ECF ゲーム5

◎蘇ったセルツ

セルツのディフェンス対応をみていくと、なんだか数年前を思い出します。「アデバヨにやらせろ」という作戦は多くのチームが採用する形であり、今シーズンもバックスが実行しました。それはアウトサイドでの2on1を生みますが、セルツのペリメーターディフェンダーはとにかくシューターを追いかけ、時にアデバヨは空けてもOKな感じでした。

そしてアデバヨのアタック回数が増えていくと「右手でドリブルする」ことを読まれまくりました。通常ならアデバヨも左右どちらも使いますが、ビハインドの状況で、何度も1on1にされると慣れ親しんだ右手アタックが増えてしまったのかもしれません。

セルツはコースを止めるのはもちろん、後ろからでも積極的に手を出してきました。その殆どがアデバヨが右手でドリブルをつくことを理解しているような手の出し方で、ギャンブルディフェンスのように背中側から手を出しても成功させていました。読まれていたかは知りませんが、多くの選手がアデバヨのドリブルを狙っていたので、チームとしての狙いだったのでしょう。

一方でバトラーに対しては、そろそろ本格的にホワイトがプレーを読み始めました。フェイクの時にはブロックに飛ばず、実際にシュートに行った時だけ手を出していったホワイト。速攻でのファールなんかもあったけど、ほぼほぼ完ぺきに封じ込めることに成功した印象です。フェイダウェイは決められてもファールドローはさせない。

ゲーム1ではカモにされていたホワイトは、アジャスト完了とばかりにバトラーとのマッチアップに余裕がありました。そしてバトラーは「思い切りが悪い」ようにも見えてきます。まぁ普段から思い切りは悪くて、しつこくやるのがバトラーなんだけどさ。

ラウリーのトラブルもあってか、ヒートはアデバヨが打たされているようなシーンを除くとミドルが減ってきました。プレーを読まれているバトラーは積極的にジャンプシュートに切り替える必要があります。そこにディフェンスを食いつかせるからファールドローも出来るんだしさ。

そんなわけでセルツはディフェンスにおいて、アデバヨとバトラーを読み始めました。ダンカンに対してはチェイスを優先し、逆にドライブアタックを食らいまくったなど、全てが成功したわけではありませんが、ヒートの両エースを封じ込めることはメリットが大きかったといえます。

1年前のウドカ時代は、こうしてチームとしてアジャストするような戦い方ではなかっただけに「蘇った」ような印象があります。ブラッド・スティーブンス時代はこうして相手のやってくることを徹底してスカウティング&対策していたイメージだもんな。

何があったのかは知りませんが、ちょっとブラッド・スティーブンス時代へと戻りつつあるセルツ。コーナー3Pが決まらなくても徹底したスペーシングとパスゲーム。そしてアデバヨとバトラーのオフェンスパターンを読んでくるディフェンス。ちょいと昔に戻ってきたようだ。あの時はファイナルまでいけなかったけどな。

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