プレーイン⑤キャブスvsホークス

ビッグマンを多く使うキャブスですが、ホークスにはカペラがいるため、むしろインサイドのイニシアチブをとるのはホークス側だと予想していましたが、まさかのジャレット・アレン復帰によって、ホークスにとってはいろいろと計算が狂うスタートになりました。

◎本来のキャブス

ルバートのドライブキックアウトからモブリーのコーナー3P、ガーランドのパスアウトからマルカネンの3P、ハイポストのアレンからカットしてきたモブリーのアリウープダンク。

キャブスはわかりやすくガーランド、ルバート、アレンの3人がディフェンスを崩し、マルカネンとモブリーがフィニッシュする本来の形が帰ってきました。アレンがいないとモブリーとマルカネンの仕事が増えてしまい、少しバランスが悪くなっていたので、しっかりとスペーシングされたことも含めてポジティブな変化です。

そしてハンターがドライブしても分厚いカバーでペイント内の得点を許さず。スピードのミスマッチは生まれてもカバーリングの強みを生かしていきました。カペラはインサイドでボールを貰うと上手いパスアウトを見せましたが、3Pが決まらなかったこともあって先手を取ったキャブス。ディフェンスはペイント内の強さを、オフェンスはそこから外で決める強みを。

一方でマッチアップの関係上、どうしてもガーランドを担当する必要が出てしまったヤング。それはディフェンスをサボれないって事なので、そこそこ大きな変化なのですが、序盤はマルカネンが連続3Pを決めてくれるので敢えてガーランドが行く必要もなかったし、いったらレイアップ外したし。そのうちアレンが下がってオコロが出てきたらヤングはオコロ担当に変更しましたよ。

しかし、それが裏目に出たのか、ガーランドがプルアップ3Pをヒット。続けてマルカネンのパスアウトからルバートのコーナー3P。それまで3P担当だったマルカネンがインサイドにいるので完全に的を絞れていないホークスディフェンス。そして3P6/7と当てまくったキャブスです。ちなみにネッツ戦は1/8のスタートだったらしいよ。

26-14とリードしたところで、アーリータイムアウトをコールしたマクミラン。その早い判断は、あまりにも打たれ過ぎている事に対して、具体的なアクションが足りていないって事でしょう。

そんなわけで、ここから3Pが打ちにくくなったキャブスは当然ドライブで崩しに行くのですが、ファールドローこそあったけど、そこまで上手くいきません。2分もするとキャブス側がタイムアウトなので、明らかにディフェンスの変化に戸惑ってしまいました。なお、この時間帯はロンドとラブが出ていたのでネッツ戦のようにベテランらしさが欲しかったわけですが、そんな簡単じゃなかった。

ヤングにマークされているロンドですが攻め手を欠き崩せません。なのでガーランドにスクリーンに行ってスピードでぶち抜かせます。見事なスピンからフィニッシュすれば、レイアップを外したのをアレンが押し込んでくれて得点が繋がったキャブス。さらにヤングの演技にひっかからずターンオーバーにさせると、アレンのハンマーダンクが決まり、1Qは36-25と11点リードします。

3Pが当たりまくったことがリードの要因ではありますが、シーズン最後のネッツ戦も、プレーインのネッツ戦も1Qに大きなビハインドを負ったことを考えれば、キャブスとしては反省を生かした立ち上がりになりました。上手くいったぜ。

◎通常営業

ホークスの方は普通にオフェンスを展開できていましたが、ホーネッツ戦で当たったハンターがブレーキ要因になってしまい苦しみました。ワイドオープン3Pが決まらず、ドライブも中途半端になってしまったよ。そこを除けば悪くない展開でした。全てが上手くいくことはないから許容範囲ですね。1年前なら慌てていたかもしれないけど、そこは経験があるじゃん。

ナッシュならエースをずっと出しそうな展開ですが、二桁ビハインドでもベンチメンバーにしておけるのが経験値。ところが2Q序盤は走られてしまいます。オフェンスもアウトサイドが決まらないので、中を固めているキャブスが機能してしまったよ。

それでも明確に勝てるポイントがあって、ガリナリvsラブが相手にならないほどイージー。去年もベンチは局地戦って感じだったのですが、ガリナリの強みを使っていきます。さらにアレンからスティールしたボグダノビッチがトランジションでラブとコンタクトしての&ワン。これで点差は一桁になります。

早々にアレン以外はスターターになったキャブスはガーランドのドライブに、ラブの3Pで再び突き放しますが、変わらずベンチメンバー中心のホークス。デロン・ライトのドライブにボグダノビッチの3Pで対抗し、ベンチメンバーの質では明確に上回っていることを示しました。

このままスターターで追い付けば完璧でしたが、ガーランドのフロップ気味の動きにレフリーがコールしてしまったり、肝心のヤングがシュートを全てミスしたり。ボグダノビッチは3Pを決め、ハーターはトランジションからのフローターと続いたので離されはしないけど、なかなか追いつけません。

キャブスはガーランドのミドルにアレンのダンク。そしてモブリーとマルカネンのブロックショット。カウンターからモブリーのアリウープも決まって、流れに乗りますが、ただ1Qのようには3Pが決まりませんでした。

