JBAテクニカルレポート オフェンス編

4 ) 準備とコンディショニング
【ラマスHC が目指した準備目標】
○ 8 ~10試合を強化試合として取り入れる
○そのうち渡邊雄太、馬場雄大、八村塁の 3 人を入れた状態で 5 試合を行う

オリンピックという事で準備期間をしっかりと取れたのですが、渡邊はともかくとして八村の合流が遅くなり、また運悪く馬場も遅れてしまいました。主力3人のうち2人が予定通りの強化をこなせなかったことは極めて大きなデメリットとなりました。

その一方で他国を見てもガリナリがオプションだったイタリアや、NBAプレイヤーをベンチスタートにしたドイツなど、上位国じゃなくて「合流が遅くなるNBAプレイヤーはメインにしない」方針を採用しており、それが出来なかった日本の弱みも出ています。

また、特にコンセプトが「選手個人の強みを生かす」だったので、練習回数8回が少なすぎた事も後述されることになります。

それ以上に、やけに「オリンピックに向けて作り直す」要素が多かったです。ここはよくわからないところであり「最後に日和ったラマス」というのも事実だったように思えます。日和ったのか、予定通り変更したのかは知りませんが、本番になってラマスが従来からズレた印象は間違いなかったです。

<ケガやコンディショニングについて>
① ケガについては慢性的なものはなく、練習中の手や足首の軽度の捻挫や打撲程度のもので、練習を休むような大きなケガはなかった。
② コンディションについては、Bリーグのファイナルのスケジュールによって、千葉、宇都宮の選手の合流が遅れたが、合宿初期は選手の数が多かったこともあり、練習の負荷についても上手くコントロールでき、それが慢性的なケガが出なかったことにもつながっている。

ただし、沖縄合宿についてはオリンピックのメンバー登録の関係で、最終確定ロスターのみで戦わざるを得ず、遠征に参加した10人で 3 試合を戦うという厳しいスケジュールになってしまった。

③ 通例の合宿との大きな違いは、コロナウイルスの影響により、常にバブルでの合宿生活を送らなければならなかったこと。約 2ヵ月の合宿生活を隔離生活で過ごさなくてはならず、選手は家族と会うこともできなかった。しかもフィリピン、東北、沖縄、埼玉と移動もかなり多かったため、精神的なストレスはかなり大きかったように見えた。

沖縄合宿の前にロスターをカットしたことは驚きでしたが、それがコンディショニングの面でマイナスに作用したことが触れられています。
コロナの事情はあったにせよ、移動の多さ、少人数での試合というのは協会がコントロールできた範囲なので、様々な失敗が観て取れます。ベルギーとの2試合目は不要だったんじゃないかってね。

八村と馬場の合流遅れはチームビルディングにおける大きな問題だったことが伺えます。親善試合なんだから、どうにでもなった気がするんだけどな。

また、逆にアメリカで集中的に強化試合を行っていたグループ(アメリカ、スペイン、オーストラリア、ナイジェリア)に優位性があったことも逆説的に示されてしまいました。ホームなのに、なんで苦労しているんだってね。しかも、これで大赤字とかワラエナイ。

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JBAテクニカルレポート オフェンス編” への5件のフィードバック

  1. 戦術を変えてもラマスの時と問題点がたいして変わってないような…
    オーストラリア戦のゾーンオフェンス、ドライブからターンアラウンドパスミスだけは見たく無かったです。

    1. 問題点は戦術ではない部分ってことでしょうけど、それは短期間では改善しないのも事実です。

      むしろ減っていたターンオーバーが復活し、それに見合う対価を得ているのかどうかですね。今のところ、得ていないと思ってます。

  2. 渡邊のコールプレーが2回…まじか笑
    W杯の時と比べて渡邊のハンドラーアタック(ラマス「ユータ、ドライブドライブ」)が極端に減ったのは残念だったなぁ(その代わりDFに力割けたとは言える)

    1. ビックリですよね。事前のトレーニングマッチは渡邊ばかりだったのに。
      次回に出てきますが、これがオリンピック時の最大の問題でした。

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