トレードの1つ目はまさかまさかのブレイク・グリフィン
「所詮は噂話だから書いてない事が起こる」
そんな前提をつけてトレード噂話を書いた時にはルー・ウイリアムスとデアンドレ・ジョーダンが候補だったのに、クリッパーズが動いたのはブレイク・グリフィン。
予想以上に重いトレードです。
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◉トレード内容を比較する
◇クリッパーズ◇
ブレイク・グリフィン
ウィリー・リード
ブライス・ジョンソン
◇ピストンズ◇
トバイアス・ハリス
エイブリー・ブラッドリー
ボバン・マルヤノビッチ
ドラフト1巡目指名権
ドラフト2巡目指名権
ドラフト指名権が2つ付いていますが、そこは無視して今季の見通しだけで比較してみましょう。
◯ブレイク・グリフィン
得点 22.6
FG 44.1%
3P 34.2%
リバウンド 7.9
◯トバイアス・ハリス
得点 18.1
FG 45.1%
3P 40.9%
リバウンド 7.9
◯エイブリー・ブラッドリー
得点 15.0
FG 40.9%
3P 38.1%
こう比較すると意外とクリッパーズの方が得しています。トバイアス・ハリスの今季の好調さはグリフィンを上回る程で、中外関係なく得点する能力があります。ボールをシェアするピストンズだから20点に乗っていないだけです。
さらにブラッドリーについては言うまでもなくディフェンス強化が期待出来ます。ベバリー離脱により守れなくなったクリッパーズを救うと共に今季は3Pも好調なので、攻守に期待出来ます。
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ソースによると1週間前から交渉が始まり、フロントがオーナーを再建すべき時期と説得したそうです。しかし、チームを解体するのではなく、今季を捨てずに未来も得られる内容を求めた結果がこのトレードでした。
グリフィン並の得点力とリバウンド力を確保しながら、ブラッドリーを加える布陣はチームを強くする可能性があります。
管理人お気に入りのリードと時間当たりの得点力が高いマルヤノビッチはサラリー調整のためのオマケではありますが、それぞれ特徴があるので、どんな使われ方をするのか。
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◉グリフィンの問題点
今回のトレードで驚きだった1つに『グリフィンを受け入れるチームがあった』という点が挙げられます。
5年173ミリオン
昨年の夏に結んだ大型契約はグリフィンというスター選手に相応しいものでしたが、一方でケガだらけの選手には似つかわしくない契約でもありました。
毎年ケガで休むだけでなく、そのケガをプレーオフで起こしてしまうのがグリフィンのイメージを悪くしています。それ自体、本人が悪いとは言えませんが、高額サラリーを考えるとリスキーです。
実力を考えれば納得できる契約でも、結果を考えれば高すぎる契約です。他のチームがそんなサラリーを払う発想は持たないだろうというのが一般的です。
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ピストンズはビッグスター不在の伝説的な優勝を果たした事もありますが、ドラフトは失敗だらけで軸となるスター選手不在が長く続いています。
ドラモンドはそんな歴史を変えようとしていますがオフェンスの中心ではありません。そこに核となるグリフィンを求めたことになります。
ピストンズはドラモンドとレジー・ジャクソンに高額契約しています。
ドラモンド 4年104ミリオン
レジー 3年51ミリオン
3人で年間70ミリオンは必要となります。今季のソフトキャップは99ミリオンなのでここから補強となるとかなり厳しくなります。
もちろんレジー・ジャクソンのトレードもあり得ますが、向こう3年間はこのトリオで勝つことが求められます。この時期にすごい判断を下したものだと感心させられますが、1年後に何を言われるかはわかりません。
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◉ピストンズはどうなるのか?
ブラッドリーの代役には、ルーキーのケナードと5年目のブロックが入ります。ブロックはクリッパーズでデビューしている選手です。
◯レジー・ブロック
得点 8.2
FG 51.0%
3P 44.0%
◯ルーク・ケナード
得点 6.9
FG 43.0%
3P 43.0%
2人ともしっかりと成績を残しており、考えようによっては若手のチャンスを増やした形です。ディフェンス力には差がありますが、この2人もディフェンスをかなり頑張るタイプです。
しかし、チームとしてはブラッドリーが相手エースを潰すというのが、勝ちパターンだったので、数字以上のダウンがありそうです。カリーやアーヴィングを潰して勝ったのは、今季のピストンズを表すような勝ち方でした。
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しかし、問題はむしろグリフィンの方です。ゴリゴリさせたら無類の強さをみせ、パワードライブはアンストッパブルなグリフィン。
しかし、クリッパーズで指摘したようにジョーダン&グリフィンは頻繁にインサイド渋滞を起こしていました。別に選手個人は悪くないよ。だからジョーダンではなくリードを勧めていました。
ピストンズの強さはドラモンドが支配するインサイドにあります。今季は素晴らしい活躍をするドラモンド。オールスターでないのが信じられない大活躍です。
絶対的な高さがあるわけではないドラモンドは絶妙なポジショニングで空間を支配してオフェンスリバウンド5.0を記録しています。
その相棒はトバイアス・ハリス。3P40.9%のPFはシュート力を活かしてディフェンスを広げ、チームが困った時には自ら打開する役割を担います。
シュータータイプのPFエースはインサイドを支配するドラモンドとの相性が良かったのですが、グリフィンはタイプが異なります。ロブパスを決めるジョーダンとドラモンドも違います。
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ハリスとグリフィンならグリフィンの方が上の選手ですが、コンビの相性としては疑問なわけです。しかもアンソニー・トリバーも同時起用した時にはSFのディフェンスを担当したハリス。
HCがグリフィンの融合方法に答えを持っていないと苦しむ可能性があります。
・ブラッドリーというエースキラーの喪失
・インサイドコンビの相性
ピストンズは単にロスターとしてブラッシュアップするだけでなく、戦術そのものを変化させないとプレーオフレースに戻るのは難しくなります。
スタンリー・ジョンソンをどうするのか
レジー・ジャクソンを信じるのか
ミロティッチが欲しいのか
トレードに関して最も噂の多かったピストンズですが、その内容とは全く違う動きをしました。それでいて将来を左右する大きな決断だったピストンズ。
これを契機にプレーオフに進出出来ないとチームは露頭に迷う可能性もあります。まずは明日のキャブス戦です。
管理人お気に入りのリードですが、モアランドみたいな仕事は出来ないのでPF起用の可能性になりますが、そこにはトリバーが。ケガ人が出た時の控えにしかならなそうです。両ポジションやれるだけマルヤノビッチよりは重宝するくらいかな。
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◉清算を狙うクリッパーズ
クリッパーズからすると逆のことが言えて、よりシューターチックなハリスとジョーダンのコンビは機能する可能性があります。
特に悩みのタネはコーナー3Pがリーグで最も決まらない事。ハリスとブラッドリーにより狙えるポイントが増える上に、パスも出せるのでシューター問題は解決しそうです。
しかし、逆にグリフィンに頼っていた崩しの部分はハリスに期待し過ぎるのは酷です。スコアラーとしてはグリフィンと遜色ないですが、起点としては劣ります。
テオドシッチ、ルー・ウイリアムス頼みになりそうなクリッパーズです。
そう言えばマット・バーンズが「クリッパーズで働いたことのある人なら誰でも知っている。問題はリバースHCだ」とグリフィンのトレードを批判したらしいですが、ピストンズと違い戦術変更ではなく、頼る人間変更にしか思えないクリッパーズです。
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問題点はありつつも戦力を落としたとは言い難いクリッパーズ。今季の勝利も継続しながらドラフト指名権も得たのがこのトレードの決め手だったのでしょう。加えてサラリーの面で身軽になろうとしています。
トバイアス・ハリス 2年30ミリオン
エイブリー・ブラッドリー 1年9ミリオン
ボバン・マルヤノビッチ 2年14ミリオン
サラリーキャップ一杯で身動きの取れなかったクリッパーズはグリフィンの契約から解き放たれ動きやすくなりました。そしてジョーダンも含めて来年の夏にはガリナリのみが残る形です。息子も来年まで。
ドラフトとFA補強。その両方を視野に入れながら戦力を落とさない。
フロントの狙いは明確でかなり上手くいったトレードでした。それは現場とフロント一体だった昨季まででは決断しなかったであろう動きです。
バーンズの言葉も含めてここからのクリッパーズフロントには注目すべきかもしれません。
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◉ジョーダンとルー・ウイリアムスは売るのか?
