さようならラプターズ’24

〇ディック

2年前の新人王スコッティ・バーンズに、RJバレットとクイックリーを加えたことで、ある程度「ヤングコア」が揃ったわけですが、中途半端感は否めないし、周囲を固めるのが中堅どころなので、これからの指名権があるとはいえ、なんかこうモヤモヤっとする一面もあります。再建といえるのかどうか、みたいな。

また、ここ数年のラプターズは大きくないビッグラインナップを好みました。渡邊も含めて6-9が大量にいるロスターは、オールラウンダーで構成する現代的なロスターであり、その中でも高さもあるという新時代的なロスターでもあります。

マクダニエルズ、オリニク、ポーターなど新加入も機動力とサイズのある選手であり、さらにヌワラ、アバジ、ブルースなんかもポジションを選ばずにプレーできるガードです。ガードとしてはデカい。ロスター構成としては変わらないけれど、戦い方は大きく変えたのが今シーズンのラプターズでした。

それは「似たような選手が多い」というデメリットも生み出します。流動的なポジションチェンジが効いていれば強いし、どこでも同じなら意味がないし。ってことで、輸入した若いといえるかわからない若手で中期計画として大丈夫なのか、しかも似たような選手ばかりで大丈夫なのか、そんな疑問のシーズンでもありました。

しかし、本日はルーキーのグレゴリー・ディックがそんな不安を吹き飛ばすようなプレーで楽しませてくれました。

以前に見た時からディックの良さはオフボールで動き回れることと、クイックリリースにあり、同じようなサイズの選手が並ぶ中で明らかに異なる特徴を出していました。コート内を動き続けるディックはオフボールでのプレーメイクに関与してくれており、ディフェンスを動かしまくっています。

このディックに振り回された前半のナゲッツでした。ラプターズがチームとしてボールを動かすのに、さらにオフボールで動くはキャッチしてからのリリースが早いわで、太刀打ちできなかったチャンピオン。ジョンティよりもMPJの弟っぽいプレーだった。

さらにディックはディフェンスでも反応の早さを見せており、フィジカルの弱みなんて何も問題ないとばかりに見事なスティールと、攻守の切り替えの早さで暴れまわっています。

若手を育てられるかは税金の高いカナダのチームとしては重要な要素だったりするので、随分と時間はかかったけど、プレータイムを得たディックが暴れまわっているのは来シーズンへの期待を膨らませてくれます。

そう、クイックリーとバレットだと「この先、本当に成長するの」という疑念があったってことだ。実力に不満があるのではなく、ここから伸びるかどうかへの不安。でも、ディックが伸びてくれるなら不安も解消されるじゃん。

年明けからポーターがストレッチできる万能ビッグとして這い上がり、トレードでオリニクがやってきて、昨シーズンとはシューティングへの意識も変わってきました。PGをおかないビッグラインナップながら、華麗なる連携を繰り出すラプターズ。そこにディックのオフボールシューティングがスパイスになると、相乗効果が生まれそうなんだ。

さようならラプターズ’24” への2件のフィードバック

  1. 面白い記事でした。
    グレイディ・ディックとスコバンの大成長があっただけでも今季は万々歳です。今季はボコボコに負けましたが、ラヤコビッチには長めに指揮をとってほしいと感じてます。

  2. グリズリーズファンとしては、ラヤコビッチが褒められるのは嬉しい限りです。ラヤコビッチが抜けた穴は大きかったのかどうかもわからない今シーズンでしたが、HC初年度で何となく形を作れているのはいいことですねー。

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