さようならリバース

リバースの後任に誰を狙っているのか、噂は多いですが、バスケットという競技はハイレベルな戦術の戦いの先に、シンプルな個人技の戦いが待っています。セルティックスは戦術能力の高いチームですが、その戦術の最後は「テイタムvsエンビードなら勝てるだろ」という個人技へと誘導する戦略になりました。

シクサーズに足りないものというか、リバースの3年間で身に着けられなかったものを求めるのであれば

① エンビードにハードワークを叩き込み、インサイドファイトを繰り替えさせる

② 攻守にオプションを増やし、様々なプレーを出来るチームに落とし込む

このどちらかを意識することになります。前者であればシボドーやビリー・ドノバンあたりが適任です。後者であればアキキンソンやボレゴのようなタイプです。

一方で「リバースの采配が悪い」とするならば、ニック・ナースやヴォーゲルは優勝経験のあるHCとして適任です。ただ、シクサーズの戦いぶりを見ると、采配だけでどうにかなるとは思えません。シモンズ時代は采配でどうにかするような選手層もありましたが、リバースの3年間で限定的になってきたので難しそう。

そしてハーデンとエンビードが柔軟な采配に耐えられるのか、という疑問もあります。そういうHCとやってこなかったからこそエンビードには必要なのかもしれませんが、今からプレースタイルが変わるのだろうか。変わらなかったら、ヴォーゲルはどんな指示を出せるのだろうか。ナースがフルコートディフェンスを指示しても、選手は動けるのだろうか。

プレーオフで強気にプレーできるのが才能だとするならば、エンビードが年下のテイタムに勝つのはムリでしょう。ヤングやバトラーにも葬られており、極めて難しい案件です。しかし、シーズンから様々な経験を重ねることで柔軟性を身に着け、個人としてもチームとしても多様な手法で戦うことでプレーオフの勝利もあります。テイタムだってバトラーだってすべての試合で良いプレーをしたわけではないのだから。逆に才能は十分に持っていたのにワンパターンなキャブスで沈黙したドノバン・ミッチェルもいるしね。

リバースの3年間はエンビードを輝かせた3年間でしたが、それはチームとしての戦い方を狭めることになりました。課題解決に向かったかと思った1年目はどちらかというと「エンビードを活かす形」を模索したというだけだった気もしてきます。3年目になりハーデンのプレーメイクもあってシクサーズのオフェンスは機能しましたが、プレーオフになって別のことを出来るほどチーム力は整っておらず、何よりもディフェンスがダメならオフェンスもダメになるというメンタリティの問題は残り続けていました。

シクサーズに必要なのはエンビードを輝かせないHCなのかもしれません。

さようならリバース” への2件のフィードバック

  1. 必要なのはエンビードを輝かせないHCかもしれない
    シクサーズファンとしてすごく納得させられる記事でした
    できるなら、エンビードをチームシステムの一部に落としこめるHCを希望したい
    でも結局無理で揉めてHCが辞める未来しか見えません
    いっそ髭が出て行ってエンビード売って再建のが良いのではと思うのですが
    それも難しいという
    先行きは暗いですね

    1. トバイアスも契約が終わったところで、いったんどうするかってのもあるので、来オフに真剣に考えることになりそうですね。

      それにしてもリバースに何を求めていたのか。外から見ると予想通りの内容だったし、こうしてみると仕事はしたんですよね。

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