Ｂリーグファイナル’２３

Ｂリーグファイナルをみたので感想をメモっておきましょう。

千葉は何回か見たことがあり、新ＨＣジョン・パトリックとヴィック・ローの上手さが際立っていました。ロイス・オニールみたいなローですが、なんでも千葉に来たときはスコアラー専門だったとか。ほんとかよ。それが短時間にオニールみたいになったなら脅威じゃん。

そしてパトリックはユーロ時代にオニールがチームにいたとか。マジか。パトリックがオニールをオニールにしたのかよ。でも、ジャズでも次第に今のオニールになっていったからな。どうなんだろ。

◎パトリックとロー

パトリックは試合中に対戦相手に応じて戦い方を入れ替えてきます。その中心にいるのはローで、例えば川崎のゾーンに対してはギャップとなるスペースに何度もローが入り込み、そこからワイドに展開するパス、ミドル、ドライブとプレーメイカー役として機能していました。だからオニールじゃん。得点力のあるオニール。

このファイナルでもローの利便性は目立っており、ギャビンがいることでオンザコート３の状況でローはＰＧ岸本のマークマンとなり、オンザコート２になれば普通にセンターを守ります。オニールじゃん。クリストファー・スミスとのオンザコート２ではノーセンターのスモールラインナップになります。

こうして自分たちに変化をつけて相手を攻略していくわけです。ゲーム１では琉球のインサイド固めを攻略できないとスモールにしてアウトサイド攻略を目指し、スペーシングの改善を実行するなど、細かい仕掛けをいっぱいしています。

でも、あまり覚えていません。理由は明らかにユニット変更していても、富樫のゲームメイクが殆ど変わらないこと。かつ、千葉は日本人選手の層が薄く、富樫を下げたところで小川が出てきても特に何も変わりません。ウイング側は原のシュートが決まらなかった面は予定外としても、佐藤が出てきても３Ｐの問題が大きく、ツーガードにしても小川がキックアウトから打ち切らないなど、なんだか急に「ザ・日本」な問題を見せてきました。

ＨＣ交代により現代的なバスケへと変貌していった千葉。そんな印象を抱いてましたが、ガード陣は適合できておらず、ビッグマッチになって個人技突破に頼るシーンが増えすぎました。なかなか衝撃的な敗戦です。

ローにプレーメイクを任せるとシンプルにウイングの原に展開し、そこからドライブも決まりましたが、ゲーム１はとにかくパッシングしないガード陣の問題が目立ちました。ゲーム２になると、かなり減ったし、富樫からクリストファー・スミスへのアリウープも２本出るなど、ちゃんと修正もしてきましたが、最後までオフェンスのテンポがあがらなかったです。

また、ゲーム１に劇的な３Ｐでオーバータイムへと持ち込んだローですが、フィジカルな戦いに疲れてしまったかのように不調でした。ローの便利さに頼っていた千葉が、ローがフィジカルな戦いで疲弊してしまったのは、本来はセンターじゃない選手らしさかもしれません。

富樫についてはゲーム１はクーリーを引き出してはダムダムを繰り返し、殆どドライブせずに３Ｐを打つか、時間をかけてからパスを出してチームメイトのミスを引き出しました。ちょうどイーストファイナルのテイタムみたいじゃん。テイタムの周囲にはゲームメイカーのスマート・ホワイト・ブログドンがいるけど、富樫の周りにはいないじゃん。

ゲーム２は前述のアリウープも通したし、ダムダムタイムは急激に減りました。多分、パトリックに怒られたんだろうね。なので、そんなに悪いプレーではないし、さすがの得点力を発揮しました。今更プレーメイクの質を向上させるなんてことはできないので、出来ることを実行したゲーム２でした。ＦＧ成功率もゲーム１の４０％から大きく上がったしね。

ってことで、パトリックとローの良さを感じていた今シーズンの千葉でしたが、その良さを本当に生かすには・・・まぁ黙っておこうか。