◎担当
では、どんな形で3Pを増やしているのか。成功率UPの前提ではコーナー3P増が基本です。実際にキャブスも本数を増やしました。
〇コーナー3P 9.2本 ⇒ 10.7本
ただオコロやニヤング、ウェイドのコーナーが多い点に違いはありません。唯一の違いはガーランドが増えたことです。
〇ガーランドのコーナー3P
0.9本 ⇒ 1.4本
コーナー以外では5.3⇒5.4と変化がないので、ガーランドの3Pはコーナーからのアテンプト数の変化のみです。じゃあ他の選手はコーナー以外が増えたかというと、そうでもないです。
〇オコロ
コーナー以外の3P 1.1本 ⇒ 1.1本
ペイント内 3.8本 ⇒ 2.0本
〇ニヤング
コーナー以外の3P 3.1本 ⇒ 2.3本
ペイント内 2.5本 ⇒ 2.3本
〇ウェイド
コーナー以外の3P 2.3本 ⇒ 2.5本
ペイント内 0.4本 ⇒ 0.8本
コーナー担当はコーナー担当なんだけど、そこにはハンドラーのガーランドも加わり、流動的になった。かといってチーム全体が流動的なのかといえば、そこまでじゃないっていう難しいラインです。ならばパスを受け取る方ではなく、出す方のドライブスタッツを見てみましょう
〇ドライブ
回数 48.9回 ⇒ 53.8回(3位)
FG 47.4% ⇒ 55.7%(1位)
得点 25.0点 ⇒ 29.9点(2位)
パス数 20.3回 ⇒ 23.7(3位)
アシスト数 6.1 ⇒ 6.7(2位)
今シーズンはドライブの回数が5回近く増え、リーグ屈指のドライブチームとなりましたが、それ以上にFG%の上昇による得点増と、パス数の増加が目立っています。特にパスについてはドライブからのパス率44.0%とアシスト率12.5%が1位と
リーグで最も有効なドライブキックアウト
となっており、逆に得点はリーグ2位ながら、得点率では55.5%で18位です。ドライブが多いチームは得点率が低い傾向にあるので、この数字自体は一般的なのですが、戦術的な変化として
「ドライブ増=キックアウト増」
であることは捉えておく必要があります。
なんせキャブスは2ビッグ、それもシューティングのない2ビッグだったことで、ドライブの成功率が上がらない欠点がありました。ペイント内に人数が多ければハンドラー陣の得点率は上がってきません。しかし、今シーズンは明確にキックアウトが増えたことで、FG成功率が8.3%も向上しています。
ドライブからのパスでアシストが増えたことと、ドライブのFG成功率が向上したことはセットにみえてきます。個人単位での変化を見てみると、当然のように第3PGであるタイ・ジェロームの台頭が昨シーズンとの変化です。
〇タイ・ジェロームのドライブ
回数 7.8
得点 4.8
FG 61.3%
パス 3.7
アシスト 1.3
恐ろしいFG成功率を誇っており、何故ジェロームがローテに入れたかといえば、ドライブからのフィニッシュ精度がキャブスの新戦術にフィットしたからといっても過言ではありません。もちろん、そこからキックアウトも出来なければいけませんが、パスに関してはチーム全体の改善であり、ここにハマった第3PGの登場こそが最も重要でした。
〇ルバートのドライブ
回数 11.7 ⇒ 7.0
得点 5.6 ⇒ 3.2
FG 44.1%⇒ 45.9%
パス 5.2 ⇒ 3.5
アシスト 1.7⇒ 1.1
それはドライブからのフィニッシュに難点があるルバートの変化とも紐づきます。ルバートのドライブ減はジェロームの増であり、そこからのFG成功率の違いはキャブスのベンチメンバーの質を大きく変貌させました。
ドライブ戦術に適した第3PGの登場
ちなみに主役2人のドライブについてもみてみると、ドノバンは(プレータイム減もあり)スタッツに変化がないのに対して、ガーランドには大きな変化があります。
〇ドノバン・ミッチェルのドライブ
回数 12.4 ⇒ 11.7
得点 7.5 ⇒ 6.6
FG 50.0%⇒ 50.0%
パス 4.6 ⇒ 4.7
アシスト 1.5⇒ 1.2
〇ガーランドのドライブ
回数 15.2 ⇒ 14.1
得点 6.4 ⇒ 7.5
FG 46.0%⇒ 58.0%
パス 7.0 ⇒ 6.7
アシスト 2.0⇒ 2.0
でも、このガーランドの変化については別途にしましょう。
アトキンソン・ネッツファンブログによるアトキンソン評うれしいです!
アトキンソンと言えば、RHJやクルッツみたいなタイプを駆使する印象が深かったのですが、キャブスでは見出されたのがジェロームというのが趣深いですね。