要素で、セルツやヒートの「対策」に対する「アジャスト」を持っていないため、戦略にハメられていくのがプレーオフらしい戦いでした。前年のリプレーを見せられているようなときすらもあったしね。

しかし、プレーオフ仕様の「対策とアジャスト」に秀でいてはいたけれど、それ以前の『ストロング』が足りていなかったのもヒート。プレーオフには強いがシーズンには弱い。

そしてブラッド・スティーブンスがHCから社長になり『ストロング』に傾倒していくと優勝に辿り着いたセルツ。それはまるでストロングと柔軟性がタイミングよく混じっての優勝にも見えましたが、翌年にはアヌノビーのストロングの前に抑え込まれてしまいました。

あぁなんと難しきダイナスティ

そしてセルツの優勝は継続したチーム作りにあり、同時に連覇失敗は変化を加えられなかった点にあります。ストロングすぎて新たな要素も選手も加えられなかった。あれだけいろんなことをしていたマイク・マローンも固定化されたことでクビになったしさ。

動きまくっていくヒートは迷走中。動くことは成功を呼び込むこともあれば失敗へと転落することもある。あらゆることを試す柔軟さが、それなりの結果を残すことで、ストロングスタイルは微塵も出てこない。

戦術時代に突入してから早行年。当初はベテラン勢が戦術に戸惑ってフィットできず、淘汰される選手も出てきましたが、今は若手たちも個人レベルで標準装備されています。するとシボドーやビッカースタッフの気合と根性の重要性が際立つようになり、戦術を凌駕するパッション時代にはいっています。

あっちをとればこっちがとれず。こっちをとったらあっちが優位になる。
継続性は大事だが変化も大事。ストロングスタイルだけでは勝てないがストロングスタイルがなければ優勝は出来ない。

あぁなんと難しきダイナスティ

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