ヒートに勝つ準備は出来ているか 後編

ということで「ヒートに勝つ準備」といいつつ、それはプレーオフで勝つ準備です。イーストは準備しなくてもセカンドラウンドに進めてしまうのが逆に悩みだったりしますが、様々なシチュエーションで戦う準備がないチームは、7戦シリーズで苦労します。

ちょうど、これを書いているときにヒートはクリッパーズと戦いましたが、攻守に働けるタイプの欠場者が多いため、ゾーンを多用しました。1-1ー3みたいなゾーンですが、途中でハーデンが「軽くドライブして1-1の2人を引き出せば、45°で3P打ちやすいぞ」と気が付き攻略していきました。

すると同じゾーンなのに3の両サイドが45°までカバーする形に変更し、コーナー・エンドラインを薄くしました。この時面白かったのは、3人交代+1回下げたラウリーを即戻して作戦変更を伝えており、ノータイムアウトで変更したことです。同じ形のゾーン、ノータイムアウトならば相手は同じように攻めてくるだろう、という前提の仕掛けでした。ウエストブルックに攻略されたけど。

思いっきり失敗しましたが、結局はこういうことをシーズン中に繰り返すことで、戦略変更にアジャストする能力を高めていくのが大事ということをヒートが表現してくれていました。ちなみにオフェンスもオープンショットを作れていましたが、確率が上がらなかったです。柔軟に戦えても勝てるわけじゃない。

今シーズンでいえばバックスが勝率よりも苦しく、シクサーズが勝率よりも期待値が上がっています。同じラプターズから輸出されたHCなので、勝つためのメソッドは理解されているでしょうが、チームに落とし込む能力の差を感じてしまった。

果たしてシクサーズはセカンドラウンドの壁を越えられるのか。準備は出来ていますが、細かな戦略変更に適した選手ではないので、「実践できるか」は別の話であり、信じていいのかわかりません。

開幕前、今シーズンの注目にペイサーズを挙げたのは今回の趣旨にあう内容は考えず、ただひたすら「自分たちの強さ」を徹底していく戦い方だからです。それはプレーオフで勝つには難しそうなのですが、カーライルはぶっ飛んだくらいに振り切ってきます。加えてコートにはハリバートンがいるので勝手に判断を加えてくれます。それがプレーオン・トーナメントでファイナルまで進む要因にもなりました。

マジックは曖昧なところが非常に多いのですが、その曖昧さの中に多様な選手がいて、個人レベルでアジャストできるので面白い存在でもあります。ビッグラインナップでマルチに守れる分がある。ブルズはホワイトとデローザンで起点が増えており、万能に守ろうとするマインドもあってラビーンがいない方がベターにもなっています。何故かマルチに守ろうとしないネッツなんてのも。

結局はプレーオフも相性という運の要素があります。でも「運」で済ませては勝てない。最大4チームとはいえ、4チーム全てが相性の良い相手になる可能性は低く、戦略の柔軟性は必須です。プレーオフに進むステップから勝つステップへ。そんな話でした。

ヒートに勝つ準備は出来ているか 後編” への4件のフィードバック

  1. ヒートを引き合いに出してのイースト上位陣のプレーオフに向けての考察非常に面白かったです。
    ここにホークス、ネッツが対プレーオフを考えられるメンツに混じればイーストのレベルも上がるはずが、、酷い今シーズンですね。。

    1. なんでイーストってこうなんでしょうね。
      ウエストのHCがきたレアケースのホークスでも上手くいかないなんて。

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