◎功績
マイク・ブラウンが負け犬チームに導入した変化は大きく3つあります。それは同時に次に進むことなく続けてしまった要素でもあるのですが、特に2つは非常にわかりやすいです。
①相手は関係なく、アップテンポなオフェンシブ戦術を導入
②常に「自分たちから仕掛ける」ことを徹底
いってしまえば「自分たちのリズムで試合をする」ことを目指したのがマイク・ブラウンのやり方であり、それがフォックス&サボニスを中心とした形にフィットしました。ディフェンス面の問題もあったので、相手に合わせたら上手くいかないため、肉を切らせて骨を断つスタイルのチームになりました。
実際、キングスの試合を見ているとキングスも相手も「良い部分」が目立ちます。お互いに自分たちがやりたいことをやっていく試合は、NBAらしい凄みとワクワクドキドキが展開されます。
また、ディフェンス面でもキングスはハンドラーへのダブルチームを積極的に仕掛けます。「守れない」のは個人レベルのディフェンス力の問題もありますが、受け身にはならないし、あきらめるわけでもありません。単純にリムプロテクトの部分で苦しいこともあって、ゴール下の勝負にはさせず、平面での戦いへと持ち込みます。
デビット・イェーガー時代のキングスはトランジション好きなメンバーを使って、スローダウンのハーフコートゲームを志向し、ペイントでの攻防を重視したことで選手と戦術の乖離が起きました。
ルーク・ウォルトン時代のキングスは、早い展開を好みましたが、好んでいるだけで戦術的にトランジションを増やす仕組みはなく、また積極的に仕掛ける武器を持っていませんでした。試合を通して自分たちがやるべきことを徹底するマインド不足ともいえます。
マイク・ブラウンは早い展開を自分たちから能動的に仕掛けるとともに、「やられてもやり返す」徹底がありました。大事なのは「やり返す」ではなく「やられても」を許容しているところです。「やられない」にフォーカスしてしまうと、やり返すエネルギーがなくなりがちですが、試合を通して自分たちがやりたいことを優先するマインドになってのです。
当然、そこには「相手に対処する」意識が低く、それが「次のステップ」へ進めない要因でもあります。
チームとしての多彩さ、柔軟さを欠いており、現状ではフォックス、モンク、デローザンをスタートに並べてしまっており、やりたい気持ちはわかるけど、やりすぎでした。キーオン・エリスのレーティングが抜群に良かったので、アジャストする戦術を作れれば違ったかもしれないのにね。
ある意味で【徹底】こそがマイク・ブラウンが持ち込んだ成功要因であり、同時に失敗要因といえるかもしれません。
ちなみにルーク・ウォルトンもマイク・ブラウンもウォリアーズでのコーチ経験があり、トランジションゲームをしたいキングスの希望に適したHCと判断されています。そしてスティーブ・カーも自分たちの強みを徹底したいタイプでもあります。それで優勝しているのだから同じことをしたくなるAC陣だったのかもしれません。
もーおっしゃる通り、どう考えてもプレータイムに問題があり、マイクブラウンのこだわり・偏重が負けに繋がっていたので、解雇は当然かと。
今日、ミネソタがクラッチタイムでコンリー、コベア、マクダニエルズ(リード退場で出てきましたが)も出さず勝ち切った試合を見たので、自分たちのやりたいこと>試合の流れ になってるのも一昨年のまま変化がないマイクブラウンのいただけないとこでした。
今のキングスはディフェンス時にキックアウトのディフレクションを狙いすぎるのがかなり気になるのですが(特にデローザン)、スタミナ切れゆえ有効なチェイスができないことの裏返しだと感じていました。
whynotさんのおっしゃる通り、まずはプレータイムシェアを進めて、平面で守ることを思い出させるのが次HCの仕事になるでしょうね。
今のチームにもアイザックジョーンズなどめちゃくちゃだけどハッスルできる選手たちはいるので、新生キングスが楽しみです。
今季のキングスは速攻の得点が減って、2023のように火力勝ちすることが出来なくなったことも問題だと思ってます。3P%の悪化はデローザン加入、キーガンのハードワーク増加で説明が出来ますが、高いDREB%を速攻に還元出来なかったことは残念でした。
クリスティには速攻の増加、コーナークラッシュ(コーナーからの飛び込みリバウンド)の徹底、ミスマッチ狩りの増加で、現代的なバスケットをしてほしいです。
終わり方は残念でしたが、2年前の強豪チーム相手に火力でゴリ押すバスケは非常に魅力的であり、キングスファンにプレイオフを経験させてくれたマイク・ブラウンへの恩は、一生忘れないです。お疲れさまでした。
速攻の得点
→2023: 14.9点(7位)
→今季: 13.2点(26位)