帰ってこいロディオン・クルッツ

◎ブルーノ・カボクロ

今はイタリアでプレーしているらしいカボクロ。かつて渡辺のライバルだったような気もするが、流動的にポジションチェンジするブラジルにおいてはセンターをやってました。基本的にはインサイド合わせなんだけど、スピードのあるインサイドとして現代的といえば現代的だったぞ。

カボクロの場合はNBA側も知っているから、わかりやすいんだけど、高い運動能力による高速ヘルプはNBAでも出来る能力だったよね。ただ戦術理解力が進まなかったから、その能力を存分に生かしていたとは言い難い。ブラジルではセンターなので仕事が限定されており、そこが上手く機能していた感じもあります。

ビッグマンで難しいのはルールの違い。ビッグマンじゃなくても難しいけどさ。

きれいにブロックする必要があるNBAと、コンタクトディフェンスが認められているFIBAだとカボクロの弱点が見えにくくなりました。つまり、ファールってことだ。ディフェンス3秒の問題もあるし、より高速ヘルプしなければいけないのがNBA。

またオフェンス面では押し込み担当として機能していたけど、これまたタイミングの良い合わせって感じではなく、本当に押し込みであり、それはNBAのビッグマンに潰されそう。

カボクロはある程度は通用するのがわかっており、ただ「ある程度」から抜け出せないのもわかっています。ストレッチ担当としての3Pに難があるし、純粋なビッグだと考えれば特殊だしな。

◎マイク・トビー

ドンチッチがいることでマブスファンにはお馴染みのスロベニアのセンター。カボクロとは真逆で現代ビッグに求められる運動能力の部分で物足りなさがあるけれど、ドンチッチの相棒として高確率で決めまくるトビーは最高にスマートです。4試合終わった段階では

14.0点
2P83%
3P56%
7.3リバウンド
0.3ブロック

こちらも変態的な確率で決めまくってますね。どうやったらこんな高確率になるんだろ。3Pに凝っているのか知りませんが、これまで以上に積極的に打っているイメージだし、それは決めているし。ストレッチさせてもよし、ダイブさせても良し。いかにもドンチッチの相棒っぽさがあるトビー。

オフェンス面ではいうことがない。ただブロックの少なさもあり、ディフェンスはフィジカルの弱さとスピードのなさがね。

NBAでも普通に活躍すると思いますが、ドンチッチみたいなパサーがいないと需要が小さく。しかし、ドンチッチみたいなパサーがいる場合はディフェンス力が欲しくなるのが一般的です。だからトビーは難しい。レブロンならまだ・・・。

いずれにしてもビッグたちはディフェンス力が優先事項に見える今日この頃。そこが激しくファイトするクリバーとの違いなのか何なのか。

◎ジョシュ・ホーキンソン

今大会、最高のビッグマンといっても過言ではないホーキンソン。その良さは別で書くので置いといて、NBAってことを考えるとモンスターの巣窟に紛れ込む一般兵みたいな構図になります。苦しいよね。苦しいよ。

しかし、「通用しそうな武器」もはっきりと見えました。今のNBAでビッグマンたちが持っていないような武器ね。1つはハンドリングなどのスキルがあることですが、これは「欠点にならない」レベルというか、選手として使いやすいに留まります。大事なのはそれ以外の部分だ。

献身性&プレー判断の早さ

スクリーン1つで終わってしまうビッグマンはマジで使えないけど、ホーキンソンは1つのプレーで何度もスクリナーになれます。しかも、そこからポップしての3Pもダイブしてのショートレンジもあるから便利だよね。

早くて正確なショートレンジ

そして最大の武器はこれ。ダイブしたときに明らかに高さと運動能力不足に見えて、パスキャッチからリリースまでが早いので、ブロックするのが非常に難しい。それこそ八村なんてキャッチしてから持ち直してシュートに行くので囲まれるし、後ろから叩き落されるからね。ホーキンソンの「早さ」って十分にNBAでも通用します。それも確実だし。

運動量&インテリジェンス

ゴール下を埋めてリバウンドを稼ぎまくりながら、速攻の先頭も走っているホーキンソンの運動量は驚愕だよ。「スタミナ」っていうよりも「連続プレーで落ちないインテンシティ」かな。1万メートルが早いんじゃなくて400mが早いような感じ。だから15分のミニッツでも活躍しそう。

しかも、速攻のチャンスがゼロの時は普通に歩いているでしょ。何も考えずに走っているのではなく、状況判断して走っているという証明でもあった。総じて自分の持つ能力を相手に応じて使い分けるインテリジェンスはホーキンソンの武器だったよね。

ホーキンソンって欠点が少ないタイプなんだけど、今大会では明確な武器を示してくれたのでNBAでも使いどころが十分にありそうなんだ。だからNBAでも見てみたい。そしてそういう武器がないならば、別にNBAには来ない方が良い。

富永と馬場なら、馬場の方が選手としては上だけど、NBAってことを考えたら富永の方が近いよね。サマーリーグとGリーグで活躍して、NBAにコールアップされて2試合ぐらい活躍するけどフェードアウトしていくような、よく見るタイプなんだけどさ。

帰ってこいロディオン・クルッツ” への2件のフィードバック

  1. 各国のバスケとNBA選手(元含む)のチーム内での役割は面白いですね。
    自分もいろいろ注目していましたが。。
    カーリックやトレモントなんてNBAでは使いにくい選手だけど、国際大会ではここまで結果を出すし。
    ホリスジェファーソンなんてアンダーサイズのディフンシブロールプレイヤーだったのに大エース。
    もちろん、NBAにくる選手なんで元のポテンシャルは十分にあるんですが。
    選手としての能力も重要だけど、チームと合うかどうかも重要。
    渡邊を見ていて、自分の役割を確実にこなせる選手ってのは、やっぱりNBA選手にとって大切な要素なんだと思った。

  2. ネッツと言えば、ロンデイ・ホリス・ジェファーソン。
    ヨルダンにコービーのそっくりのプレイヤーが、という記事を見たら、そこにいたのがホリス・ジェファーソン。びっくりしました。

    コービーが“フェアウェルツアー”としてブルックリンへ凱旋してきた際に「あの時、僕(ホリス)は『ねぇ、僕になにかアドバイスはありますか?』と聞いたんだ。そしたら彼はエルボーを好きになれと言ってくれた。それからというもの、僕はミッドレンジ(ジャンパー)を磨いて、毎年うまくなってきたんだ」
    との記事も。
    ホリス・ジェファーソンの活躍、嬉しかったっす。彼もアトキンソン・チルドレン、ですかね…。
    現チームとは契約上、NBAチームが興味を示せば戻れるらしいのですが、彼やワールドカップで目立ったチームのプレイの質とかクオリティとか、また機会があれば解説を拝読したいです。

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