トリプルダブル No.200

◎理不尽速攻

リバウンドからの速攻は、ウエストブルックという象徴によって一般化され、それは後に続くリバウンド能力の高いガードにとっても同じことがいえます。シーズン平均トリプルダブルとはいわなくても、リバウンドからボールプッシュできるビッグガードは増えてきました。

ただ、本家の凄味はスピードとフィジカルの塊によって強烈な武器と化すことであり、『理不尽速攻』と表現したクレイジーな速攻を生み出せることにあります。

トランジション時代の到来はオフェンスリバウンドへの参加を減らし、ハリーバック優先の時代への変化でもありました。(ここ3年はオフェンスリバウンドへと回帰している)
それはリバウンドをとった瞬間にチーム全体がハリーバックしていればトランジションを食らわないというゲームプランでもあります。トランジションの目的は数的優位で攻めきることなので、優位じゃなければハーフコートを組み立てるべき。

でも、ウエストブルックの突破力はディフェンスが戻っていても関係ありませんでした。バックコートからスピードに乗っていれば一気に突破できてしまうため、ディフェンスの人数が多くてもトランジションにしてしまったのです。同じことやっているのはレブロンとヤニスくらい。

この特異な武器はバスケットが「時間と得点をコントロールするゲーム」であることも思い起こさせてくれました。ウエストブルック最大の特徴は『負けている時の怒涛の追い上げ』を作り出せることですが、それはまさに時間を使わずに攻めきれる理不尽速攻を繰り出せるからこその武器でした。

普通に考えれば追い上げるのが難しい点差であっても、オフェンスの時間が短くて済むのであれば追い上げるチャンスは膨らみます。それもトランジションが増えてカウンターの打ち合いになればさらに何が起こるかわからない。

ウエストブルックはクラッチタイムに強い選手でしたが、それ以上にクラッチタイムに多くのシュートを打っている選手でもありました。それは負けている状況で理不尽速攻を繰り出すことで、短時間でシュートまで辿り着くからでした。

トリプルダブル No.200” への2件のフィードバック

  1. 最近は、精度の低さからネタにされることが多いので、こういった記事は嬉しい限りです。

  2. 理不尽速攻、一度だけ全盛期のウエストブルック現地で見れた時に、あれ、一人だけ1.5倍速?ぐらいに感じました。

    why notさんの、ウェストブルックが先発出場した試合の戦績高いのなぜ?の解説記事が読みたいなあというこの頃です。

    正直どうなるんだろう?というのが開幕前の気持ちでした。

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