◎ダイソン・ダニエルズ
平均3.0スティールに、5.6のディフレクション、ルーズボールカバー1.0と1人で攻撃回数を5~7回くらい上げていそうなダイソン・ダニエルズ。MIPにも輝き、飛躍のシーズンとなりました。
このディフェンス力は単にチームに貢献しただけでなく「ヤングの相棒ガード」として適切な選手にもなりました。最近の流行系であるセカンドガードにはディフェンス力を!でもあるし、4.4アシストでパサーとしても一定の機能性を出し、5.9リバウンドと高さの面でもカバーしています。
3Pが大きな課題であることは変わらないものの、FG成功率49.3%も堅実性に欠けるヤングのフィニッシュをカバーしています。まぁフリースローが決まらないんだけどさ。
プレーインではエースキラー役なのにカバーリングに奔走し、ヒーローにシュートを決められるという失態も見せており、実は必ずしもチームのディフェンス力を上げているわけじゃないんだけど、ダニエルズがいなかったら恐ろしいことになっていたことは想像できます。逆にここまで守れる選手がいても守れないホークスってのもすごいが。
結局のところ、ヤングの周りにインサイドのプレーメイカーとエースキラーが備わったことはチームバランスを大きく改善させました。リザシェイを筆頭に足りない要素もいっぱいあったけど、なんだかんだと期待できるくらいのシーズン終盤になったことはバランスの改善にありました。
ヤング、ハーター、ハンター、コリンズ、オコング、レディッシュ。かつてホークスのヤングコアに選ばれ、カンファレンスファイナルまで行ったメンバーはヤングとオコングだけになりました。その点ではチームの中期計画は失敗に終わったわけですが、失敗した代わりにヤング、ダニエルズ、リザシェイ、ジョンソン、オコングと新たなコアに切り替わったのだからリスタートが早く切れたと思いましょう。
補強となるトレードに動いては失敗してきたホークスですが、今回は補強というよりはリスタートのトレードながら前年くらいの強さにもっていけたのだから悪いことばかりではないさ。プレーインに負けたから台無しだけどね。
3Pを打ちまくるオコングにはビックリしましたが、ホークスのカギはこのような成長にかかっており、リザシェイは当然としてダニエルズが伸びるかどうかが次のステップへのキーポイントになります。
オフェンシブなホークスにおいてディフェンスでも違いを作るのが仕事であり、ある意味では不安定なヤングのチームを安定させるのが仕事でもあります。ダブルPGでアタッキングの意識を強めるよりも全体のバランスで言えばパサーとして機能してくれる選手の方がオフェンスでも安定を目指せるし。