Window3 日本vsオーストラリア

1Q 13-22
2Q  4ー25
3Q 10-21
4Q 25-30

ボロ負けに終わったオーストラリア戦ですが、それだけに色んな感想がありますね。しっかりと部分分けして感想を書きたいと思いますが出来るかな。

まず、八村とファジーカスの合流により勝利した試合から、ちょっと勘違いしていた部分が露わになった惨敗な気もします。実力差を考えたら、こんなもんだろってね。

◎ラマスとの違い

この内容だと「ラマスの方が良かった」ってなるよね。ラマスの戦い方はオフェンス面で連携を重視しており、堅実な選択を取るってだけでなく、リスクの少ないオフェンスでもあります。選手の能力が足りなかったけどさ。

一か八かで勝てる可能性は低い代わりに、リスクを減らすことで少ないチャンスで成功すれば勝てる戦い方だね。

一方でホーバスはハンドラーの個人技アタック中心です。リスクのあるオフェンスですが、アグレッシブに打つことでチャンスの数を増やし、低い決定力を数で補う戦い方です。今回は特に個人技アタックをしては失敗し、増やしたチャンスの分だけ失点も増やしました。

どこかで爆発力を求めるわけですが、そこまでをディフェンスで耐えることが好きなホーバスなので、選手起用はディフェンス重視です。だからこそスピードのあるガードを並べるよりも、サイズのあるビッグマンに3Pを求めていますが、ここが崩壊した試合でもありました。

だから攻守にいろいろと問題があったわけですが、ディフェンスが成功していた時間帯はテーブスがはいったスターターでした。吉井が1on1の奮闘をしていたことも含めて、全体的にスイッチしても問題なく守れることがメリットを生み出していました。

それって田中大貴や比江島をPGにしていたラマスと同じだよね。結局はホーバスがやりたいことも、ラマスと同じ選手チョイスに近づいてしまう気がします。西田や富永がいるので、依然とタイプの違う選手ではあるものの、小さいガードは使いにくく見えたのでした。

それを超えるほどオフェンスでのメリットを生み出せれば違いますが、今回もそれが出来る選手はいなかった。気が付いたら富樫が特別な存在に見えてきたね。

◎3Pとハイスピード

ホーバスがそんなこといったのか甚だ疑問ですが、放送は「3P・ハイスピード・ディフェンス」がホーバスの特徴とされていました。でもハイスピードの欠片もなかったよね。3Pについても西田と富永だけじゃん。

〇3P
冨永 5/11
西田 1/6
藤井 2/4
その他2/16

なんじゃこりゃ。外しすぎだろ。藤井については後述しますが、4Qになってディフェンスが緩い中で決めただけです。

4Q 5/11

うち冨永と藤井で4/5です。その他の選手は3Qまでが1/10で4Qが1/6でした。要するに3Qまででみれば冨永と西田を除けば「決まらなかった」だけでなく積極的に打ってもいません。

4Qはオーストラリアが追いかけなかったから打ちやすかっただけで、あまり価値のない3Pだったと思います。3Qまでに打った26本のうち、西田(6本)と富永(9本)で半分以上を占めていました。

相変わらずフェイクが多く(NBAをみていると)当然打つべきシーンで3Pを打ち切らず、ブロックに対してフェイクしてドライブしてしまいます。オーストラリアも逆にビビったかもね。フェイク&ドライブ以上に悪かったのが

キャッチ ⇒ フェイク ⇒ エクストラパス

こんなシーンが連発していた事です。フェイクの分だけ時間がかかりエクストラパスの意味がなかったです。何故こんなことがBリーグで通用しているのか、さっぱりわかりません。

ドライブだけなら「Bリーグなら抜けるのかな」ってだけなんだけど、Bリーグの方が一生懸命追いかけるんだから、フェイク&エクストラパスはダメに思えるけどな。外国人がなんとかしてくれるのか。

「ハイスピード」の部分がツラかったという話です。判断のスピード、プレーのムダが多かったこと。3Pを打つというコンセプトがあったはずなのに、またもフェイクをしてスピードを落としてしまったこと。

なんだ。いつもと同じじゃねーか。

◎ビッグとウイング

これを書いている時点でチャイニーズタイペイ戦が谷口⇒須田になったのですが、全体的にウイングとビッグの役割が意味不明でした。今回はしっかりと合宿をしてきたのに、何したいのかわからないオフェンスを展開し、最終的にメンバーがガード寄りに須田に入れ替わるのでした。

