銀メダルを獲得したオリンピックから1年。
大いに期待された新たな日本代表でしたが、1勝4敗で予選リーグ敗退となりました。印象としては
オリンピックが「出来過ぎ」
今回が「順当」に見えますが、
スポーツの世界で「順当」になる可能性の方が低いのだから、あまりにも何も起こせなかったことは、さすがに悪すぎる結果でした。結果以上に内容が悪かったというかさ。
今回は、ここら辺を普通に振り返るだけなのですが、「ホーバス最強」とでも考えている一般層が多いので、違和感を感じる部分も大きくなっています。なので、今回は
ホーバスならば解決していたであろう問題
ホーバスとは関係なかった問題
という視点もわけて考えましょう。まぁNBA観ている層からすると、ホーバスの戦術そのものって珍しくないっていうか、「ちょっと古い」ので対策するのも難しくないのですが、銀メダルという結果は冷静さを失わせるに十分な様子。男子ではイランに連敗しているのにね。
◎ターゲット
そもそもバスケ協会はホーバスに続投を要請しなかったのかっていう大問題があります。オリンピックの翌年に行われるワールドカップで結果を残すならば、(ホーバスじゃなくても)継続路線でいくのが普通です。
いくらACから引き続き代表を見ていると言っても、いろんな違いがある中で1年後に結果を残すのは難しい。ましてや恩塚には世界での采配経験すらないというのに。
それでもアジアカップを制しており、立派な成果は残しています。女子の世界は中国もいるので、アジアを制するのはオーストラリアのいる男子と同じくらいハードルは高いんだけどね。
ステファニー 23歳
吉田 24歳
山本 22歳
平下 20歳
東藤 21歳
赤穂 24歳
オコエ 23歳
オリンピック組の東藤、赤穂、オコエに加えて4人が加わり、24歳以下の選手がロスターの半分以上を占めていました。普通に考えて「ワールドカップの勝利に全てを賭ける」ようなスタンスではなかった今回の代表です。
WNBAでプレーしていた町田が「コンディション不良」ってのは納得のいかない理由でしたが、ここで休ませないとオフが無さすぎるってのも関係していた気がします。
つまり、基本的には2年後のパリオリンピックを前提に置いたロスター構成と捉えるのが自然です。それにしては渡嘉敷、宮澤、高田とビッグマン側はベテランが多過ぎましたが、他に若手がいるのかどうかは知らない。
(本来は海外移籍がしやすい)男子と違って、女子の場合は世界レベルの選手と戦う機会すら少ないので、ワールドカップは経験を積ませる場という設定だったと思います。
実際に「経験不足だな」というシーンは多く、フィジカルやスピードの違いでタジタジになってしまうのが目立ちました。その逆でオリンピックにも参加していた21歳の東藤は、フィジカルな戦いに戸惑うことなくプレーしており、経験値の差は明らかでした。まぁ単純に東藤が強いんだけどさ。
おそらくWリーグでの戦いであれば、そんなに差がなかったであろう個人のディフェンス力において、明らかに東藤がレベルの違うディフェンスだったことは、世界仕様との差なのでしょう。男子もBリーガーでは田中大貴だけがディフェンスの良い選手なわけだしさ。
プレータイムシェアも含めて、東京オリンピックから1年後のワールドカップは経験値を溜める段階とジャッジされ、2年後のパリオリンピックで評価されるべきなのかもしれません。
しかしながら、個人として合格ラインに立てた若手は赤穂、オコエ、東藤のオリンピック組の3人以外では、20歳の平下のみだったので、評価を2年後に先延ばしして大丈夫なのか不安になるけどね。
いつも楽しく拝見しています。(Youtubeも)
素晴らしい分析ですね!有難うございます。
僕は大学までバスケやってて、NBAも観てるし、、経営コンサルティングも長年なってますが、こんな分析はとてもできません。。
いえいえ、大学までやってて、コンサルやってるなら、やれますよ。
バスケというよりも、ビジネス分析みたいもんですし。書くのはちょっと難しいですけど。
町田は8月上旬のインタビューでW杯参加の懸念点として、コンディションと恩塚バスケへのアジャストの2点をあげていました。
プレイオフでは早々に負けW杯まで1ヶ月の間があったので、プレイタイム少なめのセカンドユニットだった町田なら、ホーバスが熱心に求めれば出ていた可能性もあるかなと思います。
林は4月上旬に疲労骨折で離脱しており、それでW杯参加がノーチャンスかというとすごく微妙で、やはり恩塚バスケにアジャストする機会がなかったからノーチャンスになったのかなぁと。
恩塚も熱心に求めても良かったと思うんですよね。
1カ月あるならコンディションくらいどうにでもなりそうだし。
あとホーバスの方が、超長期合宿するから、実は町田には厳しかったかも。