Window3日本vsチャイニーズタイペイ

2軍のようなオーストラリアに大敗し、2軍のような台湾に大勝することになったWindow3となりましたが、あまりにも極端な結果以上に、あまりにも極端な内容でもありました。正直、これをどう評価すればいいのか。台湾相手に出来たからOKなんてことはなく、オーストラリア相手に何を出来るのかっていう視点でみなければいけません。あー難しい。

オーストラリアと台湾のレベル差が極端でしたが、点差も極端なのはホーバススタイルだからです。ラマススタイルならばオーストラリアと点差は開かず、台湾ともここまで点差は開かなかったでしょう。詳しくはオーストラリア戦のレポートを読んでね。

◎ポンプフェイクを捨てた

この試合最大の衝撃はビックリするほどに「フェイクせずに3Pを打ち切る」ことが徹底されたことです。もちろん、これは散々批判してきたことなのでポジティブなのですが、あまりにもフェイクせずに、ただただ「打ち切る」を目指してきたので極端すぎます。

オーストラリア戦では3Qまででいえば3Pの半分以上が冨永&西田でしたが、台湾戦は西田が僅か1本、冨永は9本打ちましたが2人で10本です。それに対して他の選手で33本の乱れうち。極端すぎるだろ。

〇3P 12/43

確率28%ってことで、台湾レベルのプレッシャーに対して確率は非常に悪かったです。須田がWindow3の前に「どんなシチューえしょんでも40%決める」と言ってた気がしますが、シュートが仕事の須田は本当にそうですが、他の選手は態勢が乱れていても関係なく3Pを打ち切っており、それもバランスの悪いショットになって大きく外れることもあるなど、あまりにも成功率を犠牲にしたシュートでした。加減をしらないのか。

「3Pさえ打っておけば怒られないぞ」という言い訳シューティング

こんな風に見えてしまいました。台湾のローテは遅く、打ち切れるシーンが多かったわけですが、それでも決まらないのだから違うじゃん。

同時にオーストラリア戦で課題だった「ウイングとビッグの意味のない1on1ドライブ」は消えてなくなりました。いや、消えすぎだろ。極端なんだよ。

結局のところ「打ち切る」を優先したことにより、決まりそうになくても3Pを打ってしまうので、オーストラリア戦で大きな課題だったボールムーブが遅いことは見えなくなりました。ボールムーブを改善するのではなく、パスしないでシュートを打った。

これまで「打ち切れない」が延々と続く・・・というかBリーグの・・・課題だったことを考えれば、これだけ打ち切ったことはポジティブに捉えてあげたい案件です。ところが、
相手が台湾だと打ち切れてオーストラリアだと打てない
チェイスが甘い台湾相手にも確率が悪い
3P以外の選択肢がない
とネガティブな要素も強く出てしまいました。これがオーストラリア相手でも打ち切っていたなら問題ないのですが、勝っているから思い切りよく打てたとか、オフェンスリバウンドとれるから躊躇なく打てたとか、そんな空気を感じるので、コメントしづらいです。

オーストラリア戦の課題解決にはトライしたけど、解決方法が極端すぎて参考にならないのでした。「判断する」という言葉が辞書に載っていないようなホーバス戦術でした。

◎新キャラ・井上

2試合で最大の発見は冨永・・・ではなく井上宗一郎でした。全員が「打ち切る」ようになった台湾戦ですが、井上に関しては言い訳シューティングではなく、このスタイルに慣れているシューティングだったため、なにも違和感なく溶け込めています。言い換えれば井上に関しては「判断して3Pばかり打った」ようにもみえます。

突如として登場した谷口に続き、ストレッチ4をやらせるのに適した人材を発掘できたことは、ホーバスにとって最大の収穫だったのではないでしょうか。一番安定してホーバススタイルのバスケを出来ました。

で、スタッツ見たら18試合で86分しか出ていないんだってさ。ここにもまた試合に出ないけど代表の主力になろうとしている選手がいるわけだ。渡邊がNBAで頑張っているのに、Bリーグでは日本人が起用されないPFっていう謎。

〇21ー22シーズン
86分
2P2/9
3P3/19

わかりやすく3Pの方が多いタイプです。自分のスタイルとして身に着けているのは理解しましたが、これをBリーグでコンスタントに出来ないんですかね。フェイクの話と言い、Bリーグの闇みたいな面が強く出ているのでした。

谷口が島根にいったので、ニック・ケイの控えとしてある程度のプレータイムを得るかもしれません。日本代表バリューで集客するためにも井上を獲得するチームが出てきたら面白いのにさ。

◎高さは正義

夜中にU17WCを見ていましたが、相手のドミニカはサイズがなかったので、日本の方が大きく、インサイドを固めるディフェンスで例によってプルアップを打たれまくり、何も守れずに沈んでいました。ショーディフェンスを教える気持ちがないのが高校バスケ。

日本の高校バスケはフルコートプレスと、高さは正義のディフェンスシステムに慣れているという変なバランスで構築されています。ドミニカのガード陣がインサイドヘルプで潰しまくっていたのを見ると、ドミニカにすら戦術レベルで置いて行かれている現実を見せつけられます。

さて、台湾戦に話を戻すと、全く同じ現象が起きており、ピック&ロールひとつで簡単に3Pチャンスを与えてしまいました。なお、これは日本以上に台湾が酷かったけどさ。

さらにウイングからのドライブでシンプルに抜かれてしまうとインサイドヘルプが間に合わなそうなシーンも大量発生しました。「合わなそうな」というのは「間に合った」から誤魔化された気がするからです。

日本は台湾に抜かれても、ビッグマン達が襲い掛かることでシュートミスを促すことに成功し、ゴール下すらミスする台湾のフィニッシュ力の低さを促しました。ここはちゃんとブロックに来ているから起きた現象なのでほめているのですが、一方で台湾相手でもシンプルにインサイドのシュートシーンを作られていました。

オーストラリアはボール回しだけで日本のディフェンスをズタズタにしていましたが、そこまでではないにしろ台湾相手でも崩されまくっていたのが印象に残った試合でした。それを高さでkバーしたような守り方。

タウンズがいるのにゴベアを加えるくらいなので、高さが正義なのは疑いようのない事実です。ただ、そこに頼るならばWCで勝つのはムリだよね。

井上を評価できるのも、結局はディフェンス面の課題が見えにくい2試合だったからというのもあります。個人レベル関係なく守れていないオーストラリア戦と、特に何もしなくても頑張れば守れてしまう台湾戦。

極端すぎるんだよね。本当に。評価の物差しが機能しないWindow3でした。

◎ホイバーグよ、何してんだ!!

一方で2試合で見えたのは冨永でした。明らかに他の選手とは違うシュートチョイスをもっており、現代バスケらしく強気に3Pを放って行きました。これはポジティブな話であり、日本の主力の1人として株を挙げたことは間違いありません。

しかし、プレビューで書いた通り、冨永がホイバーグの下で修業してきたことを考えると、この2試合で魅せた冨永のプレーは残念無念でした。

スクリーンから混乱を作り出し、プレーの選択肢が多いホイバーグなので、シューターの冨永もシュート力を囮にしたプレー選択が観についていると思ったのですが、なかったねぇ。。。ホイバーグ何を教えたんだよ。

かといって、ハンドラー能力は低く、ドライブからキックアウトパスも出来る西田に比べると、フィニッシュパターンも少ないし、パススキルも低いのでハンドラーとしてはどうもね。

シュートセレクトが悪いのは知っていたけど、そこからプレーが広がるなら問題ないのに、特にこれと言って感じませんでした。どうしよう。「アグレッシブに3Pを打つ」に留まってしまいました。だから、この上が見えない。慣れても活躍度は同じなんじゃないかってね。

ただし、ホーバスはこのタイプ好きだよね。「こいつはこの仕事」みたいな起用が好きなので、いろんなこと出来る選手が重宝される気はしない。

冨永の活躍に沸いたWindow3でしたが、活躍したからこそワンパターンな匂いが強くなってしまいました。アジアカップでは渡邊雄太が合流しますが、同じことを繰り返されたらジャマになるかもね。

◎明暗が分かれたPG

PGは序列がハッキリしたような2試合でした。両方に出場したのはテーブスと藤井でしたが、台湾相手にもゲームメイクできなかった藤井は致命的に苦しかったです。何をしたいのか全くわからなかった。

藤井だけシンプルにウイングにパスを捌いて、ギブ&ゴーの形で動いて・・・で終わっていました。ピック&ロールもきてくれないし、なんでこんなに意味不明だったのか。タイプとしてはホーバスは好きだろうから、継続して起用したいと思うのですが、それにしても何をしたいのか・・・。

ここは藤井個人だけでなく、絡むビッグマンも意図がないので、くるしいな。

一方でテーブスが登場すると、明らかにシューターとの相性が良く、ピックやドライブでマークを剥がしてから、もう1つジャッジする感性はとびぬけていました。周囲が動かないので、困ってしまうシーンもあったし、本人の得点力不足で厳しい点もあったけど、全体をみていたため、最もクリエイティブなPGでした。

あと、シンプルにディフェンス力が高く、サイズがあるのでチームハイの9リバウンドだしさ。ここもデカかったし、他のPGにはない特徴です。

オフボールでポジションずらしてくれるのが、西田と冨永しかいなかったのでパスの出し先が少なかったですが、アジアカップで渡邊が戻ってきたら選択肢が増えます。このままテーブスがプレーメイクする形で進めば、ポジションを掴めるでしょう。でも、渡邊がハンドラーし始めたら消えそう。

台湾戦でロスターから外れた斎藤は運が悪すぎる。相手が強い時しかまともにプレーしていないよね。そして本日は河村がデビューして結果を残しました。オーストラリア相手に同じこと出来たとは思えないので、斎藤だけが貧乏くじをひいた。

河村は1人だけ違うテンポを持ち込んでおり、チーム全体をスピードアップさせました。この変化をもたらせたことは、他のPGにはなかったのでポジティブです。パスセンスも感じさせ、次も観たいと思わせるプレーでしたね。

ただし、プレーを作り方は1on1ベースなので富樫と被っており、どっちかでいいやって感じです。得点力で富樫が上なので簡単ではないよね。

河村が登場すると見事にシューターが消えました。1人でプレーを作っているので、河村次第になっているし、ハーフコートのプレーメイクは物足りな過ぎた。富樫もだけど、どうしてもインスタントスコアラー系統に見えてしまう。

スピードアップがホーバスの特徴であるならば、河村はよいアクセントです。他のPGでは起きなかった現象なのでベンチに置いておきたい気もするけど、PGは比江島もいるし、そんなにロスター埋めたくないよね。

あとディフェンスがね。ハイプレッシャー以外だとサイズ差が酷すぎた。河村と富永、西田を並べた時間帯があったのですが、ボロボロのディフェンスになっていました。

8アシスト5スティールと活躍した河村ですが、台湾相手には出来るけど、オーストラリア相手に3アシスト2スティールするほうが価値が高いって事も含めて、極端すぎてわけわからん。

とりあえずテーブスは良かったPGですが、これで斎藤が失格なら可哀そうすぎるし、河村が落とされるのはもっと違う。藤井は、、、別にもう見なくてもいいかもね。

◎アジアカップへ

うーん、極端すぎる2試合でした。トレーニングマッチにもならない。これでアジアカップへと突入するのか。国際試合は難しいよね。WCならいざ知らず、アジアだと極端が続くんだろうね。

ユーロの中堅国に比べても、オーストラリア以外は劣ることが分かっているので、シンプルに良かった要素で通じそうですが、その先を考えるならば選手のチョイスも変わってきそう。いや、変わらないか。

Window2で結果を残した西田が物足りないフィニッシュになったこと、谷口のプレーが悪かったこと、富樫抜きの佐藤も微妙だったこと、そんなネガティブな要素と、冨永や井上の登場があったポジティブな要素と。

ホーバスは何を選択するんでしょうか。自分で選択肢を増やした結果、同じ評価軸で比べられない案件が多く発生してしまいました。極端すぎたのは相手の問題でもありますが、打たないオーストラリア戦と、打ちすぎの台湾戦ではPGの役割も全く違うよね。

どんな結論を下すんでしょうね。あと、ルーク・エバンスしか出てこない帰化枠はどうなってんだろ。ディフェンスをどうするかも含めて、インサイドはよくわからんよ。

極端な要素が続く中で、どこにバランスを求めるのか。むしろ求めないのか。極端な選手が好きなのはホーバスって感じもあるので、同じようなアジアカップになるのかな?

