「守れない」ってのも様々だ

マブスとキングス

DALのDFシステムを一昨年のような小難しい形に戻すのはアリだと思いますか?
whynotさんが以前仰られていたように、今季のDFシステムは簡易化されていると思っていて、実際昨季よく見た「今のDF誰がつくんだ?」みたいな混乱はそこまで見かけない気がします。
一方で、ローテーションは逆に難しくなっている印象です。今日のSAC戦では、グリーンがコートを横断してローテに走っている場面も見られました。DFシステムを簡易化した結果、致命的なミスは減ったものの、攻略のしやすいDFになってしまった感が否めません。
昨季はビッグマン陣がDFシステムの理解に苦しみ、ウィング陣の層の薄さに泣いたわけですが、今季はライブリーが割と賢く動けていて、ウィングも層が厚くなったと思うので、もう少し複雑で攻略の難しいDFシステムを採用するのもアリかなと考えています。

長い質問ですが、要はシステムとしても個人技としても「シンプルにした」印象のあるマブスの今シーズンですが、チームの調子が良いから難易度を上げた方がいいんじゃないかなー。ってことですね。

回答は「まだ早い」ですが、キングスとの対戦は質問の意図が非常によくわかるものでした。

なんせキングスは守れないチームですが、その一方で「全部守りたい」チームでもあります。『全部を守ろうとしてディフェンス力が低い』の典型例。サボニスという致命的なアンチ・ディフェンシブセンターを置いているだけでなく、それをチーム全体でカバーするように中に絞るわけでもない。1on1で抜かれると誰もヘルプに間に合わないこともあるけど、かわりにマンマークを簡単には外さない。

難しいシステムを採用しているわけではありませんが、全員がしっかりと守ることを前提に置き、カバーとローテを繰り返す気持ちも強いです。だからこそ遅いタイプの選手は不要なロスターでもあります。まっ良かった時のウォリアーズディフェンスの劣化版みたいな。イグダラがいないのはウォリアーズもいっしょだしさ。そういやイグダラをACとして連れてきたいって話もあったね。

これに比べるとドンチッチとカイリーがいるので理想を諦めているようなキッド。それはオフェンスにエネルギーを注ぎやすくしたいし、そのために個で守れるディフェンダーを求めたようなオフでもありました。もっとディフェンシブに戦いたいのかと思っていたけど、フタを開けたらショートドライブからのパスアウトを徹底するオフェンスも含めてシンプルだ。

難しいことをやると「できない」選手が目立ちます。確かにサボニスは守れないけど、チームとしてやるべきことはちゃんとやる。チームディフェンスを壊して「あーあ」みたいなシーンは少なく、かわりにファールしまくる。そんな「あーあ」が増えると穴だらけにみえるので、それよりはシンプルに個人が頑張った方が現実的じゃん。

さて、この試合序盤でキングスの狙いは超シンプルでした。狙いどころは2つ。1つは「ライブリーとデリック・ジョーンズの連携は悪い」ってこと。おそらく8割がたライブリーの問題点を使おうとしていて、サボニスみたいな選手の相手をしたことがないだろ、っていう事でハンドラーに簡単によるからハイポストのサボニスが空くぞ。

もう1つはオフボールのドンチッチ。フォックスとサボニスのツーメンゲームからサボニスが空くシーンを作りつつ、ドンチッチにマークされたバーンズがオフボールの大きなスイングでドンチッチをスクリナーに引っ掛けてドフリーになるプレーを連打しました。その後、キーガン・マレーもドンチッチにマークされた瞬間にカットプレーを決める。

脳筋みたいなキングスですが、ウェンビー対策といい、割と論理的に崩してきます。崩すパターンを増やせるフォックスがいれば・・・っていう前提もあるのですが、いずれにしても質問にある通り、極めて論理的に、かつイージーに崩していきました。

それはマブスディフェンスがマンマークで追うことを前提にしているからであり、オンボール・オフボールのスイッチなどの対応が悪いからでもあります。オフェンスの両チームらしい展開で進んでいきました。あと崩されているマブスと、カバーはあってもファールするキングスっていう構図でもあった。守れないのはいっしょ。

「守れない」ってのも様々だ” への3件のフィードバック

  1. 今回のブログも大変興味深かったです。
    実況が「24秒ギリギリでのSACのオフェンス成功はこれで何度目だ!?」と叫んでいたのが印象的でした。これも結局パスで振られれば振られる程に穴だらけになるDALディフェンスっていうことなんですよね。
    一昨年ディフェンスで成功したときの特徴は、24秒ギリギリまで粘り強く守ることでしたが、今のディフェンスは、ボールマン一点集中であることから、スティールやブロックを狙ういわば「一八ディフェンス」だと思います。ブランソン・ブロック・フィニ―スミスから、カイリー・デリックジョーンズ・グラントに変わり、その特徴の変化に戦術を合わせているということなんでしょうね。

  2. ライブリーくんが大活躍したのはこれまで、ホーネッツ(マークウィリアムス)、ウィザーズ(ギャフォード)、マジック(ゴガ)など、純粋な身体能力勝負だと勝ち切ってくれます。一方でサボニスやヨキッチに困りまくっていたこととブルックになすすべなくポストで点取られてたことから、駆け引きしてくるセンターにはタジタジなのはわかりやすすぎです。
    ルーキーが一流選手の駆け引きにボコられるシーンはマブスファンとしてはいつも加害者側として何度も見てるので、ここら辺は経験積ませるしかないですよね。
    次はレイカーズ戦、AD相手にどれだけできるか楽しみです。サボニス相手よりは戦えるとは思うのですが、、、

    1. ナイス補足ありがとうございます。
      いろいろできそうなライブリーですけど、アジャストしていくには時間がかかるでしょうね。
      始めから上手く守れるなんてことはなく、チームメイトもサボり気味なので、経験積んで覚えていければね。

コメントする

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA