JBAテクニカルレポート オフェンス編

◎オフェンスの話

ここからやっとテクニカルレポートっぽくなります。これまでが失敗の連続だったのですが、ちゃんと回収されるので心配しないでね。

5 ) オフェンスコンセプト

2019W杯で強みとなったトランジションを増やすオフェンスために、新しいアーリーオフェンスのシステムを導入した。

「強み」ですか?

多かったターンオーバー (以下、TO) を減らす目的と、より効率のよいシュートを得るために、現代型の 4 アウト 1 インのスペーシングへ明確に変更し、4 番プレーヤーをアウトサイドに置くオフェンスシステムとした。スペーシングの確立は、より高いレベルのエクスキューション力 (遂行力) を求めることにもつながっている。

「より効率の良いシュート」は理解できますが、なんでターンオーバーが減るのかはわかりません。またWCはセンターがファジーカスで3P打ちまくっていたので、イマイチ納得性のない説明です。単にファジーカスを外したから変更しただけのような。

ただし、4アウト1インの明確化 と スペーシングの確立 はその通りでした。ラマスが戦術変更をしたわけですが、やっぱり「なんで今更?」な感じの強い変更でした。

八村、渡邊の攻撃力を最大化するために、先に挙げたアドバンススタッツを用い、彼らによりよい場所、よいスペースでボールを持たせるためのオフェンスセットなどを導入していくことをコンセプト

プランの時点では想定していなかったのかもしれませんが、前述の通り八村は合流から8回の練習、2試合しかこなしておらず、

八村の「得意なスペースでボールを持たせる」セットを「中心に」するのはムリがある

ここがハーフコートの問題へと繋がっていきます。オリンピック本番になってハイポストからトップ近辺で八村がボールを止めてしまう現象は、沖縄では発生していなかったので、なんだか煮え切らなかったです。

課題だったオフェンスリバウンドについても、誰がどのエリアにリバウンドに飛び込むかを練習やミーティングで整理し、常に 3 人がオフェンスリバウンドに行くシステムを導入した。これは 2 次攻撃によるオフェンス効率を上げるためでもあるが、相手の早いトランジションを防ぐディフェンス面での狙いも含まれている

このテクニカルレポートオフェンス編では、ポジティブにもネガティブにも一番興味深い内容でした。そんな印象なかったけど、オフェンスリバウンドの強化を図りました。

3人がオフェンスリバウンド ⇒ 相手のトランジションを減らす

理にかなっているのですが、一方でハイリスクなチョイスでもあります。2人のリバウンド、3人のハリーバックの方がずっと安定します。ここはかなり微妙な内容なのですが、次回のディフェンス編へと繋がっていきます。

次はオフェンスの改善と課題 ⇒

JBAテクニカルレポート オフェンス編” への5件のフィードバック

  1. 戦術を変えてもラマスの時と問題点がたいして変わってないような…
    オーストラリア戦のゾーンオフェンス、ドライブからターンアラウンドパスミスだけは見たく無かったです。

    1. 問題点は戦術ではない部分ってことでしょうけど、それは短期間では改善しないのも事実です。

      むしろ減っていたターンオーバーが復活し、それに見合う対価を得ているのかどうかですね。今のところ、得ていないと思ってます。

  2. 渡邊のコールプレーが2回…まじか笑
    W杯の時と比べて渡邊のハンドラーアタック(ラマス「ユータ、ドライブドライブ」)が極端に減ったのは残念だったなぁ(その代わりDFに力割けたとは言える)

    1. ビックリですよね。事前のトレーニングマッチは渡邊ばかりだったのに。
      次回に出てきますが、これがオリンピック時の最大の問題でした。

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