8試合のチームスタッツと試合ごとのスタッツを見てみると、とにかくオフェンスリバウンドに強いことがわかります。35%は異様な数字なわけですが、FG成功率も50%を超えているので「落ちるシュートも少ないが、オフェンスリバウンド率が高い」ってことになります。ただ8連勝していてFG50%はむしろ低いくらいなので、本領はリバウンド面にあるわけです。
リバウンドといえばデューレン。なので、もちろんビッグマンが多く取っていますが、スチュワート、トバイアス、アサー、フォンテッキオが1.3本以上を奪っており、全員がリバウンドの意識が高くなっています。これはとってもビッカースタッフっぽい。
プレータイムシェアして、ハードワークするんだから、現代バスケっぽいわけです。ビッカースタッフが時代に追いついたのか、時代がビッカースタッフに追いついたのか。ただ少なくともビッカースタッフにプレータイムシェアの発想はなかったぞ。
8試合の相手は
シクサーズ
ホーネッツ
ブルズ ×2
スパーズ
ホークス
クリッパーズ
セルティックス
と相手に恵まれた感は否めませんが、ドアマットを何年も続けていたピストンズにとって「相手に恵まれた」なんていえることが幸せ。そして最後にクリッパーズとセルツを倒していることがグッと評価を上げてくれます。良いときに当たったともいえるね。
シュートが決まりまくったのはホークス戦くらいですが、そのホークスも決まりまくっている試合なので、一番苦戦した試合でした。そんなわけで「爆発して勝った」ような雰囲気ではなく、ある程度の安定したオフェンスの数字をもって8連勝していることも評価ポイントになりそうです。
そして8試合中6試合が30アシストオーバー。セルツ戦も29アシストとパスから崩してのフィニッシュにいけています。ペイント内得点は59.3で2位(1位はナゲッツ)なので、インサイドへのあわせがメインです。逆にキャッチ&3Pは少ないもんな。
〇速攻 23.1
〇ターンオーバーからの得点 20.8
〇速攻の失点 14.5
〇ターンオーバーからの失点 20.3
ちょっと面白いのがこの数字で、スティールからの速攻だけでなく、リバウンドからの速攻を多く生み出せているのですが、一方で失点を見るとターンオーバーからの失点は多いのに速攻の失点は少なめです。この辺もハードワークというか、攻守の切り替えの早さというか。パスを取れないターンオーバーが多いというか。
〇スクリーンアシスト 9.8
そしてハードワークの要素としてスクリーンアシストの多さも見逃せません。いつの間にかいろんな選手がスクリナーになり始めました。アサーがアーメンみたいになことし始めたのは、シーズン前半にはなかった要素だしさ。
なお、この8試合でピストンズよりもスクリーンアシストが多いのはキャブスだけです。アトキンソンもハードワークさせまくるHCなわけで、戦術が歩かないかの差だけで他は似ているのか。キャブスにはカニングハムがいないしね。
また、この8試合では1Qと3Qに差をつけて逃げ切りが多くなっています。スターターは+9点と大いに機能しているわけですが、面白いのはケガ人の関係なんかもあり、1人だけ抜けたユニット構成がバラバラなことです。ローテーションが定まっているとは言い難いわけさ。細かな交代が多くなっています。良い意味でいえばだれが出ても同じようになっている。
ハードワークをベースにおいて、堅実な2P、速攻に走るし戻る、リバウンドの意識が高い。というのがピストンズのチームとしての特徴になっているのでした。