プレーオフ①シクサーズvsラプターズ

ゲーム5

シクサーズが3連勝で始まったシリーズ。「3連勝をどう思いますか?」と聞かれて「出来すぎ」というのが管理人の意見です。リードしているのはいいとして3連勝はね。結果だけでなく内容も出来過ぎな匂いがしていたゲーム1だったので、そんな感想です。そういえばゲーム1は感想書いたのにアップしていなかった。途中で寝たので。そんなことについても触れながらのゲーム5です。

◎ビッグラプターズ

ヴァンブリードのいないラプターズは4ビッグにしてきました。でも、こっちの方が今シーズンのラプターズらしいし、以前はアチュワだったところがアヌノビーなので、センターとPFばかりってわけでもありません。

ニック・ナースがこのラインナップを好んだ理由の1つが「ナチュラルにミスマッチが作れる」ことでした。シアカムもバーンズもガード並みのドライブが出来るので、彼らが飛び込めば高さで勝てるっていうね。ある意味で、ヴァンブリードがいないことで、そのメリットが明確に出るスタートになりました。

vsマキシーのところばかりで攻めていくラプターズ。ペイント内に踏み込んだらジャンプシュートが打てます。エンビードがカバーに来たらパスアウトしてバーチの3Pも決まり、「ビッグラインナップなのにファイブアウト」という独特のスタイルが機能していきます。ここは狙い通りなんだよね。

一方のシクサーズオフェンスについてゲーム1は、鮮やかすぎるボールムーブからコーナー3Pとリバウンド、そしてマキシーのアタックと機能に機能しまくりました。そんなに機能するかねってくらい。だから「出来すぎ」に見えたよ。

そしてこのゲーム5は程々に戻ります。こんなもんでしょ。ラプターズは手の長い選手も多いし、そこまでシンプルにボール回されるって事はないよね。マキシーのアタックも止められ、ダニーにはボールも来なかった。

大事なのはその後。ボール回されて3P打たれてはリバウンドをエンビードに取られていました。それじゃあビッグマンが多いメリットがないじゃん。でも、ボール回されなかったら、普通にリバウンドが取れています。かつてのテレパシーディフェンスでは、ローテしすぎてリバウンドの弱いチームでしたが、起きている現象は同じかな。ローテしなければリバウンドも取れる。

「本来はこんなもんだろ」という関係性になっているゲーム5の序盤でした。ただ、そこにシクサーズが思った以上にラプターズにボールを奪われました。これはハーデンやマキシーでシクサーズがかわせる部分だと思っていただけに、ちょっとハマりすぎたね。そこからのカウンターが決まってラプターズが先手です。

そしてターンオーバーが減ってくると、パスでボールが動くので、エンビードのオフェンスリバウンドも増え始めます。やっぱり、マークがズレるかどうかが大事みたい。センターの強みで追い付くシクサーズ。言い換えればボールプレッシャーでパスを減らすことがラプターズの生命線です。

それってシクサーズは「パスが減ってもハーデンが働けばいいじゃん」なんだけどさ・・・シモンズじゃないんだから。

アチュワとブシェイがはいってきたラプターズは、普通にエンビードを止められなくなりますが、かわりにアチュワが3Pフェイクでエンビードをおびき出してのドライブダンク。スモールラインナップみたいなことをビッグラインナップでやるのが今シーズン後半のラプターズ。

そしてサディアス・ヤングが登場するとエンビードが仕事をできなくなり、トレントの3Pでリードしたラプターズですが、アチュワがまさかの自殺点をかまし、29-27で1Qが終わります。

◎決まらない3P

2Qのシクサーズはハーデンもエンビードもベンチ。でも1分と経たずにハーデンは交代ゾーンへ。しかし、なかなかプレーが切れず、バーンズがボール運びをするミルトンからスティール速攻したところでタイムアウトのリバース。もう、それなら初めからハーデン出していればいいのに・・・

ゾーンだったラプターズはハーデン登場と共にマンツーに戻します。試合開始からバーンズやアチュワ(!?)がハーデン担当ですが、とにかくステップバックは打たせないように高さでカバーしています。にもかかわらず抜けないハーデンだし、スクリナーは誰も来ないシクサーズだし。

ドライブで抜けないまでもインサイドに侵入してパスアウトするハーデンですが、サイブルの3Pが決まらない。とにかく決まらない。ダニーが出てきたけど決まらない。一方でラプターズもきれいなボールムーブからオープンになったアヌノビーが決まらない。連続で決まらない。

両チームが決まらないとどうなるか。高さで押し込んでいるラプターズの方が徐々に点差を広げます。サディアス・ヤングからブシェイへの見事なバックドアも決まると、カウンターからシアカムのレイアップで41-27と2Qになってから0点のシクサーズを尻目にリードが広がります。またタイムアウトのリバース。1回目がさ・・・

それでもタイムアウト明けにコーナーからダニーが3Pをヒット。やっと決まった。アヌノビーはまだ決まらない。そしてエンビード、トバイアスと続き、今度は8-0のランでラプターズがタイムアウト。なんか、最近この手の展開が多くないか。

タイムアウトあけてゴール下フリーになったバーンズのダンク、アヌノビーの3Pが決まってランが始まるかと思ったらダニーの3P。うーん、ダニーいないと厳しいシクサーズ。どうなってんだ。ハーデンのパスアウトから、またダニーが3P。ダニーだけが決めてくれる。

全然ステップバックしないハーデン。しかしスイッチからマークがトレントになると、狙いまくってのステップバック3Pを打ちます。外れたけど。ということはラプターズのビッグマンディフェンスにてこずっているって事かな。相手が小さければハードに守ってくるトレントでも打てるんだもん。

一方でトバイアスのディフェンスはシアカムを大いに困らせていて、抜けないわ打てないわ。スクリーナーも用意されるのですが、アンダーで守っても3P打ってこないシアカムなので、特に困らずトバイアスが対応し続けます。両チームのPGがディフェンスにてこずった前半でした。えっ?シアカムはPGじゃないって? いやいやPGだよ。

終盤にアチュワが3Pを決めれば、エンビードからチャージドローし、前半はラプターズが54-41と13点リードします。オフェンスがどうにもならないシクサーズ。ハーデンが悪い。なんのためのハーデンなのか。フィリーのファンがブーイングを始めたのでした。

◎エンビードを狙え

後半のシクサーズは、またダニーが3Pを決めると、マキシーもスピードで切り裂くドライブを連発。ところが、ハーデンのロブパスをキャッチしたのにダンクせずに着地したエンビードがスティールされます。お前は初めてアリウープパスを出された桜木花道か。

シアカムが遂にトバイアス相手のミドルを決めるも、トバイアスはインサイドでシアカム相手に押し込み。なんとなくシクサーズペースですが、エンビードとハーデンが来ないので、詰めるには至らず。

タイムアウトを挟んでエンビードが決めますが、アチュワが見事なドライブでエンビードを置き去りにして決めれば、シアカムもエンビード相手のドライブ。うん、ビッグラインナップのスピードに困ってきたエンビード。シリーズ通して走らされているので、運動量が落ちてきたのかな。

そしてアヌノビーのスティールからコーナーでパスを受けたアチュワは、エンビード相手のアイソを見事に決めて再び13点差。センターだったのが懐かしいアチュワ。こっちの方が普通になってきたな。実は延々とエンビード相手に仕掛けるのが正解に見えてきました。それと同時にシクサーズのディフェンスが実は困っていて「エンビードがアウトサイドを追いかけなければいけない」ことが増えています。サイブルやシモンズが欲しい。

そのサイブルが出てくると、シアカムのドライブキックアウトに対して、自分のマークを捨ててアチュワへのパスをカット。これこれ。これが足りない。しかし、オフェンスではレイアップをエアボール。これでサイブルはニヤングと交代。そのサイブルもブーイングされ始めたのかな?

3Q最後はアヌノビーのドリブルをマキシーがバックファイアで奪うと、コーナーからのドライブを決めて75-66と9点差にして終わります。3Qだけみると21ー25なのでロースコアなのは変わらず。どっちもシュートミスが多い。エースがなかなか決めらず、オフェンスパターンが封じられています。

◎3Pとドライブ

マキシーがまたもドライブを決めますが、ハーデンはワイドオープン3Pをミス。やっぱりブーイングされているよね。どうしよ。ハーデンはベンチに下げてマキシーアタックに切り替えようか。エンビードも戻りますが、こちらも3Pをミス。さすがにブーイングはされません。トバイアスのドライブを危うくエンビードが止めそうになりますが、無事にねじこみ、オフェンスはそこそこ。

ところが、今度はシアカムにスピードで切り裂かれ、トランジションを連打され、やっぱり取り返されてしまいます。スピード負けなんだよね。

シクサーズはやっとゾーンにします。エンビードを真ん中に置いているので、あとは外を追いかければOKじゃん。試合開始からずっとこれでもいいくらいなんだけどね。しかし、シアカムがマキシー相手に高さのミドルを決めると、ヤングもマキシーを押し込むポストアップからアチュワにアシスト。ヤングはエンビード相手にも強引に仕掛けてファールドロー。フリースロー外したけど。

ヤングが活躍しているじゃん。って思ったらゲーム3までトータルで3点だったらしい。それがゲーム4で13点5アシスト。急に戦力になってきたヤング。明らかにエンビード対策はヤングが一番機能しています。

残り6分。ここで遂にハーデンが3Pをヒットし、シアカムのドライブはエンビードのブロックが止めます。マキシーのスピードが再び得点を生み出しますが、ディフェンスは止めそうなのにファールだらけ。最後の一手がガマンできていないので、9点差までしか縮まりません。

すると、コーナーでフリーになったダニーが、ここにきて長すぎてエアボール。次のコーナー3Pは短すぎ。本日、唯一頼りになるシューターのリズムが乱れると、アヌノビーの3Pで再び12点差です。

〇3P
シクサーズ 10/37
ラプターズ 8/31

どっちも決まりませんでした。だからディフェンスも振り回されなかったのかもしれません。シクサーズは4本がダニーだったけど、うち3本が前半だったので苦しくなった後半です。

残り3分半。時間を使うラプターズはインサイドに詰めてからバーンズのパスアウトでトレントが3Pをヒット。ハーデンも3Pを返しますが、トバイアスのドライブはアチュワがブロック。マキシーの3Pが外れると、そこにシクサーズは誰もオフェンスリバウンドにいかず、アヌノビーのダンクで試合が終わったのでした。

10点差を追いかける方がリバウンドに参加しなかった。これはもう集中力というか、ヤル気というか、シュートばかりを意識しすぎというか。誰かシモンズ呼んできて!

◎ゲーム3がね

ラプターズは3連敗からの連勝ですが、問題はゲーム3だったよね。あそこで逆転されていなければ、これで王手だったわけです。両チームに差はないけど、差がないからこそ、勝つべき試合を逃したラプターズであり、接戦を勝ち切ったシクサーズが優位ってことだ。

「3連勝は出来すぎ」と感じさせるゲーム5でもありました。別にラプターズはシュートが決まりまくったわけでも、ディフェンスが機能しまくったわけでもなく、なんか普通にやったら普通に勝った。シクサーズの方がテンション上げられなかったことも含めて「どうせ勝てるだろ」みたいな空気に支配されたね。

特に2Qの初めがリバーズの油断って感じです。HCもそんな空気で入ってしまったんだろうね。そしてサイブルを使いにくくなってしまったのもどうなのか。この展開ならサイブルでハイプレスだと思うけど、それよりもシュートが決まることを選んでしまいました。短絡的というか、エナジーのなさを解決するにはどうすればいいのかね。

それにしてもハーデン。こういうロースコアの展開を個人技で救ってくれないならば、なんのためのハーデンなのか。シモンズが試合に出ていなかったから、ハーデンがいるだけでプラスではあるけど、プレーオフでシュートを決めて欲しくて、セスやドラモンドも放出したのにね。

はたしてラプターズの4連勝はあるのか。このエナジーの雰囲気だと、そんな奇跡的な展開も期待したくなるよ。シクサーズはゲーム6に何かしら自分たちから変化する手法が残っているのかな。ハーデンが頑張れば、それでいいんだけど、頑張る気あるのかな。

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