さて、問題は吉井、佐藤、谷口、張本らのウイング陣とルークと永吉のビッグでした。

彼らはオフェンスでコーナーやエンドラインに陣取るのではなく、多くの場合で45°からトップにいました。いわゆるスクリナー役ですが、いってもスクリーンかける回数も少ないしさ。これらの点については、本人の資質以上にホーバスが仕込んできた内容の問題です。

酷い時は西田のドライブキックアウト
⇒右45°の佐藤
⇒トップのルーク
⇒左45°の張本の3P
みたいな時がありました。確か、こんなメンバーだったと思う。バランスよくウイングとビッグがトップ近辺にポジショニングし、判断の遅いパスと思い切りの悪い3Pで、何よりもガード陣のスペースを潰していました。

ファイブアウトだとNBAでも「アウトサイドのスペースがない」ことが起きますが、まさにそんな傾向が強かったです。しかもテンポが悪いからボールと人が動かないしさ。マジでホーバスは何を狙っていたんだろ。

そして1on1を仕掛けたがったルーク、吉井、張本で何が何だかわからなくなりました。これがWindow2では富樫と西田のハンドラーアタックが目立っており、ハンドラーを活かすためのオフェンスをしていると思っていただけに、Window3になって変化したのが不思議です。

結局はファイブアウトだけどバックドアカットは殆ど起きなかった。動かないもんなぁ。

ちなみに女子もビッグマンがトップから45°にいてビッグマンシューターの戦術だったので似ています。ただガードが突破するためのスペースはあったので、男女のサイズの違いもあるかもね。

◎藤井と斎藤

そんなビッグマン達が並ぶので、斎藤と藤井はちょっとかわいそうでした。特に斎藤はドライブするためのスペースが与えられず、突破を図っても誰も合わせてくれないから、自分で打つしかなく、それが決まるほどオーストラリアは楽な相手でもなく。

しかし、それでもハンドラーとしての役割を果たしに行った斎藤に対して、藤井はウイングにボールを預けてプレーメイクせず、何もしていないに等しいプレーをした前半でした。後半になると3Pを打つ機会が出たものの外し、ただ4Qには積極的なプルアップ3Pでした。

いずれにしても「PGの役割は何か」と「自分の強みは何か」の両面において、藤井は失敗しています。BリーグMVPってこんなもんですかね。という皮肉にもなってしまった。

オーストラリアレベルのプレッシャーを感じたことがない
普段と違う戦術で持ち味を出し切れなかった

共にこんな印象のプレーとなりましたが、一方で経験値のある富樫はともかく、西田と富永も普通にプレーしているわけなので、このまま行けば「代表向きの選手ではない」として終わってしまいそうです。それくらい良くなかったよ。特に藤井は。

また、次のチャイニーズ・タイペイ相手だと、ある程度の結果は残せると思いますが、それに何の意味があるのか。という話にもなります。このレベルの相手になるとプレーに選択肢が大きく減ってしまうのであれば、WCで戦うのは難しいもんね。ここはもう慣れとタイプの問題。

テーブスについては及第点でしたが、その一方で相棒が西田しかいないと苦しいプレーメイクになってしまいました。ウイングとビッグの3枚がボールを止めるし、判断が遅いので、テーブスがボールを動かしても意味がないことも出てしまった。

そこで冨永と西田を並べましたが、ディフェンスは苦しくなった。1枚だとテーブスの得点力が物足りなく、2枚だとチームのディフェンス力が物足りなく、大変な感じです。

だから藤井にはネクストチャンスがありそうです。といってもジャニングがいない藤井では厳しいかな。誰かジャニングになれるかな?

