プレーチョイスとして「止まって判断する」系統のプレーが減った感じです。ポストアップ減でPnRハンドラー増はビックリですが、これらもスピードに乗ってフィニッシュすることを優先したと考えれば、ヤニスの良い部分を出していくようなイメージです。
実際、ダンクやレイアップの回数が増えています。相手ディフェンスからすると「ヤニスにやらせたくないプレー」が増えているってことなので、スペーシング効果とみるのが自然かな。
〇ダンク
3.2回 ⇒ 3.4回
93% ⇒ 96%
〇レイアップ
8.6回 ⇒ 9.8回
61% ⇒ 69%
レイアップは回数アップもありますが、成功率も上がっています。柔らかくフィニッシュするタイプじゃないので、ディフェンスを振りほどいてからゴール下まで行けてます。
「ヤニスにはジャンプシュートをさせろ」は鉄板の対策であり、ドライブ優先で守っていくわけですが、それでは対処できないほどテンポよく仕掛けている感じです。プレーを読まれて止められることが多かった過去を考えると素晴らしい変化であり、当然のようにジャンプシュートは減っています。
〇2Pジャンプシュート
3.4回 ⇒ 2.2回
32% ⇒ 34%
はい。確率は相変わらずですね。でも本当にジャンプシュートをする必要性が減った。ダムダムタイムが悪いというか、マークマンと向き合って駆け引きタイムがでると、結局はジャンプシュートを選択せざるを得なかったのが、パスキャッチからテンポよく仕掛けるので止めにくくなりました。
ということで今シーズンのヤニスは、昨シーズンまでのヤニスよりも効率の良い得点パターンに持っていけていることがわかります。ワンタッチ当たりのボール保持時間が減り、テンポよく仕掛けることでディフェンスが対処しにくく、そのためジャンプシュート系ではなくダンクやレイアップといったスピードフィニッシュが可能になりました。
また、ヤニスといえば試合展開が苦しいほどに1on1を増やしてしまい、バックス自体がビハインドに弱い印象でしたが、今シーズンは大勝していないにもかかわらず、この成績を残せているのもポイントです。楽勝が減ったのに、ヤニスは楽になっている。これっていいのか悪いのか。
「良いことだらけ」と言えそうなオフェンスの変化に比べて、ディフェンス面ではヤニスの脅威は落ちているもの苦しいところです。リラード効果で確率アップは間違いないでしょうが、チームのディフェンス力が下がった中でヤニスにはディフェンスでの貢献度を高めて欲しいのに、あの驚異的な高速ヘルプが「間に合わない」のではなく「いかない」ことが増えています。
これは今シーズンから始まった傾向ではなく、ブルックが離脱⇒復帰してからの出てきた傾向ですが、今シーズンは特にボールウォッチャーになっているシーンが目立っています。
オフェンスの好成績は、ただ単にディフェンスよりもオフェンス重視なだけかもしれません。「重視」しただけで、こんな成功率を残せるなら苦労しないんだけどね。
〇TS 60.5% ⇒ 66.1%
ヤニスのポテンシャルを考えると今シーズンのプレーでMVPなんか上げたくないけど、この凄まじい確率は群を抜いています。フリースローの確率とTSがほぼ同じというヘンテコスタッツです。
シュートが苦手なのに、リーグ最強の確率フィニッシャー。3Pなんて必要ない。モンスター・ヤニスがモンスター感を増している今シーズンです。
数値だけ見るとラシャードルイス加入直後のハワードみたいですね。
現状モンスター感あるスタッツですがプレーオフでどこまで成果が出るかたのしみですね
バックスは(リラード&ヤニスのピック)を減らして、ヤニスハンドラー、ロペスやポーティスがスクリナーのピック、DHO、スタンピード、インバーテッドピック等の(ヤニスがハンドラーかつ加速しやすいプレー)を増やしました。
リラードは(ロペスとの超ハイピック)を増やして、驚異的に広いスペースを与えて、プルアップスリーやポケットパスをやり易くしてます。
またヤニスハンドラーのピックが増えたことで(リラードのコーナーステイ)が増えてます。これはリラードはフェイスやトップロックで付かれるので、それを逆手に取ってスペーサーにしてるのだと思います。
リラードがコーナーにいると、ヤニスが広いスペースを使えるし、2019TORみたいに壁を作られた時の対策にもなって、これがヤニスのドライブ増加、ゴール下の確率向上に寄与しています。
このようにリラードとヤニスのピックを減らして、敢えて分けて使うことで、各々に広いスペースを与えたことが最近の勝率向上の要因だと思ってます。
MILファンではないですが、デッドラインでディフェンダーを連れて来れば、一気に勝ち上がるのかなと期待してしまいます。
ヤニス&リラードのP&Rを期待してたら、リラード&ロペス、ヤニス&ロペスでバックスが復調したのが面白い。
ミドルトンのアバウトなロブパスですらフィニッシュ出来るヤニスなのに、リラードからのロブが一向に生まれないのは不思議です。