ゲーム4
「一番、得点力が高い選手をシックスマンにしろ」という理論が正しいと思う今日この頃。図らずもカリーがシックスマンになっているウォリアーズが3連勝中です。得点力の高い選手を中心に構築すると、個人技頼みの戦術になりがちです。ネッツみたいな。1人でも点を取れるならベンチスタートにして、優秀な5人が絡むチームオフェンスと、個人技アタックを作った方が強そうじゃん。
それをやっているのはヤニスをセカンドユニットに混ぜるバックスだったりしてさ。だからといってヨキッチみたいなプレーメイカーをシックスマンにするのは違うよ。そしてヨキッチに得点仕事を回しすぎのナゲッツです。
◎チェイス
試合は開始40秒でヨキッチに目付きをしたドレイモンドとアーロン・ゴードンが揉めてテクニカル。ヨキッチは目が真っ赤になっています。
しかし、そのヨキッチのアタックで点を取っていくナゲッツ。スティールから速攻になってもフィニッシュはヨキッチ。うーん、それはダメだって。ボール運びをしたヨキッチが、そのままルーニーと1on1して決めるしさ。モリスのドライブキックアウトでワイドオープンになったゴードンだけど3P外すのでリバウンドもヨキッチ。仕事多過ぎ。
それでもディフェンスが良ければいいのですが、ビックリするくらい守れないナゲッツ。プールの担当がゴードンで、そこそこ止めてはいるんだけど、スピードについていけないので、チーム全体が動く必要があります。やっぱりガードのエースキラーが足りない。誰かKCPつれてきて!
ナゲッツはローテディフェンスがしっかりしているチームなので、その場の判断でマークを捨てても、次のカバーがしっかりと来ます。その代わりリムプロテクト能力は低い。そして今の問題はウォリアーズのボールムーブに対して手を出せていない事です。多分、セルツあたりだとボールを回すことを阻害するぜ。
ウォリアーズは単なるシュート力よりも、シューターが動き回って、ボールはもっと動く状態の方が脅威です。シュートは入る時も入らない時もあるけど、ボールが自由に回るなら何度も打つことが出来ます。シュートチャンスを減らすディフェンスが出来ていないナゲッツには厳しい。
そして5分くらい追いかけたらカリーが出てくるんだもん。こっからが本番のチェイスです。お疲れちゃん。でも、カリーがミスショットしてくれるので助かっています。助かっているだけ。
ナゲッツのガードディフェンスといえば、期待のルーキー・ハイランドがいますが、何故かカリーの担当はリバース。ハイランドはペイトンの担当なので、ここら辺もイマイチさ。リバースが悪いんじゃなくて、だったらクレイの時にハイランド使っておけばいいのに。
しかし、とにかく外してくれるウォリアーズ。イグダラもOPJも外すので、残り3分になっても17-16とロースコアです。
そこからヨキッチが連続3Pをヒット。うーん、ウォリアーズはマンマークを強くいきますが、その代わりにヨキッチのアウトサイドまでは追いかけない作戦です。だから空くので打ったよ。他の選手は空かない。一応、作戦通りの守り方なので、ヨキッチを止めるのは諦めているね。
しかし、最後はカリーがステップバック3Pを返して1Qは26-21とナゲッツの5点リードで終わります。負けたら終わりのナゲッツが必死のチェイスをみせたのですが、だからこそ「ここまで必死に追いかけても崩されている構図は変わらない」印象もありました。もっと動き出しのコースを止めないと難しいよね。
◎裏目
2Qのスタートにプールとクレイがいるウォリアーズ。なんじゃそりゃ。スターターの得点源が2人とも出ているって変なローテだし、これが出来るのが強すぎる。ヨキッチの代役にカズンズを用意して頑張っているナゲッツがバカみたいだ。そのカズンズが逆サイドへのキックアウトで3Pを打たせれば、パワーでクミンガとイグダラを突っ切っての&ワンと高さで押していくよ。ハイランドの3Pで13点差に。
今日はとにかくプールが追い掛け回されます。スターターならドレイモンドがボールを持って、クレイとプールが動いてパスを貰うわけですが、この時間はPG役がいないので、ハンドラープレーも増えてしまい、少しずつボールムーブが減っていきます。
プールがハンドラープレーで見事なドライブを決めるも、ハイランドはクイックハンドリングからのステップバック3Pを決めると、さらにディープ3Pをヒット。3連続3Pでリードを広げていきます。ボーンズ!
面白いことにウォリアーズディフェンスは高さに苦しむのはともかく、スピードで振り回すガードに苦戦しています。クレイは良いディフェンダーではあるものの、チームとしてはハイランドタイプに弱いのか。その後もカズンズの高さ押しに、ハイランドのドライブから合わせてきたゴードンが決まります。振り回されていくウォリアーズディフェンス。
カリーのドライブレイアップに、クレイのバックドア
そしてハイランドのドライブパスアウト。両チームがガードを止められずに苦しみます。
そして、ここから急激にディフェンスが崩壊します。両チームね。崩壊というか、トランジションだらけになって、ただただやりあいます。そしてやりあうのはウォリアーズの流れ。何故かエルボーで吹っ飛ばしたのにノーコールのウィギンズだったり、クソパスを出しておきながら戻らないリバースだったり、選手もレフリーもよくわからないゾーンに突入します。
もう1つ重要なのは、トランジションの中でワイドオープン3Pを打っていくと、決まらないナゲッツと決まるウォリアーズになってしまうので、必然的にシュート力の差が出てきます。あっという間に8点差に縮めたウォリアーズ。
タイムアウトのナゲッツに対して、ディフェンスをゾーンに変えます。相手がタイムアウトとったらディフェンス変更は今シーズン多いですが、これで落ち着いたオフェンスになってしまい逆に3Pを決められてしまいます。
さらにゴードンのプレゼントパスをカリーがスティールして速攻に行くのですが、これをモリスに取り返され、カウンターで逆にゴードンに3Pを決められてしまいます。ナゲッツのタイムアウトが成功したといえば聞こえはいいですが、どっちかというとウォリアーズが変化して損した感じです。
さらにモリスの3Pに対してプールがファール。なんかよくわからない前半になってきました。展開が早くなって両チームにフリーが生まれやすくなって、ウォリアーズにメリットがあると思ったら、ウォリアーズが追いかけられなくなってきた。
それでも2Q終盤はナゲッツディフェンスが完全に追い切れなくなります。バックドア系のプレーが決まりまくり、オフボールでカットしたら誰もついてこなかったり。堪らず残り1分でハイランドが戻ってくると、見事にプールの速攻を奪われてカウンターを食らうオマケもついて、63-52と11点ビハインドで前半が終わります。
なお、残り0.6秒マイボールでクレイを戻したら、まさかのオフェンスファール。しかも4つ目となり、なんだか采配がことごどく裏目にでた前半でした。采配が悪いわけじゃないよ。裏目に出ただけだよ。
◎ペースアップ
前半を考えるとナゲッツはスピードを止めたいわけで、もっとスローダウンしないといけません。でも、完全にウォリアーズのペースで試合がすすんでいます。ところが、その展開の速さの中でハイランドが躍動してしまいました。ってことは、ウォリアーズは継続でいいよね。ハイランドよりもカリーの方が確率いいでしょ。
ナゲッツはマンマークのチェイスよりも、スイッチを使って受け渡すことに変更しました。ヨキッチ以外はスイッチOKにしたわけですが、それがクレイのディープ3Pを生んでしまいます。まぁわかりやすいね。ただ、それ以外は上手く守れていて、プールにトランジションでの3Pを食らったくらいです。あぁあとジェフ・グリーンの凡ミスもあったな。
しかし、このクレイが決めすぎました。次々に3Pを決めていくので得点が増えるだけでなくペースアップ。ナゲッツがタイムアウトをとると、ここでカリー投入し、3シューター+ウィギンズとドレイモンドにします。もう走りまくり決定です。勝負を仕掛けてきたスティーブ・カー。
ところが、ヨキッチとモリスに3Pを決められて離された挙句、ゴール下のゴードンにプールがファールしてしまいます。外・外・中をやられ、そしてまたもモリスの3Pです。どうやら今日はスティーブ・カーの日ではないようです。
〇3QのFG
ウォリアーズ 57%
ナゲッツ 61%
お互いに3Pも55%以上決まり、異様にペースアップしていきました。その意味ではカーの狙い通りなのかもしれません。ただ、メリットは打ち出せなかった。そしてよくわからないファールも、何故かノーファールも増えていくので、見ていると疲れてきました。レフリーは大変だなぁ。4人に増やそうか。
ヨキッチのインサイドプレーに、カリーのバックドア。もうお互いの「止めるべきプレー」にも反応できなくなっています。ハーフラインでルーズボールをとったカリーはトラベリング。カリーちゃんが、そんなミスしてしまったら、他の選手のミスを責められないよ。ハイペースすぎて選手も大変だ。
今度はドレイモンドがクレイの頭にパスをぶつけます。もう何が何だか。文句をいわないクレイ。日本では20歳の若者にレフリーがケンカ売りに行くのにね。
さて、残り1分半。ウォリアーズはカリーがトランジションのディープ3Pでビハインドを6点にします。やっと走力が行き始めたか・・・ってところでヨキッチがハイアーチミドル。ハイランドの3Pは外れ、リバースがボールのない所でカリーにファール。ところがカリーはフリースリーを1本ミス。なんと、この試合4本目のミス。
そんなわけで98ー89とハイスコアゲームになったわけですが、やっぱりウォリアーズのペースに見えて、得点はそういう風に動きませんでした。ナゲッツの高確率が試合を壊さなかった。4年くらい前はハイペースこそナゲッツだったのですが、今のナゲッツは苦しそう。それでも粘れるから、プレーオフに出ているんだよね。
◎アー疲れた
4Qもカリー、クレイ、プールを並べているウォリアーズ。もうちょっと休ませないと意味がないような・・・。カリーがスピードで抜け出すプレーを連発し違いを作っていきます。カリーだけでいいような。カリーはサイドに流れながらの3P&ワン。4点プレーを完成させます。
意外とヨキッチを休ませるナゲッツは、完全にハイランドのチームになっていますが、リバースが足を滑らせてターンオーバー。ジャマイカルがオフェンスファール。それでもカズンズがパワープレーで&ワンと気を吐きます。フリースローは決まらないけどさ。2Qと似たような展開。
イグダラが必死にカズンズを守ろうとするもターンからのフェイダウェイをヒットするカズンズ。さらにハイランドがクレイ相手の1on1でぶっちぎって再び10点差にします。もうハイランドとカズンズのチームみたい。
タイムアウト中もナゲッツはロッキーが後ろ向きでのハーフコートシュートをヒット
〇カズンズ
10点
FG3/3
4リバウンド
2アシスト
4ファール
仕事をしたカズンズ。なお、仕事はしたけど4ファールだし、この役割がハマっていると思うんだよね。スターターだと厳しいので、来シーズンも残ればいいのにな。
ヨキッチとゴードンが戻ってくるとハイローでゴードンが&ワン。クレイは5つ目。なぜか、ここの対処を拒否するスティーブ・カー。OPJやビエリッツァ、クミンガでいいんだけど、意地のように交代しないね。もうトランジションゲームしか考えていないんだろうな。
ただ、ウォリアーズはゴール下への収縮が早いのも事実で、それでいてゴードンはドリブルをドレイモンドの足に当ててしまうような感じなので、少しでもパスが乱れればって感じでもあります。普通にやってもヨキッチは止められないから「肉を切らせて」なんだろうけど、ゴードンに切られると厳しいよね。
それでも残り6分、クレイの3Pで7点差。オフェンスはなんとかなるから、あとは守れるかどうか。しかし、モリスがミドル。カリーはリバースをイージーに抜いてレイアップ。なんでそんなにリバースが好きなのかマイク・マローンよ。今日の流れはハイランドだろ。ナゲッツも守れそうにない形を採用するので点の取り合いは続きます。
ドレイモンドのパスからウィギンズのダンクで5点差。なんかもうマレーとMPJの方がディフェンスが良い選手の気がしてきた。ウォリアーズが3人走っているのに、ヨキッチしか戻っていないとかさ。終盤になってハイペースの成果が出てきたのか。
残り3分。もうナゲッツはタイムアウトが1つしか残っていません。ウォリアーズは2つ。このまま走り続けるしかないのか。ヨキッチが見事なポストムーブを決めるも、カリーのドライブについていけずバートンがファールして3点差。
ここでゾーンにするウォリアーズ。ヨキッチから見事なパスがゴードンに通りますがダンクをブロックされます。そして逆にウィギンズのダンクで1点差。再びヨキッチからゴードンに見事なパスが通るもスティール・・・されたかと思いきやドレイモンドのファールです。これが6つ目で退場。なんか叫んでるけど、多分今日は10個ぐらいファールしていたよ。どっちのチームも見逃されまくり。
あっさりとスイッチしてしまったゴードンにより、カリーはvsヨキッチのアイソ。もちろんイージーに抜いてレイアップに行くと、ゴードンがファールします。でも、これカリーのエルボーがはいっていたのでオフェンスファールだろうね。もうチャレンジがないので&ワンとなりました。ってことで、ウォリアーズは土壇場でスピード差が結果になりました。
さらに同じ形でヨキッチを引き出すカリー。やっと「スイッチしちゃダメか」と気が付いたゴードンはダブルチームに行きますが、既に遅くてプルアップ3Pで逆転のカリー。しかし、簡単にゴール下を返したヨキッチで同点。
ウォリアーズはクレイの3P⇒ミス⇒ウィギンズのプットバック⇒ミス。上手くいかなかったところで、モリスのドライブフローターが決まり残り30秒で2点リード。この時、モリスにスクリーンに行ったヨキッチのマークをしていたルーニーはスイッチせずにヨキッチ優先して抜かれました。まぁでも、この判断はこれで正解なんじゃないかな。カリーを捨てたゴードンとヨキッチを優先したルーニーの判断は逆だったね。どっちも失敗したけどさ。
ヨキッチを下げてディフェンスに行くナゲッツ。スローインをロブパスにしてウィギンズに入れると、これに触ったリバース。最後に仕事すんのかい。これは残念ながらゲーム5も起用されるな。
決めれば勝ちだけど、タイムアウトは1つしかないナゲッツ。そのタイムアウトをコールし、ヨキッチを投入するマイク・マローン。マジか。ボールはモリスへ。残り7秒から動くとツーメンゲームでヨキッチへ。ドライブしたヨキッチは迷うことなくコーナーのバートンへパスアウトすると、見事に3Pをヒットしたバートン。
長かった試合は126-121というハイスコアゲームで、なんとかナゲッツが1勝目を手にしたのでした。
◎難しいかな
はい、まぁ、長い試合でした。揉めるし、リプレー多いし、チャレンジは両チームが成功するし。
ハイペースの試合は派手な打ち合いでしたが、いまいち面白みに欠けたよ。セルツとネッツのジリジリをみていると戦略の戦いですが、こっちは戦略をぶちやぶるハイペースとヨキッチでした。どうみてもウォリアーズの流れでしたが、それを超えてしまえるのもナゲッツの強みです。
とはいえ、やっぱりこうしてハイペースを打ち勝つならMPJが欲しいよね。スモールでスピード重視のウォリアーズに対して、一応、ナゲッツはヨキッチとゴードンのハイローという鉄板プレーがあるのですが、ここでのゴードンの成功率の低さが頭が痛い。ジャマイカルの方が確実な気がするのですが、それはディフェンス事情がそうも許さないのか。っていうほど守れていないけどさ。
〇モンテ・モリス
24点
3P5/7
〇ボーンズ・ハイランド
15点
3P3/6
7アシスト
今日はPG2人がスプラッシュに負けず劣らず高確率で決めてくれました。決めてくれてギリギリの勝利かよ。ってことで、シリーズ逆転するには、この戦い方していたら難しいと思うよ。マレーがいればスローダウンの高確率ミドルって選択肢もあるんですけどね。
〇ファール
ウォリアーズ 27
ナゲッツ 31
〇フリースロー
ウォリアーズ 32
ナゲッツ 36
そんでファールが多い。でもこれ、レフリーが異常にコールしたわけではなく、むしろ見逃しも多かったくらいです。純粋にファールが多い。サンズと戦ったら水と油みたいになりそうなウォリアーズ。うーん、ナゲッツがついてこれないからいいけど、これはどうなんだろうね。
そして、こんなにハイペースの試合にするなら、主力をもっと休ませればいいのにプレータイムを長くしたスティーブ・カー。特にカリーはベンチから出てきて37分のプレータイムです。ルー・ウィリアムスもビックリだわ。これなら普通にスターターにして、前後半とも休憩を入れてあげるべきだと思うわけです。まぁ疲れも感じさせず、終盤にシュート決めていたけどさ。
ってことで、カリーはスターターに戻りそうですね。そうしないと休養なしが増えてしまうよ。勝っているなら変えないけど、負けたからタイミングよくローテ変更かな。そんなゲーム4でした。