それでも残り1分半でマルカネンが5本目の3Pをヒットし、続けてルバートもガーランドのパスから3Pをヒット。最後までオフェンスの形が崩れないキャブスがみれました。やっぱりマルカネンは外にいた方がいいし、インサイドで負けないってのも大事。

残り30秒でダンクに行くモブリーをファールで止めたカペラ。ところが後ろに倒れてきたモブリーをかわさなかったので、ひざにモブリーの体重がモロにのってしまい、コーチ陣に肩を借りながらロッカーに戻ることに。しかもフレグラントファールだしさ。それは自分の責任だったカペラ。

前半は61-51でキャブスが10点リードでした。リードしているキャブスの方が主力を長く起用していることからも、ホークスが許容範囲のビハインドと見ていた面もあります。その一方でアレンが戻ってきたキャブスの戦い方に戸惑っていたよう一面もありました。特にオフェンス面は外が決まらないと厳しいのは明らかだったね。

◎最後に勝つには

カペラのところにはオコング。よりスピードのある構成になりました。こないだも書いたけど、オコングって去年のシクサーズ戦はガチガチで、エンビードにタジタジだったのに、ゲーム5くらいから正面から対抗し始めたんだよね。ってことで、経験値があるので恐れることなくアレンに向かっていきます。

一方のキャブスもいよいよ慣れてきたかモブリーが1on1から、きれいなミドルをヒット。ディフェンスはガリナリなので、これを決められると止められなくなるね。そしてアレンのスクリーンでフリーになったガーランドの3P・・・はハーターのファールが先だったのでノーカウントでしたが、形が出来ているキャブス。

ワンゲームプレーインは反対なんだけど、試合数をこなせば実力を発揮するようになってくるよね。ガーランドのドライブからアレンへのアリウープも決まれば、同じ形からガーランドのフローターもきまって、シーズンで良かったころのキャブスに戻ってきました。ハンターのトランジションダンクも危機一髪のところでモブリーがチェイスダウンブロック。

そろそろギアをあげたいホークスですが、ハーターが4ファールになって下がります。でも代役もボグダノビッチだからなぁ。カペラもコリンズもいないのにオコングとガリナリで頑張れているし、なんで9位なんだろ。

ハンターのディフェンスローテミスでオコロのダンク&ワンで再び10点差。いつまでも焦らずにプレーできるわけではないぞ。1試合負けたら終わりなんだ。せっかくガーランドにタフ3Pを打たせてもマルカネンがプットバック。インサイドのイニシアチブもキャブスなので勝利も見えてきたかな。

残り3分。一回休んで戻ってきたガリナリが3Pをヒット。ガーランドに対するディフェンスを強めると、フロントチェンジにミスしてダブルドリブル。タイムアウトを挟んでヤングが簡単に抜けてレイアップを決めると、ガーランドはハンドルミスでターンオーバー。

そしてディープ3Pを決めるヤングで逆転。あらら。あっという間に逆転させてしまった。その間にガーランドのミスだったから、余計にヤングが際立っている。

ルバートに3Pを返されても、またヤングがディープ3P。再びルバートが3Pで戻すと、アレンに飛び込んであからさまなファールドローするヤング。うざい。それでもガーランドがプルアップ3Pをヒット。エース同士のやりあいとなった3Q終盤。最後もヤングがドライブファールドローでした。3Pの分だけキャブスが2点リードしたものの、最後に勝つために大事なのはスーパースターであることを示すような終わり方でした。

◎エースというもの

3Qから休まないガーランド。やっぱり休むヤング。なお、ホークスで忙しいのはガリナリの方です。この時間は再びエースの仕事を求められるわけですが、ルバートがハードなマークで自由を奪います。引き続き集中力の高いキャブスですが、ちょっとアレンが限界になってきたか、凡ミスみたいなパスをだして危なくターンオーバー仕掛けています。久しぶりの試合で30分以上プレーするんだもんね。

前半にガリナリにやられたイメージが悪いのか、ラブを使いにくそうにしているキャブス。ガリナリは忙しくなったけど、キャブスのビッグマンも忙しくなったよ。そのガリナリがファールドローのフリースローを決めて同点。早めに戻ってきたヤングのトランジションフローターで2点リードにします。

アレンが出ない前提で考えた時、ヤングのマークをできるオコロの存在はアドバンテージだと考えていました。ガーランドを守れる選手はいないからね。だからオコロの頑張り所なのですが、ガーランドがデロン・ライトに苦労していたので、むしろホークスの方がアドバンテージになり始めました。スイッチさせてもオコングが付いてくるのでエアボールになってしまったガーランド。まぁオコングはダンクの前にトラベリングしたけどさ。

そしてヤングはスイッチ誘導からマルカネンを引き出してドライブ。ライトがガーランドを止めると、またマルカネンを引き出してステップバックミドルを決めるヤング。

マルカネンにマークされているガリナリがスクリーンに行くのを見て、モブリーがオフボールスイッチで対応しますが、結局はそのモブリーにマークされていたボグダノビッチの3Pになって9点差まで広がります。流れが完璧すぎた。