◎西田と富永

この試合で輝きを放ったというか、まともだったのは西田と富永の2人でした。

西田はシュートタッチが悪すぎましたが、それでも違和感のない判断でフィニッシュにいっており、もはや戦術云々ではなく個人の資質として、決まるかどうかではなく「打ち切れるかどうか」に差があるようでした。決まらなかったわけだし。

また西田は1人だけアグレッシブな1on1でフィニッシュ出来ていました。必要だった個人でのアタックは西田だけが可能なプレーだったのです。

冨永は3P5/11と高確率だっただけでなく、打ち切るのはもちろん、ディープでもフリーなら打ちまくりました。いかにも日本に足りなかったシューターとして、初めての代表で結果を残したと言えます。

ただ、冨永はアタックが出来ておらず、外から打ち切る一辺倒でした。NCAAにいるんだし、もっとアタックするんだと思っていたけど、期待とは違ったよ。バックドアは1回やっていたね。

なので、今のところは西田に軍配が上がります。っていうか、西田PGで冨永SGで良い気がする。お互いにスクリナーにもなっており、オフボールで何をするかのアイデアがありました。でもオフボールシューターが使うスペースはウイングが潰していた。意味わからん。

◎合宿で何をしたのか

今回は事前合宿やディベロップメント合宿など、準備期間があったわけです。代わりにチャンピオンシップのメンバーは使いにくかった。

これまでホーバスには時間が与えられていなかったわけですが、Window3からアジアカップ(渡邊が出る)、Window4についてはチームを作る時間があり、その最初の成果を出す試合でした。

しかし、とにかくコンセプトがわからず、スクリーンの少なさや棒立ちのポジショニングなど、決定力とは違う部分で謎の残る試合となりました。

大敗したのはホーバスの戦い方だと致し方ないけど、内容が悪すぎてフォロー出来ない。少なくともラマスの時には起きなかった問題が起きているわけです。「選手の特徴を生かしていない」なんて言われたラマスだけど、それは形にハメているってことでもあったよね。

ウイングとビッグが1on1を仕掛けていく
シューターにスクリーンをかけない
キャッチ&3Pを打ち切らず、判断も遅い

決まらないのは仕方がない。上手くいかないのも仕方がない。
でも「やらない」のは違うじゃん。何をしたかったんだろうか。

「とてもタフな試合となりました。合宿では良い練習をこなせていましたが、練習でやってきたことを試合で見せられなかったことにフラストレーションが溜まりました」

「序盤にブロックを何本かくらい、ペイントアタックへの積極性を失ってしまいました。その後は3ポイントシュートを打つばかりで、これは私たちのやりたいものではなかったです。こうしてリズムを失ってしまいました」

Window2で感じた事でもありますが「ペイントアタックするための仕組み」はなんだろうか。いうほどアタックを拒否していたわけではなく、ただアタックからの連動性がないので、本当に単なる個人技アタックになっていました。

〇2P
日本 7/26
オーストラリア 21/31

〇FT
日本 8/12
オーストラリア 5/6

オーストラリアと日本は似たような3P/2Pのバランスでした。日本の方がフリースローが多いので、ほぼ同じとみていいでしょう。オフェンスリバウンドはお互いに8本と同じだしさ。

しかし、確率が27%と67%で40%も違いました。3Pよりも深刻なのが2Pの成功率です。これじゃあスマートオフェンスでも何でもないよね。

3Pの確率差もあって大敗でしたが、根本にあるのはゲームメイクの部分です。殆ど1on1をせず、ボールと人を動かしてフィニッシュしていたオーストラリアに比べて、日本は1on1が多かった。アメリカじゃないんだからさ。

結局は富樫と西田の個人技アタック次第なのか。仕組みが見えなかったオーストラリア戦でした。

Window3 日本vsオーストラリア” への2件のフィードバック

  1. 本当に何がしたいのか意味不明でした。
    スターターに張本と吉井並べたときは目眩がしました。
    ディフェンスは多少はよかったですが。
    ただフロントコート陣が1on1仕掛けて西田がコーナー待機とか本当に意味不明です。
    スターターでまともに仕掛けられるの西田だけだったので、あのメンツなら西田がひたすらP&Rでチャンスメイクしたほうがよかったのでは。
    控えからも富永以外は計算できる選手がいませんでした。
    佐藤、張本(吉井?)、谷口、永吉あたりが同時に出てたときとかホントに絶望しました。
    このメンツで一体何を試したいのか……。
    ラマスの方が決まりごとしっかりしてましたね。
    良し悪しはともかく。

    1. ラマスの方がやりたいことがわかりやすかったですね。
      それをする戦術力はなかったですが、ホーバスになって大味なだけになってしまいました。
      各ポジションの役割が定まっていないし、共通理解がないようにみえますね。

      アメリカっぽいのか。

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