トリプルダブル No.200

ラッセル・ウエストブルック200回目のトリプルダブル

ウエストブルックが初めてトリプルダブルを記録したのはルーキーシーズン。歴史に名を遺すトリプルダブルのはじまりでしたが、そこから6年間で8回しか記録しておらず、誰もが今の状況を予想していなかったことでしょう。

もっといえば、ウエストブルックに限らずトリプルダブルというのは珍しいものでした。ウエストブルックのルーキーシーズンでは当時24歳(!?)のレブロンが7回、クリス・ポールが6回。翌年はレブロンの4回が最高。11-12シーズンになればロンドが6回やった以外は複数回達成者ゼロでした。

それ以前でも二桁回数を記録するのはジェイソン・キッドのみ。それに比べて今シーズンは20試合も経過していないのに7回のヨキッチ、5回のレブロン、4回のカニングハム、3回のサボニスと普通にみんなが記録するようになっています。特にレブロンでいえば若いころよりも30歳過ぎてからのほうが多く記録するようになり、そして40歳を迎えるシーズンでも20代よりも多い回数になりそうです。

ウエストブルックが14-15シーズンに11回を記録すると、そこから18回⇒42回と一気にペースを上げました。そして16-17シーズンは驚異のシーズン平均トリプルダブルを達成。そこから3シーズン続けてのシーズン平均トリプルダブルとなりました。

ロケッツに移籍した1年を挟み、ウィザーズでは22.2点、11.5リバウンド、11.7アシストとリバウンドとアシストでキャリアハイを記録してのシーズン平均トリプルダブルでした。以降、レイカーズ、クリッパーズ、ナゲッツと主役から離れたことでシーズン平均トリプルダブルの達成はなくなりました。

このウエストブルックのシーズン平均トリプルダブルを契機に、リーグ全体でトリプルダブルする選手は普通になりました。同時期に3P時代をもたらしたカリー同様に、

になっていったのです。ウエストブルックがいなくてもドンチッチもヨキッチも登場したのは間違いありませんが、ウエストブルックがいなければ「主役とわき役」というポジション分類で戦術が構成されたかはわからないし、「パス能力の低いスコアラー」の価値が下がることもなかったかもしれません。

それは「5つのポジションによる役割分担」からの脱却でもありました。「PGはパサー」という常識は消え、コンボガードが基本となり、プレーメイクできないスコアラーはチームの中心とは言い難くなっていくのです。

今ではあまりにも普通になりすぎて、ウエストブルック自身の価値も相対的に落ちていますが、トリプルダブルするハンドラーがいることで、周りにはもっとスペシャリストを並べやすくなったし、ロールプレイヤーに求められる要素も大きく変わってきました。中途半端なスコアラーは不要であり、3Pを決められないウイングは使い物にならない。そんな時代へと変化させてしまったともいえます。

トリプルダブル No.200” への2件のフィードバック

  1. 最近は、精度の低さからネタにされることが多いので、こういった記事は嬉しい限りです。

  2. 理不尽速攻、一度だけ全盛期のウエストブルック現地で見れた時に、あれ、一人だけ1.5倍速?ぐらいに感じました。

    why notさんの、ウェストブルックが先発出場した試合の戦績高いのなぜ?の解説記事が読みたいなあというこの頃です。

    正直どうなるんだろう?というのが開幕前の気持ちでした。

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