JBAテクニカルレポート ディフェンス編

引き続きJBAのテクニカルレポートをみていきましょう。前回がオフェンスまででしたが、次はディフェンスです。次回は個別の対応(ルビオ・ドンチッチ)になります。

WCの戦いからの改善を図り、戦術変更したオフェンスはPPP(レーティング)を向上させたのですが、その代わりディフェンスは悪化しました。1.056⇒1.073なので、誤差だし、何よりも相手が強いので総じてポジティブに観て良い範囲です。

とはいえスロベニアはともかく、スペインとアルゼンチンはオフェンスに課題がありながら10位なので、オリンピックレベルではまだまだ守れません。そんなことは知っているから気にする必要もない。

トランジションを志したことでペースアップし、失点はチェコとならんで最低でしたが、その中でも特に相手のターンオーバーが少なかったことが特徴です。

日本はターンオーバーが少なかった
相手のターンオーバーも少なかった

ってことで、両チームにミスの少ない試合が多かったことになりますが、「早い展開をしたい」といいつつ、「ミスが少ない」というのではウォリアーズファンに怒られてしまいます。アグレッシブに攻めることで発生するミスは許容するし、自分たちもアグレッシブなディフェンスでミスを誘いたい。

「ディフェンスの強化こそが(速攻を増やすので)日本の生きる道だ」と結論付けるならば、まだ許せるのですが、ターンオーバーを誘発できないディフェンスでは、JBAが目指すべきオフェンスも成立しません。

アグレッシブなディフェンスをコンセプトに掲げて練習してきたこともあり、相手に TO をさせる割合である被 TO% 10.6%で最下位なことも残念な数字の一つである。

この点についてはJBAも触れているのですが、オフェンスの時と違って改善点なのかは特に示されていませんでした。

ディフェンス PPP トップ 5のチームは、フランスを除いて 被 TO% が最も高いことが分かる。PPP 2 位で被 TO% は決して高くないフランスは、被 eFG% が 47.5% と 1 位である。これは年間最優秀ディフェンス賞を獲得しているルディ・ゴベアのリムプロテクト力がが大きく影響していると推測できる

国際試合の特徴なのか、ただ単に実力差があるからなのかわかりませんが、ターンオーバーを促すディフェンスの重要性がでていたオリンピックでした。

まぁレフリーがオフェンスファールをコールしまくる大会だったので、演技派ディフェンダーが異様に得をしていたのが印象的です。レフリーへのアジャストかもね。

さて、ゴベアのくだりは良いのですが、フランスがターンオーバーを促せないのにディフェンスが良かった理由は、6試合中2試合の相手がアメリカだったことも関係しています。要するにアメリカにプレッシャーかけても、なかなかミスしてくれないので、フランスは平均が下がっただけ。それくらいの分析はしなよ。

PPPも3試合で判断するのは危険ですが、それ以上に危険な指標だと思います。相手次第じゃん。

2 ) トランジションディフェンス
今大会でのトランジションディフェンス、つまり相手のファストブレイク (FB)での平均失点は18点で大会参加国中 10位 という結果に終わった。2019W杯でも、FB での平均失点は変わらず18点だったが、その中身を検証するとまったく違う真実が見えてくる。

日本はトランジションを志したオフェンスをしながら、トランジションディフェンスではPPPが11位と悪く、カウンター合戦をしたら分が悪いという数字が出ています。ただし

片側で「トランジションディフェンスの割合」が少なく、自分たちが走った割に、相手には走られていないことになり、その点でカウンター合戦を誘発しないディフェンスが出来たと評価しています。この理由として2つ挙げられています。

ターンオーバーが少ないオフェンス
オフェンスリバウンドに3人行くシステム

前者はオリンピックにおける最大の成功点でもあり、間違いなく日本が善戦できた理由でした。一方で後者については、より深くレポートされています。

各試合ごとの相手の速攻の回数と、日本がオフェンスリバウンドに2人以上絡んだ率を比較した表です。2人以上がリバウンドに行く割合が高いほど、速攻を出されていない傾向があるという証拠だそうです。

オフェンスリバウンドに絡めば速攻を出されにくくなるのは事実です。一方で「行ったけど絡めなかった」時に速攻が生まれます。これはハイリスク・ハイリターンって感じ。だからNBAはリバウンダーを減らす傾向にあり、バックスとラプターズはリスクを取りに行ってました。

問題は「リバウンドに2人以上いけなかった = 4人はリバウンドに参加していない」わけでして、なんで、このシチュエーションだと速攻を出されてしまうのか?ってことです。4人がハリーバックすれば速攻なんて食らわないだろ。

そんなわけで、どうもオフェスリバウンドの話と速攻を防ぐ話は、いうほどリンクしていないと思っています。この2つの関係性だけみればリンクしているけど、そもそもオフェンスの終わり方が良いからリバウンドに絡めるのであって、終わり方が悪いと絡めないわ、ディフェンスに戻れていないわってことなんじゃないかと。いずれにしても

そんなに重要な要素なのか?

という疑問があります。オフェンス遂行力の方がよっぽど重要なんじゃないかと。これが接戦のNBAならわかるけど、レベル差がある中で、初めに埋めるべきポイントが「オフェンスリバウンドに3人行く」ではない気がするんだよね。

また、テクニカルレポートという性質を考えると、今後の日本全体が進むべき方向性を示す必要もあるわけで「みんな、オフェンスリバウンドは3人が行くんだぜ」をスタンダードにしていいのかな?

ちょっと日本バスケってリバウンドを聖域化しているよね。それよりもシュートを決めようぜ。シュート決めればカウンターされないからさ。

次のページはペイントディフェンスについて

JBAテクニカルレポート ディフェンス編” への2件のフィードバック

  1. 問題の本質は違うと思いますが「オフェンスの遂行力を上げる事がディフェンス力の向上にもなる」という下りで何となくディアンジェロの事を思い浮かべました。

    1. シンプルにリバウンドにも行きやすいですしね。

      気合と根性で3人オフェンスリバウンドにいけーーーって見えちゃいます。

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