おそらくはイエス。特にジョーダンは売りたい。でも安売りはしない姿勢が見て取れます。このままでも問題ないクリッパーズ。
しかし、ジョーダンと引き換えにドラフト指名権もサラリーの空きも確保できるならば動くのは間違いありません。多くのチームにとって問題なのは後者の方かもしれません。
ただし、こちらは逆にリバースHCの下でファミリー的だったクリッパーズが、グリフィンを放出した事でジョーダンが何の対価も残さずに夏にFA移籍する怖さも出てきました。
クリッパーズ内部で天秤にかけられるであろうリスクとリターン
ジョーダン自身の考えによっては予想よりも安く放出されるかもしれません。
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◉個人的予想
最近のクリッパーズはグリフィンの影響が低くなり始めており、テオドシッチを活かすならばいない時間の方が良かったくらいなので、このトレードのみで判断するならばクリッパーズは勝率を上げる可能性もあります。
しかし、ケガ人の復帰やらトレードやらでもう少し揺れるので大黒柱の放出は不安定さも生み出すでしょう。
ピストンズの方が博打感が強いです。それでも現状打破にはなるトレードです。このままならばプレーオフが難しいので悪くなかったといえます。
しかし、ブラッドリー単体でもう少し良い案件もありそうなので、サラリー逼迫といい中期的には良いトレードになる気がしません。
コアになる3人がケミストリーを構築できるのか。若手達が能力を伸ばせるのか。
ピストンズには複数の課題が作られましたが、チームの顔になるスターを得る事が出来ました。それは大きな事です。ドラモンドへの注目度も上がりそう。
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クリッパーズは現在と未来のために再建可能でも戦えるチームに
ピストンズは現在と未来のためにコアメンバーを重視したチームに
お互いがここから3年間も含めた動きだったけど、進む道は反対方向みたいなトレードでした。どちらにメリットがあるのかは3年後にしか判断出来ません。
しかしカルチャーで言えばクリッパーズの方が衝撃的でした。大きな変化を促すだけでなく、これからのフロント仕事が非常に重要になってきます。そんなクリッパーズは何年振りなのか?
トレードデッドラインまでの攻防は予想もしない上に、非常に大きなトレードで幕を上げました。きっとここから加速していくのでしょう。
個人的にはピストンズ楽しみなチームになりました。
グリフィンは好きな選手なので楽しみです。
次はジョーダンのトレードですね
それにしてもNBAの選手の動きは
凄いですね
驚きましたね。
ドラフトで中心選手を育てるのは基本ラインですが、5年はかかるのでそこまで待つだけが得策ではないのがわかりますね。
西のビックネームが東に移籍することは、これまで西にスターが集まりすぎたことを考えるといいのかもしれません。
あと、LACは息子さん貰い過ぎ問題の解決と、ジョーダンの処遇がうまくいけば、長い目で見ても面白いチームになると思います。
息子に限らず実力に合わないサラリーで契約すると売れなくなるんですよね。だから放出すら出来ない。
でも来年で清算なので、先にサラリーダンプを引き受けてくれるチームもあるかもしれません。
クリッパーズは面白くなりそうではありますが、面白くなるためにはFAで獲得する準備が必要ですね