◎控えセンター
プラムリーがスターターで控えにリチャーズというのが今シーズンのホーネッツで、プラムリーがトレードで放出されるまで続きました。そこでプラムリーがいなくなったのだから、いよいよリチャーズが・・・ではなくマーク・ウィリアムスがスターターになりました。
ローテの一角としてプレータイムを得ているけど、常に「控えセンター」になっているリチャーズ。実力的には自分の方が上だけど、チーム事情に負けてしまうのがNBAらしさ。それでも不貞腐れることなく、与えられたプレータイムの中で奮闘する姿勢こそがリチャーズという選手の貴重さでもあります。
センターというポジションは現代バスケでは不遇です。その中で控えセンターとして機能するのは簡単ではありません。
そもそもファールトラブルが多いポジションなので、プレータイムがマチマチ。急に出番がきて長いプレータイムになることもあれば、相手に合わせてスモール合わせになってプレータイムが削られることもあります。
相手が3Pチームだったらアウトサイドを守る必要があり、それでいてドライブチームならヘルプしまくり。もちろん、強烈なビッグ相手ならばインサイドファイトしなければいけません。マンマークもヘルプも仕事なのに、相手によって守り方を大きく変更しなければならない。それを控えセンターでやるのって大変。
しかもリチャーズタイプだとオフェンスではもっと大変。献身的に走りまくり、スクリーンを何度もしてリングにダイブするけど、ハンドラーがパスしてこなければ永遠に囮役。それならともかく、ハンドラーが突然3P打ちだしたりするからオフェンスリバウンドに飛び込むタイミングもわかりにくい。特にホーネッツはラメロの判断基準が謎だしね。
つまり、得てしてエリートな選手ほど「やってられない」となりがちです。実際、センターって2巡目やドラフト外からローテに加わる選手が多いイメージだよね。スターじゃなくてもスタータークラスならば1巡目だけど、あとはもう競争社会の縮図。
また、各チームセンターは3人はロスターにいれたいので、比較的ロスター枠には入りやすいんだけど、試合に出るのは2人だけ。ポジションも1つだし、そのポジションすらスモール戦略で消されるし。
我慢強く、粘り強く、そんな性格じゃなければ務まらないのが控えセンター
ある意味で、もっとも難しいポジションにも見えます。プレーそのものも献身的なのが大事なのに、試合に出るかどうかもわからない。でたらハッスルしまくる必要がある。
ここでリチャーズはガマンに我慢を重ねて今の地位に上がってきたし、それでいて試合に出れば高確率のFGとハイアベレージのリバウンド、そしてブロックを記録しており、文句のつけようがない「控えセンター」です。
リチャーズは自身の実力云々とは関係なく、マーク・ウィリアムスの存在でスターターになるのが難しい状況なので、今回の契約も断って他のチームからのオファーを求めてもよかったところですが、この役割を受け入れ、3年15Mというサラリーで頑張る決断をしました。それはホーネッツにとって物凄く大きな事項でした。
たとえ優秀でも、プレータイムが流動的な控えセンターに高額サラリーを払ったら、チーム構成としては大失敗。だけど、流動的ってことは長いプレータイムになる可能性もあるわけで、スターターから大きく劣る選手だとチームは不安定になってしまいます。コスパの良い選手を抱えるのは常に重要ですが、1人しかコートに出ないセンター、1人も出ないかもしれないセンターこそコスパの良さは欠かせません。
控えセンターとしては、リード、オコング、ロバート・ウィリアムス、ドラモンドと同等の価値を示している今シーズンのリチャーズ。優秀なスタッツながら多くのサラリーを求めることなく、控えめな契約更新でした。
ティルマンが最強ってことですよね。
そういうことですね
なんだがプロ野球の中継ぎ投手の給料事情を思い出しました。
今でこそ様々な指標等がありますが勝ちは付きにくいし投球回は稼げないから給料査定は渋い、いつ登板に呼ばれても良いように常に肩は温めておかなければならないからブルペンに入り浸りで結局呼ばれない事も当たり前。
無論プロバスケとプロ野球とでは控え選手の考え方は違いますが、渋いというのは似通っているなと。