さようならレイカーズ’２５　？

◎相性は悪くない

ウルブズとのシリーズはセンターの部分でボロ負けしているので「相性が悪かった」というコメントがありましたが、これは間違ってもいないけど正しくもありません。単純にレイカーズとウルブズではストロングポイントとウィークポイントが異なり、それがウルブズ側にメリットとして出てきただけです。

なんせレイカーズから見れば『ゴベアを３Ｐラインへ呼びだしてクッキング』という解決法があり、極端に言えば
・ゴベアを虐めまくって勝つか
・ゴベアに蹂躙されて負けるか
みたいな２択であり、レイカーズには料理長のドンチッチがいました。そのドンチッチに体調不良があったことは最大の誤算だったかもしれません。ゴベアの被３Ｐは２７％を記録しており、本来であれば苦手であったはずのｖｓドンチッチで困らなかったことがウルブズを助けてくれました。去年とは違ったぜ。

ジャズ時代のゴベアはクリッパーズのテレンス・マンに粉砕されましたが、それはズバッツではなくスモールラインナップをチョイスしたことによる勝利でした。ズバッツがいるとゴベアがゴール下でのリムプロテクト力を発揮できるのだから、いないほうが攻めやすいわけです。

レディックがスモール戦術で勝ちに行ったことはあながち間違いではありません。ある意味ではヘイズがゴベアにボロ負けした方が「相性が悪かった」といえます。そしてクリッパーズはスモールでもゴベアに蹂躙されることなく、レイカーズは蹂躙されてしまったというディフェンス面の問題がありました。

レイカーズは相性というよりも２つのミッションに失敗したわけです。
・ゴベアのクッキングに失敗
・ゴベアを守れない

ちなみにゲーム１だとレブロンはランドルをボッコボコにしていましたが、スタミナ切れさせたレディックの問題もあってシリーズが進むとランドルが元気になっていった印象もあります。レイカーズとの違いはナズ・リードであり、リードの存在がランドルとゴベアを楽にしてくれたともいえます。

さて、この点ではシンプルに選手層の差ですが、それ以前にスモール戦術をするには『リバウンドを取れるＰＦが足りない』という課題がありました。いや、むしろ

スモール戦術をするのに適したウイング不足

本質はこっちです。レブロンとドンチッチがいるのだからリバウンドはどうにかなるはずなんだけどさ。ボックスアウトしておく人材が足りなかったような。ＰＦじゃなくてもテレンス・マンかブルース・ブラウンなら解決してくれそうだしさ。

八村は３Ｐを４８％も決めており、このスモール戦術をするにあたってオフェンス面では十分な効果を発揮しています。しかし、ディフェンス面でスモール戦術に適していないことは間違いなく、戦術と選手の特徴に不一致がありました。まぁこちらはＡＤいなくなったことが原因なので、準備できなかったんだから致し方ないさ。

あっレイカーズは来シーズンに向けてセンターの獲得を優先事項にしていますが、ここでいっているのはセンターが足りない事ではなく、
勝ちに行くためにスモール戦術を選ぶことがあるならば、センターを守れるウイングが足りない
ってことなので、センターを補強しても解決はしません。

ハーテンステインを獲得したからって、ケンリッチが不要なわけじゃないってことさ！
ロケッツがトリプルビッグしてもウォリアーズはスモール対抗なんだよ。

何故、今のＮＢＡで「４番も出来る５番」が大事かっていうと相手によって２ビッグにも１ビッグにもなれるから。ついでにスモールも出来る。でも、それってシーズンではあまり重要じゃないので忘れられてしまいプレーオフで後悔するんだよね。結局のところセルツはホーフォードが必要なのさ。

また、時には相手への対抗形を採用するのも大事です。特にウルブズ相手ならば幸いにもオフェンス力のないゴベアが相手なので、スペシャルなセンターじゃなくてもある程度フィジカルに戦えればＯＫ。試合の中で１０分だけヘイズやアレックス・レンでフィジカルに戦っておけばよかったんじゃないのかね。

「センターを補強する」のはいいんだけどさ。問題の本質はそこじゃないぜ。スペシャルなセンターじゃないければダメっていう時点で、サラリーキャップルールというものを理解していない。

とはいえ「ドンチッチのためにセンターが欲しい」のも理解できる。そっちはオフェンス側の事情であり、自分たちの事情から欲しいってことだ。それがマーク・ウィリアムスだったらどうにもならなかっただろうから、取れなくてよかったねー、としか言いようがない。そしてマーク・ウィリアムスを求めてしまうフロントの慧眼には期待してはいけない。