さようならジョー・ハリス
キャリア通算 3P成功率43.6%
ケガの影響があったとはいえ、衰えることのないシューティングによってキャリア通算で驚くべき成功率を記録したジョー・ハリス。単一シーズンで40%超えれば有能なのに、10年のキャリア通算で驚異的な確率でした。
さらにいえば、これがワイドオープンを多く打っているスポットシューターならばともかく、オフボールでのムービングから難易度の高い3Pを打ちまくっての数字だから素晴らしい!
また、自分のためにセットされたプレーコールで、ボールに向かって動きパスを呼び込むシューター用のオフボールはもちろん
ボールと逆サイドでディフェンスが自分から目を離した隙に2~3m動いてフリーになるポジショニングや
ボールから離れる動きでディフェンスの視野から消えてのコーナー3Pなど
単にシュートが上手いのではなく、
巧みにフリーになる動きが秀逸
上の動画はアトキンソンネッツ時代なのでチーム事情も大きいのですが、オフボールの中でスクリナーを上手く使っていることもわかります。シュータームーブなので「スクリーンがくる⇒動く」ではなく、「動く⇒スクリナーがいる⇒フリーになる」とワンランク難しいタイプのスクリーン活用でしたが、スクリーンを使った瞬間に微妙に走る角度を変えるなど、見えないフェイクの上手さもありました。
「シュートが上手いからディフェンダーを引き付けてスペーシング」という形ではなく
「オフボールでディフェンスを動かしてスペーシング」してくれるので、ボールを持たなくてもチームメイトが楽になっており、オフェンス戦術の幅を広げてくれるシューターでもありました。オンボールのハンドラー、オフボールのシューターがそれぞれでプレーを構築していくことは、チームオフェンスのバリエーションを豊かにしてくれます。
ジョー・ハリスの3P成功率は20-21シーズンがキャリアハイですが、このシーズンはとにかくワイドオープン3Pが多かったことが特徴でした。その理由はネッツがビッグ3(KD、ハーデン、カイリー)となったため、実はムービングからの難しい3Pが減ったことが関係しています。単なるシューターとして使えば比類なき高確率を生み出すことも可能でした。
〇20-21シーズン
3P 47.5%
ワイドオープン 56.3%(2.2本)
3Pコンテストのチャンピオンになったことも含め、そのシューティング能力の高さは群を抜いており、オフェンス効率的には「ゴール下よりもジョー・ハリスの3P」であったことは、ネッツの戦術を彩っていたとも言えます。さらにイカれていたのが
史上最高のオフェンスマシーンKDがプルアップ3Pを打つよりも、ワイドオープンになっているジョー・ハリスに回す方がベター
っていうね。そういう信頼を得ていたことも特別な能力を持つ選手であることを示しています。
シューターとは単に「シュートが上手い」ではなく、オフボールムーブから打てるスキル、オープンになるオフボールムーブとポジショニング、スクリナーを使うスキル、ディフェンスとの駆け引きが求められ、単に「3Pを決める」以上に「存在するだけでチームオフェンスを効率化する」ことが出来て初めて意味があることを教えてくれたジョー・ハリスでしたが
同時に「単にシュートが上手い」だけでも十分に機能を果たし、個人技フィニッシャーの最高峰のプレーチョイスすらも変えてしまえるほどの効率性をもたらしてくれることを教えてくれたのもジョー・ハリスでした。
シューターに必要なスキルセットを揃えた上で、スキルセットが不要に思えるほどの効率マシーンだったのです。
このブログを読むきっかけになったのが、ウィゴハネッツ時代のPF4人の奇策特集だったので、ジョーハリスの引退は個人的にくるものがあります。
将来的に、ディアンジェロやアレンの引退の時も特集してほしいです。
なんか時の流れを感じます。
もうこうやって引退する選手がでてくるなんてねー
ディアンジェロはやるだろうな
ブルックリンにいた頃は、確率の高さもさることながら、タフにならないシュートの打ち際、裏を突いた丁寧なスタイルのレイアップを決めたりで、逆に上手さを感じさせないプレーが印象に残っています。
そういうシュートに持ち込むことの「上手さ」は素人目線には分かりにくいので、解説がいつもありがたいです。
ジョー・ハリスの引退は、足のケガが大きいという報道ではありましたが、いろいろ考えたのでしょうね。寂しいです。
マークされてるのに打てるのには理由がありますよね。
特にネッツは再現性の高いオフェンスで成功しており、ノウハウが詰まってました!