ラメロとホーネッツ

得点ランク2位を走るラメロ・ボール。オフェンシブなボレゴから始まったラメロのキャリアは、続いたのはディフェンシブなクリフォードとなり、そして3人目のHCとしてチャールズ・リーがやってきました。このチャールズ・リーの戦術は「エースに得点を取らせろ」になっており、周囲にはエースのために働くことを求めているし、エースには得点王になることを求めています。

その期待に応えているともいえるラメロだし、応えていないから勝てていないともいえる。非常に微妙な立ち位置というか活躍度なのですが、少なくとも昨シーズンまでと違うのは

ということ。なんせチームとしてラメロに得点を取らせる戦術なので、その中で点を取っているならばワガママではないよね。いや、やっていることは従来と変わんないんだよ。でも、これまでラメロの得点に否定的だったのは

・プレーコールを無視して個人技で打つ
・1人でダムダムしてのプルアップを打つ
・タフショットでも関係なく打つ
・シュートミスが続いている流れでも早打ちする

などなど。特にボレゴはバランスアタックのオフェンスシステムだったから、それをPGとしてぶっ壊すラメロってのは勝ちゲームをぶっ壊す存在でもありました。クリフォードはエースに自由を与えるタイプでしたが、そんなクリフォードですらも怒ってタイムアウトをコールするほどタフショット打っていました。

それが今シーズンは「ラメロが打てよ」のプレーコールなので、タフでも打ち切ることが求められます。ホーネッツのフロントはラメロのことを買いかぶりすぎだと思っていましたが、そんなホーネッツフロントの要望に合った戦術をHCがコートに落とし込んでいるとも言えます。本当にフロントが求めていたのかは知らないけどさ。

2年目までがボレゴ時代。3年目にクリフォードになってアテンプト増でしたが、リーになって昨シーズンから+5本という増加です。ドンチッチの22.9本を上回りリーグ最多のアテンプトになっています。今やリーグで最も打ちまくる選手になったラメロ。

そこまでの価値があるならば勝利への近道であり、そこまでの価値がないなら過剰な期待です。個人的には今シーズンのラメロについては「ラメロ本人も試されている」とすら見ています。HC交代で作り直す中、まずはラメロが本当にプレーオフで勝利に導けるスーパーエースになれるポテンシャルなのかどうか。5年目で試されるのって遅いんだけどさ。

ところでラメロについては、上記の通り試合の流れを読めなかったり、プレーコール関係ない個人技に走るタイプなので、PG適正はないと思っています。その点では今の使い方の方がスコアリング担当ながら「パスも上手い」ような位置づけになっており、ラメロという選手を輝かせるには適切な役割に見えています。

・ゲームメイク能力が低い
・プレーメイクも上手くはない
・軽やかなステップでシュートに持っていくのが上手い
・柔らかなタッチでタフショット能力がある
・トリッキーなパスでチームメイトにチャンスを作れる

これがラメロ評ですが、パスそのものは上手くてフリーの選手へアシストするものの「フリーの選手を作るプレーセット」は上手くないという評価です。瞬間的にチームメイトを見つけることは出来ても、意図的にチームメイトをフリーにするイマジネーションはないよね。

またドライブ突破からのキックアウトという点でも、キックアウトは上手くてもドライブ突破の部分が安定しないというか、シューティングファーストの中でドライブするのでラメロの突破力を前提にしたチームオフェンスにもできないしね。

なお、これ書いている時にラメロ不在のホーネッツ戦を見ていますが、コディがドライブから見事なキックアウトをコーナーのジョシュ・グリーンに通しました。それは「ここにドライブしてヘルプが来たらコーナーが空くはず」という前提のドライブなのでスムーズなキックアウトだったし、流れが良いのでジョシュ・グリーンもイージーに決めました。ラメロだと周囲も戸惑うようなこと多いのでね。

いずれにしても、新たなホーネッツはラメロ仕様に出来ています。でも、それが勝利に結びつくのかは異なるお話。ラメロがスペシャルなスーパースコアラーであることが大前提の戦術です。だから勝てない以上は苦しい戦術といえるのですが、ケガ人だらけなのでチームとしての評価は難しい状況だしね。

あとラメロに点を取らせる前提のオフェンスなので、その戦術を継続するためにはセカンドエースとラメロの代役も必要になります。ブランドン・ミラーとトレ・マンがその役割にはめられているわけですが、シックスマンはともかくミラーもスターになってもらわないと成立しないでしょうね。

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