さようならバックス’25

◎偉大だったヤニス

ヤニスについては多くの弱点を持ちながら、理不尽なまでの身体能力に加え、試合中に進化するという変態性でリーグMVPにも輝いたし、ファイナルも制しました。ただ、弱点を見極められて対策で苦しむと、その苦しい方向に自分からハマりに行くような課題もありました。

自分が苦手なことを克服するのは大事ですが、誰だって全てをこなすことはできないもの。自分の役割をしっかりとこなし、長所をチームの中で生かす方が重要です。その点でマークを離されては3Pを打ってしまう事や、中を固められているのにアタックしてしまう事などヤニスのプレーモデルには問題がありました。

しかし、今シーズンはチーム全体が不調というか3Pが決まらないスタートとなり、2勝8敗で開幕するとリーダーとしてダーティーワークを担当しながら、チームメイトの復調を促していました。プレーオフでもペイント内の仕事を重視しており、本当によく働いたといえます。

この数字はバックスがチームとしてかなりアンバランスな状態にあり、それをヤニスが1人で解消していたのに近いことを示しています。もちろん、大エースだし、ヤニスの変わりはいないのだから当然ではありますが、それにしても今シーズンのバックスはインサイドの仕事においてヤニス頼みが強すぎました。

ちなみにヤニスは昨シーズンにかなりルーズなディフェンスが増えていましたが、ペイント内仕事が重視されたからか、昨シーズンのような気になるシーンは減っています。チームが苦しくてエースが奮起したし、エースが余計なことをしている余裕がなくてよかったともいう。

ただ、何故かリーグカップに優勝してしまったこともあり、またも問題点が隠されてしまった気もします。いっそのこと低空飛行が続いていれば、もっと大胆にチームをヤニスのために見直したかもしれないもんね。

また、ヤニスがペイント内仕事でものすごく頑張って好印象だったことは、言い換えればチーム戦術を多彩にしていくことが出来ておらず、『ヤニスが困っている」くらいの変化を促せなかった事でもあります。結局はプレーオフになってチームのペイント内得点の半分以上がヤニスになったように、戦術の変革が出来ていないわけです。

リラードがいれば・・・と言いたくなるけれど、リラードがいないからこそ本当によくわかったバックスの問題点。ヤニスは働きまくったけど、リラードがいなければゲームコントロールなんて夢のまた夢。そこまでヤニスにやらせるのは違うぜ。

何でもやりたがるヤニス。でも今シーズンは一番やって欲しいペイント内仕事を積極的に引き受けてくれました。100ポゼッション換算するとヤニスがいるときのペイント内得点と速攻の得点はこんな感じ。

ヤニスがいないとペイントを攻められないし、速攻も出なくなる。チームのベースはほどヤニスが握っていたというシーズンでした。

さようならバックス’25” への1件のフィードバック

  1. 個人的にブーテンホルツァーを解雇した翌シーズンにアトキンソンではなくグリフィンをチョイスした時からゆっくりと歯車が狂っていったと思ってます。
    結果論にはなりますが。

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