さようならマイク・ブラウン

◎失敗

今シーズンの問題点は2つあります。

①3P成功率の低さ

34.2%はリーグ24位なので、オフェンスのチームとしては致命的です。特にキーガン・マレーとハーターというシューティング担当の不調が続いており、オフェンス面の課題は明確でした。この点については選手の問題であり、HCにとってはアンラッキーだったかもしれません。

ところが、この2人は2年前の成功においてはチームで1,2番のアテンプト数で共に40%を超えていました。実はマイク・ブラウンの成功にとってキーファクターであり、相手からすると抑えるべきポイントでもあれば、チームにとっては上手く生かすべき武器でもあります。

ここにマイク・ブラウン問題の本質があります。ハーターについては昨シーズンは「不調」で片付けてもいいのですが、キーガン・マレーについてはディフェンス面の仕事量を増やしたことと、オフェンスでの自由度を減らしてしまったことが、シューティング問題につながっており、HCの戦術的失敗でもあります。

エースキラー役もすれば、ヘルプ担当としてもディフェンス力が上がったキーガンは、オフェンスに使うエネルギーが減っていました。ルーキーシーズンに59.7%と優秀だったTSは年々落ちており、その反面で今シーズンは7.6リバウンドとハードワークでの活躍度は増しています。

オフェンス面での補強をするたびにキーガン・マレーはスコアリング以外の仕事量が増えていきました。そしてデローザンがやってきたことで、更にその傾向は強まっただけでなく、モンクをスターターにしたのでアウトサイドの弱さが際立っています。

同時にハンドラーが増えてハーターが使うアウトサイドのスペースが減りました。昨シーズンはドゥアルテを獲得していましたが、ドゥアルテもペイサーズ時代には自分が使えるオフボールのスペースがなくなってから苦しんでおり、シューター陣を有効活用する仕組みが足りなくなれば、成功率も落ちるものです。

②試合を通した徹底を難しくしている

これは要するにプレータイムシェアの問題です。トランジションを増やし平面での戦いを仕掛けることを、1試合通して徹底するにはプレータイムシェアは欠かせません。それは他のチームでも証明されていることですが、今シーズンになって主力のプレータイムが長くなり、過密日程もあってハードワークに陰りが見えてきました。

本来はハンドラーもできるデローザンを獲得してフォックスやモンクの負担を減らす算段だったはずですが、結果を見ればデローザン獲得でフォックス、サボニス、キーガン、モンク全員のプレータイムが増えました。シボドーもびっくりのスターター偏重の形は、モンクがスターターになると33.3分のプレータイムにも増えています。

「バーンズがデローザンになったから勝率が落ちた」なんてことはあり得ませんが、デローザンを取った意味を見いだせない形へと推移したのだから勝率は落ちて当然ともいえます。

20分プレイヤーとしては有能なモンクですが、効率の悪いスコアラーなのは間違いなく、苦しい時間帯を打開してもらうのが本質のはず。同時に効率よく決めてもらうためのロールプレイヤーたちの出番を減らしてしまうのだから本末転倒というのかさ。

いずれにしてもオフェンスのチームはプレータイムシェアが基本になっている今日この頃。フォックスとサボニスだけが30分を超えていた2年前の成功と比較すれば、マイク・ブラウンのミスはわかりやすいです。それも補強したことで「そうはならないはず」というルートに進んでいるのだからさ。

さようならマイク・ブラウン” への3件のフィードバック

  1. もーおっしゃる通り、どう考えてもプレータイムに問題があり、マイクブラウンのこだわり・偏重が負けに繋がっていたので、解雇は当然かと。
    今日、ミネソタがクラッチタイムでコンリー、コベア、マクダニエルズ(リード退場で出てきましたが)も出さず勝ち切った試合を見たので、自分たちのやりたいこと>試合の流れ になってるのも一昨年のまま変化がないマイクブラウンのいただけないとこでした。

  2. 今のキングスはディフェンス時にキックアウトのディフレクションを狙いすぎるのがかなり気になるのですが(特にデローザン)、スタミナ切れゆえ有効なチェイスができないことの裏返しだと感じていました。
    whynotさんのおっしゃる通り、まずはプレータイムシェアを進めて、平面で守ることを思い出させるのが次HCの仕事になるでしょうね。
    今のチームにもアイザックジョーンズなどめちゃくちゃだけどハッスルできる選手たちはいるので、新生キングスが楽しみです。

  3. 今季のキングスは速攻の得点が減って、2023のように火力勝ちすることが出来なくなったことも問題だと思ってます。3P%の悪化はデローザン加入、キーガンのハードワーク増加で説明が出来ますが、高いDREB%を速攻に還元出来なかったことは残念でした。

    クリスティには速攻の増加、コーナークラッシュ(コーナーからの飛び込みリバウンド)の徹底、ミスマッチ狩りの増加で、現代的なバスケットをしてほしいです。

    終わり方は残念でしたが、2年前の強豪チーム相手に火力でゴリ押すバスケは非常に魅力的であり、キングスファンにプレイオフを経験させてくれたマイク・ブラウンへの恩は、一生忘れないです。お疲れさまでした。

    速攻の得点
    →2023: 14.9点(7位)
    →今季: 13.2点(26位)

コメントする

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA