サボるドンチッチとサボらないマブス

〇ドンチッチの被3P
4.9本
37.2%

チームで最も多くの3Pを打たれたドンチッチは37%も決められており、見事にチームの足を引っ張りました。マブスの弱点としてドンチッチのルーズさを狙うのは鉄板です。これはユーロバスケでも狙われていたね。ドンチッチがベンチに下がると急にオフェンスが苦しくなった・・・どこのチームだったかは忘れた。

なお、これでも打たれる本数は前年より0.3本減りました。それ以上にチームで2番目に打たれていたハーダウェイがいなかったことも大きいのですが。

〇ドンチッチの被2P
 7.9本 → 9.1本
51.2% → 53.5%

しかし、実は重要な変化は2Pにありました。被3Pがやや減ったのに対して、被2Pは増えており、特にリングに近いほど打たれるようになっています。それは確率の良いシュートなので、基本的にはマイナスなのですが、

ドンチッチがより「サボりやすい」ディフェンスになっていた

こんな傾向もあります。ぶっちゃけドンチッチがまともにディフェンスするなら、マブスのレーティングは改善していたはずです。でも、そこを求めるにはオフェンスの仕事量が多かった。勝手に多くしているイメージもあるけど。

〇ディフェンスレーティング
ドンチッチ オンコート 110.3
ドンチッチ オフコート 104.9

しかし、まぁ、こんなに違うかね。そりゃあドンチッチがいない試合でも勝てるか。相手からすると攻略ポイントが減るんだもんね。

マブスのディフェンスとは「ドンチッチがいなければ機能性が高まる」けれど、そういうわけにはいかないので「ドンチッチがサボる前提」の中で、いかにしてカバーするのかという構成でもありました。

バックス時代のキッドなら絶対に許さなかったであろう戦術だし、ヤニスは絶対にサボらないし。レブロンはサボっていたけど優勝したシーズンはサボらなかったんだよね。そんでもってプレーオフになるとドンチッチもやる気出すからな。いろいろと難しいわ。

〇ディフェンス平均移動速度
ドンチッチ 3.34
ブロンソン 3.80
ディンウィディ 3.54

そして実はドンチッチ以外の2人のガードも意外と動かなくてよい形になっています。ちなみに3.8は十分に動いている数字ですが、マブスの場合だと大したことない。

〇ディフェンス平均移動速度
ブルロック  4.04
フィニースミス 4.02
グリーン   4.55

クリバー 3.67
パウエル 4.11

グリーンはちょっと異様な数字ですがプレータイムの問題もあるので、必死に守っていた感じかな。そして普通は短くなるはずのビッグマンでクリバーが頑張っているのに、相手にしないくらい異様な数字になっているパウエルです。

ドンチッチのカバーに奮闘するウイング&パウエル

マブスのディフェンスはある意味で、選手の個性を組み合わせています。サボる前提のエースと、エースをカバーするために動きまくるチームメイト。そりゃあコーナー3Pに間に合わないシーンは増えるよね。

〇試合のペース 95.64(30位)
〇ディフェンス平均移動距離 3.88(12位)

リーグで最もペースの遅いマブスは、ディフェンスに戻る回数が少ない(動く距離が短い)チームのはずですが、移動スピードは12位になっています。それもサボるドンチッチを抱えているのにね。ディフェンスの成功は運動量をベースにしたハードワークの成功なのでした。

もう少しローテーションをみてみよう → → →

サボるドンチッチとサボらないマブス” への6件のフィードバック

  1. キューバンは優勝したときのイメージが強烈に残ってて、チャンドラーを最後とってハマったみたいに、ビッグマンを欲してるのかなと思ってみてました。
    ドラギッチにも基本ベンチに座っててもらうけど良い?みたいなオファーしてたらしいので、ハンドラーは若手に期待してるのかなと。いうてドンチッチも若いし。
    フィニースミスは絶対に残ってほしいですが、アヌノビーかターナーあたりどうにか連れてこれませんかね?

    1. キューバンはビッグマン大好きですからね。
      最近は獲得しては失敗しているのに、それでもまだ欲しがっている。ドラフト指名しなよ。

      アヌノビーはムリですが、ターナーは可能な気がします。でも、十分に人数入るしな

  2. 何故マブスのDFがいいのかは、正直分かりにくい部分(挙げられてたブロック・スティール数の少なさ等)があったので、今回解説していただいて本当に助かりました。
    補強の件については、GMが敗退後に、来季の補強ポイントは「リバウンドとリムプロテクト」だと明言していたので、今回のような補強になったことに正直あまり疑問はないのですが、今回語られたような昨季のDFを否定するような補強のように見えるのも事実で、今後どのように折り合いをつけていくのか注目しています。

    1. 何故、マブスのディフェンスがいいのかは、わかりにくいので表現したいと思っていました。
      さすがにパウエルの走行は凄すぎですが、ガードをサボらせているのが面白かったです。

  3. お疲れ様です。
    ぼんやり感じてたことをわかりやすく言語化していただいてとてもスッキリしました。
    去年のマブスはガード3人とそれ以外で役割がはっきり分かれてて面白かったです。
    パウエルどうなっちゃうんでしょうね。
    躍進劇の立役者の1人でありながら、POの干されっぷりと補強を見るとどうも…
    まあ、パウエルのプレー強度的に酷使は難しいのと、マギータイプがいなかったのは事実なのでちゃんと使い分けてくれることを願っています。

    1. クリバーがプレーオフになると別人みたいにディフェンスがんばるのも面白いです。
      その良さを捨ててしまうのは勿体ないので、マギーやウッドはシーズン用だと思っています。

コメントする

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA