ファイナル ウォリアーズvsセルティックス

ゲーム2

ファイナルの感想を書かないというNBAライターにあるまじき行為をした管理人。ちなみに予想は「4-1でセルツ」だったのを「よく考えたらウォリアーズディフェンスがアジャストできそうだから4-3でウォリアーズ」に変更しました。

そのアジャストとは「キックアウト3Pへチェックに出てドライブさせる」という高度なディフェンスにより、フィニッシュ力の低い選手に打たせまくる戦略が出来そうって事でした。が、ゲーム1は見事に3Pラッシュになったセルツ。テイタムの13アシストも含めて、期待していたディフェンスアジャストが足りなかったとも言えます。

◎ドライブとカウンター

ジェイレン・ブラウンがトランジション3Pを決めると、セルツは5人がディフェンスに戻っていますが、カリーがワンパス狙ってテイタムに奪われます。なにしとんじゃいカリーさん。そして同じ位置からのトランジション3Pを決めるブラウンでセルツが先制。

要するにヒートとのシリーズに似た状況です。スピードアップしたいウォリアーズに対して、トランジションディフェンスを重視しているセルツ。その一方でセルツだけがトランジションを決めている。

そしてハーフコートになってもテイタムとブラウンがドライブアタック。さすがになかなかキックアウト3Pにはなりませんが、スマートがドライブしたら左手レイアップを決めきったこともあり、テイタム&ブラウンの個人技からキックアウトが効いています。

一方のハーフコートディフェンスは従来通りマンマーク対応。ただし、ロバートがドライブカバーに出てはルーニーに決められています。こちらもよく見ている光景だ。それにしても「インサイドフィニッシュは重要で、ロバートのように押し込め」が一つの基本なのですが、ルーニーで済んでしまうんだから高さは重要じゃないよねぇ。

6分が経過したところでプールとペイトンでスモールになります。するとここまで止められていたクレイがドライブに成功しますがレイアップをミス。ドレイモンドがグラントと相撲しているとテクニカルがコールされ、セルツに問題は起きません。

つまり、スモールのウォリアーズに対して、ツービッグのセルツがマンマークでの問題を発生させていないって事なので、バトラーが47点とらなかった試合っぽい流れです。

しかし、キックアウトしても3Pが打てない状況でカウンタードライブをしていくセルツは、ホワイトがレイアップをミスするとカウンターでペイトンの速攻に。そうね。やっぱりスマート、グラント、ホワイト、プリチャードあたりに「ドライブさせろ」が正解に見えるよね。

今度はスマートがインサイドのテイタムへ出したパスが奪われてカウンター。セルツも高さを使うオフェンスがないので、ウォリアーズのスモールに対してオフェンス側に問題が発生していったのでした。

するとルーニーとOPJ投入で解消させたウォリアーズが、またもドライブからゴール下のルーニーで追い上げます。珍しく4人もカリーに行ってしまったセルツ。その守り方は邪道だよね。

そんなこんなで接戦へと推移していくファイナル。残り3分からカリー、テイタム、ペイトン、テイタム、プールと突如として3Pラッシュの展開となりました。残り30秒でホワイトがドライブするも、フィニッシュに行けずにパスをするとルーニーがスティール。そしてカリーのフローターで31-30とウォリアーズリードになって終わります。

やっぱりドライブさせられている気がするセルツ。それだけならいいけど、カウンターが増えてしまったのが余計でした。7ターンオーバーだってさ。

◎カリーと・・・

逆転に成功したものの7つのターンオーバーをさせながら同点ってのは苦しい気もするウォリアーズ。2Qはビエリッツァ登場で、これまた流れに変化を付けます。セカンドラウンドまでは変化がなかったけど、急にいろんな違いが出てきた気がする。

ビエリッツァはテイタムに狙われまくっていますが、これを止めきり、引き続きホワイトにドライブさせて困らせます。しかし、もっと困ったのはプール。ホワイトにブロックされ、タイスにブロックされ、ウィギンズのレイアップも外れ、セルツの1on1ディフェンスに1on1で負けていきます。せっかくビエリッツァが止めているのにさ。

それでもプリチャードのゴール下もビエリッツァがストップ。そしてゴール下の合わせに、ハイポストから裏のスペースに出てゴール下。ファイナルで働ているなビエリッツァ。キングスは悔やんでいるのかな?

しかし、開始5分でビエリッツァしか点が取れませんでした。クレイのポストアップがプリチャードにも止められているし、どうにもならんぞ。そうこうしているとホワイトがミドルと3Pを決めてリードはセルツに。

カリーが戻ってくると3P、カウンター、そしてウィギンズにも3Pがでてアッサリ逆転します。ウォリアーズってカリーとルーニーとビエリッツァのチームだったっけ。

あとペイトンのテイタムに対するディフェンスが効いているな。と、思っていたらブラウンへのヘルプに出た瞬間にテイタムに3P決められています。もうマンマークに集中しようぜ。他は気にしなくていいぞ。

同点の残り2分。クレイがスティールするも、速攻のパスは乱れ、ウィギンズもキャッチしきれず。蚊帳の外にいるクレイ。カリーのドライブからウィギンズのインサイド合わせでリードするも、ブラウンの3Pにドレイモンドがファールします。さらに倒れているところで揉めて(どっちも悪くないけどさ)、どっちにもテクニカルはコールされず。

解説のレフリーが「テクニカルにするとドレイモンドが退場だから、お咎めなしになるよ」という予想通りの結末に。いやいや・・・

最後にカリーが決めてウォリアーズが52-50でリードした前半でした。

前半の感想ですが、ドレイモンドがヒートに対して「スーパースターが足りない」と言ったらしいけど、まさにウォリアーズもそれ。カリーしかいなかった。そうじゃなければ、もっとリード出来たのに、カリーでしか違いを作れていなかったぜ。あとはトランジションで何とかしよう。

セルツはテイタムの3Pに救われていたけど、それ以外は止めていたって事でもあります。ホワイトが打つ機会が多く、それはウォリアーズの狙いって感じでした。もうちょっとサポートキャストが頑張らないといけないセルツと、主役が足りないウォリアーズ。

◎セルツinトラブル

トランジションのミドルがこないクレイに対して、ブラウンがレイアップをねじ込んで同点。カリーがドライブからパスフェイクでレイアップ。ホーフォードがこの試合はじめてのシュートを打つも決まらず、クレイのドライブも決まらず。

なんどもリバウンドを取っているウィギンズですが、ゴール下はロバートがシャットアウト。結局はルーニーしかゴール下を決めていないぞ。3分経過したところウィギンズがスクリーンでホーフォードを止めると、やっとクレイの3Pがヒット。80%ウィギンズさんの得点です。

タイムアウトのセルツですが、今度はカリーにステップバック3Pを決められます。ホーフォードはポストアップからエアボールし、そのカウンターからクレイのレイアップ。これで10点差に。

スマートのドライブ(させられている)はルーニーが後ろからブロックし、アグレッシブにボールを奪いに行ったスマートのディフェンスから崩されてウィギンズがファールドロー。暴走しそうなスマート。踏みとどまることはできるのか。

サイドライン際にカリーを追い込むも押してしまいファールコール。カリーはボーナススローで点を取れるようになります。そして延々とやりあってクレームしているスマートをみてか、ウドカがクレームしてテクニカル。熱くなっているようには見えないし、わざとやったっぽいな。

しかし、セルツはオフェンスが決まりません。スマートがきれいなキックアウトをしてもブラウンの3Pが外れ、ゴール下のホーフォードにパスがでても決められず。タイムアウト明けにスマートがスティールするもカウンターがミスになり、困りまくり。残り5分でやっとグラントの3Pが決まって、3Q9点目です。

シンプルに外しすぎです。ウォリアーズのディフェンスはいいけど、だからといって多少のタフショットでも決めてきたからファイナルにいるわけだしさ。ん-ー、でも、なにが効いているんだろうね。

答えは「ホーフォード」って感じです。インサイド合わせのパスを通させず、逆にホーフォードから展開するにはヘルプが来ない。単純に1on1で決めて欲しい流れですが、耐えきっているウォリアーズディフェンス。苦しいシーンが多いホーフォード。ここまでのプレーオフがウソみたいだ。

そしてカリーの3Pで14点差に。セルツinトラブル

ノッテきたカリーは残り2分にディープ3Pもヒット。ここまで打ってすらいなかったディープを打たれてしまったともいうけど、前半同様にタイスとプリチャードが出てくると、平面でのチェイスがしきれていない傾向でもあるね。外れたと思ったらOPJのオフェンスリバウンドだし。

そしてホワイトの3Pは後ろからでも追いかけてドライブにさせ、インサイドで止めきるウォリアーズ。プールのディープ3Pまで決まってしまって20点差になったとおもったら、最後はハーフラインブザービーターで87ー64にしたプールでした。まとめるか。

◎ゲーム2だけ見たら

うーん、大体予想通りの内容だったよね。ゲーム2だけ見ればプレビュー通りって感じです。いくつかポイントを書いていきましょう。

〇セルツの3P
テイタム 6/9
ブラウン 3/9
その他  6/19

〇ゲーム1
テイタム 1/5
ブラウン 2/8
その他  18/28

ゲーム1は4Qの3Pラッシュで逆転したセルツでしたが、それって「テイタム&ブラウンが止められて、チームメイトの3P」でした。このゲーム2はテイタムがバウンスバックしていますが、かわりにチームメイトの3Pアテンプトが減りました。

ちなみに19本打っているのでそれなりに見えますが、そのうち10本が4Qなので、このゲーム2は実質的に9本だと思いましょう。

〇3P
スマート 0/3
ホワイト 2/4
グラント 1/1
ホーフォード 0/0

スマートが3本全て外したとはいえ、確率よりも本数が問題でした。明確に3Pを打たせなくない事情が見えており、止めきれないテイタム&ブラウンのプルアップは別にして

キックアウト3Pは打たせない

これが明確に機能したわけです。でも代わりに何かを許容したわけだよね。それは特にホワイトが狙われていましたよ。

〇2P
テイタム 2/10
ブラウン 2/8
その他  11/25

〇ゲーム1
テイタム 2/12
ブラウン 8/15
その他  12/17

ターンオーバーが12⇒18と増えたことも含めて、とにかくインサイドを攻めさせられたセルツでした。というかゲーム1が3P28本に対して、2P17本しか打っていなかったことが異常だよね。

まぁ大体こうなるだろうなという予想通りになったゲーム2でした。キックアウト3Pはマズいのでドライブさせよう。そのドライブを止められるか(外させるか)どうかが勝負でしたが、見事に成功したゲーム2でした。

セルツの誤算というか、修正しなければいけないのはテイタムです。ブラウンもだけど、この2Pの確率だとキックアウトの脅威が減るよね。3P打たせてもらえていないのは単にウォリアーズのディフェンスが狙っただけでなく、両エースの脅威が薄まっていた事にもあります。ペイトンの仕事はデカかった。

〇カリー
29点
3P5/12

こっちはお手上げでしたね。そこまで気にすることもないですが、今日のカリーは止められなかった。それを促したのはセルツが1勝したことで、ちょっと余裕を見せたローテにしたことにもあります。

ゲーム1は7本決められたとはいえ、6本が1Qだったので序盤のラッシュだけでした。ある程度の対処が可能になったとみてよいのですが、このゲーム2は5本決めたうち2本がトランジション、1本がタイスが前に出なかったことでした。っていうかプリチャードとタイスの時間に3本決めているので、セルツの余裕が生み出したスペースでもありました。

〇2P
ルーニー 6/6
ドレイモンド 2/3
ペイトン 2/2
ビエリッツァ 3/4

それ以上に、こっちが効いた気がします。クレイに対しても、カリーに対しても、ウィギンズに対しても、プールに対してもインサイドカバーで止めていましたが、それ以外の選手に合わせられるとお手上げ。ちょっとディフェンスの連携で負けていましたね。

とはいえ、アウェイを1勝1敗で乗り切ったのだから十分な成果ではあります。セルツとしてはテイタムとブラウンが、よりインサイドに飛び込むことで、キックアウトを有効にするとともに、決めきることでカウンターを減らしたい。そこを減らせば、点差はないに等しいってのが今シーズンのプレーオフだしさ。

ある程度、想定された内容になったゲーム2でした。ここからセルツがどんな修正を施せるのか。その修正はオフェンスなのか、ディフェンスなのか。そんなゲーム3になりそうです。


ファイナル ウォリアーズvsセルティックス” への1件のフィードバック

  1. このシリーズは良くも悪くもホーフォードって感じがしました。特に今日はカリー相手に押し込めずパスミスするとか。テイタムも今日はタイトめの3決めたりしてますんで、これ以上頑張るのは少ししんどいかなという気がしてます。

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