◎1on1でやられたこと
自分たちの悪さもありつつ、対策も施されたことで勝てなかった日本。これまで相性の良かったフランスにも負けてしまいましたが4Qまで接戦に持ち込んでおり、カナダやオーストラリアとは少し空気も違いました。観てないけど。
ボスニアヘルツェゴビナに負けた試合もですが、相手に1on1の強さを発揮する選手がいると、ディフェンスが機能しなくなる傾向があり、特にカナダ戦はリズムが生まれそうでも1on1で殴られていました。結局のところ、
もっと個人能力を上げないと勝ち切れないというシンプルな結果だった
気もします。経験不足の選手が多かった今大会は、世界での戦いを味わう機会になった面もあり、ここからどうやって向上させていくのか。ステファニーのインタビューは、まさにそんなことを語っていました。
「こうやって代表に選んでいただいたことは光栄ですし、大切な経験になると思います。世界のトップレベルで戦っている選手たちを見る機会はなかなかないですし、ここでそういう選手たちとやり合える、ボコボコにされて分かったことがたくさんありました」
「相手が持っている余裕など、そこをどうにか崩していかない限り勝てない。相手のリングに向かってくる気持ちだったり、学ぶことは多かったです。『私がエースなんだ』という気持ちで向かってくる選手に対して、自分たちは何ができたかなと感じます」
世界レベルの相手に対しての経験不足な一面と、メンタリティについて触れています。リスクを取ってでも、もっとアグレッシブにいかないとアップセットは手に入れることが出来ません。日本自体がオリンピックの再現が出来ると信じて、受け身になっていたのかもね。ファンも含めての話だぜ。
◎パリへ向けて
ユーロへの挑戦を選んだ安間にミスが多く、イマイチだったことは悩みも生まれてしまいますが、WNBAへと進んだ町田のように、次のステップに進むには個人レベルの向上も大切です。
まだパリまで2年あるのだから、どんな選択肢を選ぶのか。幸いにしてWNBAってシーズンがズラされているので、Wリーグに参加しながらチャレンジも出来るんだけどね。
さて、問題はHCの方です。別に初めから結果を残せなくてもいいのですが、采配についてはホーバスよりも不安になる面が多く、何をしたいのかわからなかった。むしろHCの方が経験を積む機会は少なく、世界の多くのHCがクラブと代表を率いているのに、大丈夫なのかなって感じです。
プレータイム配分でしかなかったローテ
一番、物議を醸しだしたのはプレータイムシェアですが、スペインがユーロを制したようにシェアそのものは悪くない。ただ、何のために交代させているのかはわからず、選手同士の相性をどう捉えていたのかも不明でした。
要するに、ただ単に時間配分しただけの交代に見えたのでした。相手をみてもいなければ、町田と本橋のような相互に補い合う関係性もなかった。
今大会で最もわかりやすいのは 東藤 ⇔ 平下 の交代所で、前者がディフェンスと走力、後者が3Pという使い分けがありました。ならば、PGとセットで考えたら 山本+東藤 宮崎(安間)+平下 だったのでしょうが、これが上手くいかなかったことで大いに混乱しちゃったね。
また、メインで東藤を出しておき、相手が疲れ始める所での平下は効果的でしたが、それよりもプレータイム配分が勝っていたようで、疲れ始める前に交代させていた印象です。自分たちの都合を優先してしまい、相手を見るのが下手な印象だね。
1日休んでのカナダ戦からスターター変更し、プレータイム配分も考え直すと発言しましたが、高田と渡嘉敷を並べたスターターになってスピードダウンし、しかも「調子のよい選手を引っ張る」様子もなかったです。
https://basket-count.com/article/detail/121589
ホーバスが感情論の交代策にしか見えない一方で「調子のよい選手を使う」のが明確だったのに対し、恩塚は「結果から逆算し」といいつつも「ローテーションを守る」ことに意識を回しすぎている感じでした。ここが真逆すぎて混乱しそう。
ポジティブに観れば、経験のある選手も、ない選手も、この大会で世界のプレーを体感したわけで、プレータイム配分は悪いことばかりではありません。それはパリで証明するしかないけどね。
ただHCは明確に戦い方を変えなければいけません。戦術よりも試合中の采配であり、ゲームプラン。セルビアに負けたのが全ての大会でしたが、それはゲームプランの敗北でもありました。
この差はホーバスと恩塚にある明確な差であり、埋めない限りは良い結果は待っていない気がするのでした。
いつも楽しく拝見しています。(Youtubeも)
素晴らしい分析ですね!有難うございます。
僕は大学までバスケやってて、NBAも観てるし、、経営コンサルティングも長年なってますが、こんな分析はとてもできません。。
いえいえ、大学までやってて、コンサルやってるなら、やれますよ。
バスケというよりも、ビジネス分析みたいもんですし。書くのはちょっと難しいですけど。
町田は8月上旬のインタビューでW杯参加の懸念点として、コンディションと恩塚バスケへのアジャストの2点をあげていました。
プレイオフでは早々に負けW杯まで1ヶ月の間があったので、プレイタイム少なめのセカンドユニットだった町田なら、ホーバスが熱心に求めれば出ていた可能性もあるかなと思います。
林は4月上旬に疲労骨折で離脱しており、それでW杯参加がノーチャンスかというとすごく微妙で、やはり恩塚バスケにアジャストする機会がなかったからノーチャンスになったのかなぁと。
恩塚も熱心に求めても良かったと思うんですよね。
1カ月あるならコンディションくらいどうにでもなりそうだし。
あとホーバスの方が、超長期合宿するから、実は町田には厳しかったかも。