さようならリバース

さようならシクサーズ’２３

もう書き飽きてきた「さようならシクサーズ」ですが、ＨＣリバースが解雇されたので、３年間を含めて見直してみましょう。

毎シーズンのように同じ負け方をしており、そのたびにエンビード問題だと書くのが当ブログですが、それはそれとしてシクサーズは毎シーズンのようにスケープゴートを決めてきました。短期的な補強を繰り返しては、誰かに責任を押し付け、充実した戦力で強豪としての地位は揺るがないけど、最後に辿り着くのは同じ問題。

「オレたちにはＰＪタッカーが足りない」というエンビードの発言からＰＪタッカーを補強したのが今シーズンでしたが、振り返ってみるとエンビードの発言通りに「ＰＪタッカーのようなマインドが足りない」という結果になっており、必要なのはＰＪタッカーの補強ではなく、自分がＰＪタッカーのようになることだったというオチでした。

まずはザックリとスタッツを振り返ってみましょう。

〇レーティング
オフェンス　　１１３．０　⇒　１１７．０　
ディフェンス　１１０．２　⇒　１１２．７

今シーズンはオフェンス面の成長が目立ちました。得点力で打ち勝てるようになったのが大きな変化でした。皮肉にもね。なんせプレーオフになったらオフェンスレーティングは１１０まで下がりました。

〇ペイント内
４５．０　⇒　４７．９

ペイント内得点は微増ですが、問題はプレーオフになって４０点まで落ちたことです。セルツ戦は３７．４点なので、シクサーズの方が強そうに見えたインサイドは、ほぼセルツの圧勝でした。この傾向は毎シーズンの特徴になっており、強みであるはずのセンターなのに、肝心のところで強みになっていないわけです。

〇オフェンスリバウンド　８．５　⇒　８．７

ただ別に驚くほどのことではなく、シクサーズはシーズン中からオフェンスリバウンドが少なく、リーグ最低クラスです。この辺りがハードワーク不足といわれてしまう部分です。

特にエンビードは毎シーズンオフェンスリバウンドを減らしていきました。３年前は平均２．８本だったのに、今シーズンは１．７本まで減りました。明らかにゴール下でファイトすることが減ったのです。なお、リードがコートにいれば増えているので、役割のバランスが改善しています。

〇アシスト　２３．７　⇒　２５．２

シーズン通してアシスト王ハーデンがいたことで、ファーストチャンスで決めきれるようになったのは今シーズンのプラス要素ではありました。ただしプレーオフになるとハーデンのパスが８本ほど減っており、必然的にアシストも減少しました。

そしてハーデンからエンビードのアシストはシーズンの３．７から２．１まで下がりました。いろいろと問題があった様子ですが、ハーデンのターンオーバーは減っており、ミスが増えたわけではありません。どっちかというと自分で打つことが増えており、連携を消されていきました。逆に４０点取って勝つことにも繋がったしね。

こんな感じでリバースの３年目はハーデンを中心としたプレーメイク力の向上で、オフェンス力が上がりました。ディフェンスのチームだったシクサーズが、打ち勝てるようになったのは大きな変化といえますが、一方でハーデン、マキシー、エンビードと並んでしまうのでディフェンスのカバーリングがうまくいかないという現象も起きます。起きるんだけど、シーズンではあまり問題にならず、プレーオフでの問題なんだよね。

下位チームからの取りこぼしが少ないのがシクサーズでしたが、今シーズンは負け越したチームが２つしかなかったのも事実です。で、その２チームがセルツとヒートなんだよね。どうしても越えられない壁っていうのは、毎シーズン同じ壁。まぁ２年前はホークスに負けたんだけどさ。

では、リバースのことを考えていきましょう。３年目にしてオフェンス力を大きく向上させたけど、ハードワークを根付かせることはできず、そして定例の相手に負けてしまった。それはなんだったんだろうか。