ウエストブルックｉｎデンバー

◎サード・ハンドラー

チーム力としては素晴らしくても、ハンドラー能力不足・・・もとい頭数不足に悩んでいたのがナゲッツです。しかもサードハンドラーといってもファーストがヨキッチでセカンドがマレーなので、ポジション的には「セカンドハンドラーがいない」という困ったチーム。

クリスチャン・ブラウンとペイトン・ワトソンがいてセカンドガードの人材には困っていなかったのですが、ブルース・ブラウンの移籍からハンドラー不足になりました。そこにラスが来たことはプラスであり、それもマレー＆ヨキッチとは異なるタイプなのだから、新しい武器を作るという意味では戦術にフィットしていなくてもＯＫです。

最高：新しい武器を作れそうなサードハンドラー
最悪：ヨキッチ＆マレーの時には不要なタイプ

問題なのはヨキッチ＆マレーの時間帯には、新しい武器なんて不要なことです。２人から始まるオフェンスでＭＰＪやゴードンが合わせてくるのだから、これ以上のハンドラーは要らないし、レジー・ジャクソンを試合終盤に並べることはありませんでした。

果たしてラスを大事な場面で平然とベンチに座らせることが出来るのか。それを本人が良しとするのかが最悪な問題。しかも、前述のとおり、ＫＣＰのところにはめるならば、同時起用になってしまうじゃん。シュート力問題も含めてベンチユニットにだけ混ぜたいタイプなんだ。

◎トランジション

ナゲッツは割とゆっくりなチームですが、必殺ワンパス速攻があります。ヨキッチのディフェンスリバウンドからのタッチダウンパスは油断を許さない武器であり、これがあるから周囲の走り出しも早い特徴があります。でも、問題はヨキッチくらいしか起点にならないじゃん。

そこにリバウンドの強いガードというのは、ボールプッシュの能力も含めて新たなトラジションの形をもたらしてくれそうです。走り出しの早さへ、増えた起点役リバウンダーっていうね。

最高：ＤＲからのワンパス速攻の可能性ＵＰ
最悪：走り出す人材の減少

しかし、最も走り出しが早いのがＫＣＰでした。リバウンドが強いラスは、そもそも走り出す担当ではなく、切り替えも遅いタイプ。ワンパス速攻は走る選手がいるから出来ることであり、誰も走らないならばヨキッチのワンパスが減ってしまいそうです。

起点は増えたが、フィニッシュ役は減った。相手の隙をつけるタイプが減ったんだ。マレーの役割変更も含めて、ナゲッツのトランジションは増えるのか、それとも減るのか。特殊な選手で構築しているところに、特殊な選手がはいるんだもんな。