キャブスはガーランドとモブリーで反撃すると、マルカネンが6本目の3Pをヒット。あっという間に点差を縮めます。逆にガリナリとヤングが外したホークス。追い詰めたと思ったのに、簡単には引き下がってくれなかったキャブス。そうこないとね。

残り4分。またもマルカネン狙いのヤングがドライブフローター。ちょっと対処方法を見つけられておらず、ルバートが「あれっどうするの」っていうポジショニングでした。だったら襲い掛かってパスさせるのが正解だよ。それでもガーランドのパスからモブリーのダンクで取り返すキャブス。

タイムアウトのホークスですが、あっさりと3Pを決めるヤング。どうなってんだお前は。しかも、おそらく対策を考えていたであろうキャブスディフェンスに対して、スイッチも何もさせずに、マッチアップのルバートのまま打ちやがった。次はマルカネン狙いでダブルチームが来たのでシンプルにパスアウトするも、ハーターの3Pは決まらず。

ホークスはガーランドにハーターが張り付きます。スクリーンが来ても頑張って追いかけさせる。それでもステップバックミドルを返すガーランド。エースでイケるキャブスと、それは難しそうなホークスという構図に変わりました。そしてガーランドのドライブにカバーがきたからモブリーに合わせてファールドロー。残り1分半で100ー99の1点差。

ここでガリナリを戻すホークスなのですが、ハンターを下げます。マンマーク担当を捨ててたぜ。

ダブルチームをものともせずスピードで抜け出したヤングがフローター。上手すぎだろ。一方でルバートのドライブに3人来たのでモブリーへのアリウープを選択しますが、これに反応するオコングが止めます。ヘルプに来たのにアリウープパスに反応するのかよ。

再びヤングにダブルチームに行くアレン。パスを促すとガリナリへ。マッチアップはガーランドだったので押し込んでヘルプが来たところでパスを出したガリナリですが、これを飛んできたマルカネンがスティール。狙われていた男が執念で取り返した・・・のですが、ガーランドへパスをしたのをハーターに奪い返されてしまいます。

するとディフェンスの崩れた状態でボールを持ったヤングがアタックしてファールで止められ、残り24秒で5点リードに。ガリナリ⇒ハンターでディフェンス重視に変更のマクミラン。ついでにヤングも下げます。あとは守ればいいや。

スローインを受けたガーランドが3Pを狙うも外れ、リバウンドのモブリーも押し込めず。両エースが外したことでキャブスのシーズンは終わったのでした。まぁ仕方がないさ。

〇後半のヤング
32点
FG10/14
5アシスト
0ターンオーバー

どうしろってんだ!?

このパフォーマンスをされたら全チームがお手上げだったと思います。カペラもいなくなって厳しいインサイドだったけど、だからこそ集中力をあげてしまうスーパースターっぷりを嫌というほど見せつけてきたアイス・トレ。ちょっとどうしようもなかった。マジで。キャブスは運が悪かった。

ネッツとの試合は明確な経験不足による緊張がありましたが、それがなければ・・・アレンがいれば・・・というのを見事にリカバリーしてきた試合でした。ガーランドはFG9/27ではありますが、それはマークが集中する選手の宿命だし、いっても終盤はアシストも含めて決めていたよ。ただヤングが凄すぎた。

また来年頑張りましょう。グリズリーズのように、この経験を力に変えることが大切です。

◎帰ってきたホークス

うーん、シーズン前半のやる気のなさに比べて、高い集中力を維持していたホークス。一旦プレーオフに慣れてしまうと、元に戻れなかったのか何なのか。コリンズに続いてカペラもいなくなったのに、オコングも普通にプレーして助けてくれました。ゴーギー・ジェンも緊急出動をそつなくこなしていた。

第8シードのプレーじゃないんだよね。こんなに見事に落ち着いてプレーできてしまうのか。恐ろしいわ。

とはいえ、さすがに主力を欠いてのヒート戦は厳しいねぇ。ヒートはヤングが狙いたいマークマンも少ないので、よりチーム全体で決めていく必要があります。とかいって1人でも試合を決めてしまうのがヤング。再び快進撃を見せてくれるのでしょうか。

プレーイン⑤キャブスvsホークス” への2件のフィードバック

  1. お疲れ様です。
    キャブスは7戦戦わせてあげたかったですが、ホークス強かったですね。
    記事にもあるモブリーとマルカネンのオフボールスイッチもろとも攻略されたシーンが印象的でした。
    あと、ネッツ戦では奮闘していたラブが、きっちり弱点として利用されていたのが悲しかったです。

    ホークス側だと、ガロはミスマッチ製造機で本当に面白いですね。
    ウイング相手なら高さ生かしたポストアップ、ビッグマン相手ならアウトサイドシュートと両面でいけるのがあまりにも便利。
    ホークス移籍時にベンチ扱いでも構わないみたいなことを言っていて、自分は驚いた記憶があるのですが、今振り返るとすごくいいFA先だったのかなと思いました。

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