マクミランの悩みごと

◎やる気のないオフェンス

しかし、本当の問題はオフェンスにありました。正しくは「攻守の切り替え」です。やる気がないと感じるのは、あまりにも攻守の切り替えが遅いからであり、チームメイトのミスを助ける気持ちが薄く、前に前に気持ちが向いていたからです。やる気じゃないね。献身性かな。

〇ターンオーバー 11.9(1位)

マクミランがHCになってから1on1中心なのでターンオーバーは減っていき、遂にリーグ最少のターンオーバーになりました。ヤングのチームとしては驚異的ですが、それだけヤングも上手くなったし、マクミラン流は浸透してきた。

〇ターンオーバーからの失点 15.1(6位)

しかし、ターンオーバーからの失点になると、やや増えてしまいます。順位的には6位ですが、ターンオーバーは2位と0.6も差があり圧倒しているのに、失点数はグッと増えています。戻りが遅い。

〇被3P成功率 36.4%(25位)

また3Pをチェイス出来ておらず、高確率で決められました。なんと1年前はリーグ3位だったのに、一気に転落してしまったのです。かなりサボるというか、中を固めているだけの時間も長く、誰もチェックに行かずに打たれてしまいます。

1on1を強化したはずのマクミランですが、1on1を守り切れないからカバーが増え、3Pを打たれるようになりました。これをヤル気といってよいのかは微妙ですが、少なくとも1年前に実践していたハードワークの部分は明らかに衰えたのでした。

また攻守に運動量が少しずつ落ちています。マクミランになった結果という部分もありますが、この3年間の平均走行距離は

18.38 ⇒ 17.76 ⇒ 17.32

こんな感じで落ちています。1on1を頑張り切れず、トランジションが悪く、運動量も少ない。若いチームにもかかわらず、エナジーの足りないプレーをしていたのでした。

「シーズンの戦いは退屈だ」Byヤング

こんなことを言ったとかなんとか。あの緊張感あふれるプレーオフを経験してしまったら、シーズンが退屈になるのはわかります。多くのチームはシーズン成績を落とすもんね。プレーオフで勝たないと意味がないんだから、シーズンは低空飛行にもなるさ。

でも、お前らはまだ早いって。4年目のヤング中心なのに、そんなに省エネするんじゃない!

◎モチベーターの悩み

モチベーターとしての評価が高いマクミランのチームとは思えない「ヤル気がない」プレーにみえたホークスですが、それが積み重なることで、特に成長することなくプレーオフに進みました。実は「ヤル気がない」ことではなく

成果のないシーズンを過ごしたことで、成長のない1年だった

ここが問題でした。プレーオフ前後でコリンズとカペラが離脱しており、明らかに本調子ではなかったことが敗因ではありましたが、FG成功率を大きく上げたヤングを除けば、ハンターも、ハーターも、コリンズも、カペラも、ボグダノビッチも、みんなみんな上積みを感じさせることなく、ただただルーとガリナリが衰えたようにも見えました。

プレーオフで勝てなかったことは「ヤル気がない」ではなく、成長が足りなかったことを示しています。

デジョンテ・マレーの獲得はチームの弱点を的確に補っており、素晴らしいトレードではありました。ただ、本来はセカンドプレーメイカーとして、ハーター、ハンター、そしてレディッシュが台頭することを目指していたはずです。

彼らに適切な成長を促すことが出来なかったのがホークスが勝てなかった要因であり、マクミランの失敗です。

しかし、マクミランというコーチのスタイルを考えると、この点については想定できる要素でした。モチベーターとしての評価が高い一方で、戦術的には1on1ベースであり、試合の中で変化をつけるよりも自分たちの一番強い部分で勝負を続けるタイプです。

「シーズンの過ごし方」という点では
・自分たちの戦い方を徹底して貫く
・いろんなことをやってプレーオフに備える
この両者がいますが、基本的に後者の方が優勝に近いです。ただ、チームが崩壊する危険性もあるね。戦術がないに等しいチームになりがちなので、上手くバランスを取らないといけない。

マクミランは完全に前者なので、ヤングのチームであれば、ヤング中心に進めてしまいます。もっとも、コリンズとのツーメンゲームを進化させるとか、ハードワーカーを活用するとか、いろいろとあればよかったのですが、チーム構成的にも難しかった。

さて、マクミランといえばペイサーズですが、モチベーションの高かったペイサーズですが、ベンチにサボニスがいるからこそ変化が付けられるチームでした。スターターには要らないってのもミソだけど。

サボニスの役割はヤングがハイレベルにこなして変化をつけてくれるのがペイサーズ時代との違いですが、それにしても周囲もアップダウンのある若手だったのが、マクミランに適さなかったとも言えます。上手く使い分けられなかった。

今回の補強は、その弱点を埋めに行ったようにも見えました。

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