Window3日本vsチャイニーズタイペイ” への5件のフィードバック

  1. 当てにならない結果極まれり、って感じですね。
    西田は周りがイケイケだと空気を読んで消えてしまうんですよね。
    視野が広いが故の弊害といいますか。
    ここは富永とは違うメンタリティですね。
    アピールしないというか、頼られてやるみたいな。

    藤井選手には悪いですが、正直Bリーグの実績とか全くアテにならないんですよね。
    これはずっと前から感じてたことです。
    だってガードのマッチアップはほぼ日本人相手ですから。
    そこで活躍されてもあまり参考にならないです。
    インサイドはほぼ外国籍とマッチアップしますし、ウイングも比較的外国籍と戦います。
    ですがガードは外国籍ほぼいません。
    Bリーグの構造的問題ですよね。
    ビッグマン冷遇は。

    1. 世界的にはガード余りなくらい優秀な選手が多いのに、なぜか日本には呼んでこない。
      そこにはビッグマン重用というカルチャーと、ガードの優秀さの物差しがぶっ壊れているイメージがあります。

      Bリーグで活躍した選手が活躍できず、まがりなりにもプレーできているビッグマンはBリーグで出番がないという構造的問題ですね。

  2. Bリーグだと外国人がオンコート2なので、4〜5番ポジの日本人はなかなか出場機会がないですよね。ただそのおかげで外打つビッグマンが増える面もあるので、一概に悪いとは言えず…悩ましいところですね。問題なのは、Bリーグではポジションに関係なく、外国人に対して日本人がほぼアタックしないことでしょうね。

    今回の代表戦見てて、谷口とか永吉とかを使うなら、正直東京オリンピックのメンバーのシェーファーとかのほうがいいかな〜と思いましたね。外はないけど、フィジカルと能力でリバウンドとスクリーナーやれるし、そもそもファイブアウトでセレクション悪い人がスリー打つなら、富永や西田や佐藤がスリー打ったほうが期待値は高いですよね。
    てかドライブできない人がいるとOF停滞するので、スリーが打てるかも大事だけど、同じくらいドライブできるかも重要かなって感じました。

    ガードは個人的にはテーブス推しなので頑張ってほしいです。次点で河村だけど、今回いないけど大倉颯太と筑波大の小川も、能力系ガードとして代表に絡むことを密かに期待してます。
    藤井は予想通りだったので別に驚きはしませんでしたね。

    アジアカップのメンバーが今日発表のはずなので、楽しみに待つことにします🙆‍♂️

    1. ガードよりのメンバーでどうするんだ!
      になりましたね。ここまでやっていない3ガードを増やすのかどうか。

      思うのはガードに比べて、ビッグ系の評価が国内で低いことです。
      ウイングの優秀な選手とか、ボール持たないから評価されないような。

      昔、名前も覚えていない専修大のウイングシューターが好きだったのですが、Bリーグにひっかかる余地もなかったです。

  3. 富樫と河村の両方が入るとは思いませんでした。
    てかインサイド陣薄くないか…?
    ルーク以外は井上と張本しかいないけど…まあ我らがワタナビー頼りですねわかりますわかります。
    まあアジア相手ならって感じのメンバーか…
    冨永はわかるが、佐藤、須田、吉井の3人全員入るとは思わなかったな。佐藤と須田or吉井だと予想してました。
    井上はトムの期待値高しなんでしょうね。年齢的にもワールドカップまでの伸びしろは他よりありますしね。井上は高校時代から留学生とたくさんマッチアップしてきてるから、それ含め期待はあるんでしょうね。

    国内ビッグの待遇改善は問題ですが、お隣韓国のKBLは、2m以上の外国人は出られないってルール作ったけど、わずか一年で撤廃したらしいですよ〜
    KBLは外国人がセンターだけに偏らないように、色んなルール考えてやってきたみたいですね。

    大きくない相手には3ガードやるかもですね。格下相手のオールコートDF!!

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