さようならホーキンソン・ジャパン

◎ビッグという強み

ブラジル戦ではカボクロにも3Pをボカスカ決められましたが、これもワイドオープンの3Pであり、ハンドラーを止めに行けばビッグが空くというのは明確でした。それはホーキンソンを中心にインサイド側を優先して守るという戦術的な選択でもあり、日本は「3Pは捨ててもいい」がハッキリしたチームでした。

その一方でホーキンソン、八村、渡邊、そして吉井を長時間起用し、「リバウンドの強いチーム」になりました。今回のオリンピックでは『高さが』星人の出番はなく、日本のチームリバウンド数は(これを欠いている時点で)5位にはいっています。もちろん日本で一番多い9.7リバウンドのホーキンソンが個人で3位になっています。

という数年前なら考えられない現象が起きています。それは八村と渡邊というNBAプレイヤーが2枚いるウイング(カナダにはバレットしかいないのにさ)と、献身性の塊であるホーキンソンという強みが織りなしている構図です。

なお、リバウンドについては「多いから優れているわけではない」というのが、現代NBAのセオリーです。ディフェンスリバウンドが多い=相手のシュートが外れているということですが、今回はドイツとブラジルのFGは50%を超えており、その割には多くとれています。なお、フランスが42%で外しまくっていたのは日本のリバウンド数をあげたけど、フランスにはオフェンスリバウンドを15もとられています。

その逆で3Pばかりになった日本のオフェンスはロングリバウンドが多く、ここの回収でリバウンド数が増えました。吉井はオフェンスなら2.3もとっている(ディフェンスは0.7)ので、総じてリバウンド重視の態勢が成功しています。

あと日本のFGアテンプトは2番目に多く(フリースローが少ないということでもある)、3Pに関してはトップ。その反面でFG成功率は2チームしかいない30%台とシュートが決まっていないので純粋に「リバウンドになる回数」が多かった。

3Pを放置してリバウンド回収を優先したディフェンス
3Pを打ちまくってロングリバウンドを回収したオフェンス

後者は(どうせオフェンス構築できないし)戦略的に成功したといえ、前者は3Pを決められまくる結果で失敗したといえます。日本には本当の意味でのビッグマンはいませんが、動けるウイングビッグが3枚いてアドバンテージをもたらしていたといえます。

で、これを「ホーバスの成果」というのは難しいよね。ほぼ「ホーキンソンが偉大」なんだよね。もちろん八村と渡邊の存在もあるけれど、一番多く取っているのはホーキンソンなんだからさ。もしホーキンソンじゃなくてファジーカスだったら見た目的にはもっとリバウンド取れそうだけど、ロングリバウンド増に耐えられないし、トランジションにも参加できないしさ。

さようならホーキンソン・ジャパン” への6件のフィードバック

  1. 総合的に見れば過去一番世界で戦えてたと思います。
    河村筆頭に決まり過ぎに見える程3Pが決まったとは言えこれこれで前向きに見得なくもないですし。
    ただ、今後もホーバス体勢じゃないにしても小さいガードが活躍するの大好き大国の日本では河村が重用されるでしょうが、ビッグマン相手にプルアップ3Pぐらいしか選択肢が無いのが致命的に見えます。NBAのロスターには残れなくてもGリーグ辺りでその辺会得すれば希望はあるのですが……。
    後は使う選手一辺倒で他の選手が世界で戦うのに慣れたのかな?とは思います。フランスじゃないですが勝ちに行ってるとはいえ全体のレベルアップも疎か気味になので次のオリンピックまでどうなるのか少し心配ですね

    1. 河村のレベルアップはいいとして、他がレベルアップしているのか問題ですね。
      ホーキンソンいなければ何もできないんじゃないか疑惑。

      ビッグマンの人材がいなくてBリーグで出番のない選手を呼びまくっていたホーバスなので厳しいような

  2. 普段NBAのシーズンをずっと見ている自分からすると、上振れに期待しすぎた投機的過ぎる戦い方だし、1,2試合上手くいくことがあってもそれで強いチームにはなれないだろ、という第一印象を持ってしまいます。
    シーズン最初の1ヶ月だけ調子がいいけど他のチームに慣れられたら負け続けてシーズン終わる頃には初めの快進撃を忘れ去られるチームが毎年でてきますが、そんな印象です。
    ですがプレイオフ以上の短期決戦の国際大会ならこれはこれで一概に否定できないのかなとも思いました。
    ただ、短期決戦でフル代表がやるならともかく下の年代もこの戦い方に最適化されるような育成をしているのだとしたらヤバイと思いました。

    1. 本当にその通りかと。シーズンが1か月なら勝てるかもしれないっていう形ですね。

      NBAでもこの手のチームは1年後に何も残っていない可能性が高く、育成でやるべきではない戦い方です。

  3. 日本が世界と渡り合うには何が必要なんでしょうね。
    今は3Pとリバウンドに焦点を合わせるのは理解できます。
    トランジションと3Pとリバウンド。でもカットや合わせが機能しないと苦しいですよね。
    あと1on1、とか言ったら全部か。
    八村の仕事だけど、NBAでロールプレイヤーでも代表ではエース、という役割変更は難しいのかな。

    1. 何故か足りないものがガードになっている今日この頃。
      日本からドンチッチが登場するのを待つんですかね。でも、ドンチッチいたからといって機能はしそうにないし・・・

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