プレーイン①ネッツvsキャブス

2022/4/11

◎狙いは外すもの

ネッツのファーストオフェンスはカイリーがゴネゴネしてからセスに渡り、ドライブからドラモンドへのパスがディフェンスの背中に当たります。何しとんじゃ。

キャブスの方はポストでボールを持ったモブリーがプレッシャーでバランスを崩した後にドリブルして、ダブルドリブル。もっと何しとんじゃ。ってことで、お互いに緊張しているような立ち上がりです。

キャブスのディフェンスはオコロがデュラントに張り付きボールを持たせたくない形。自分たちのフロースローが決まるとゾーンへチェンジもしており、マークの受渡でデュラントへのパスコースを切りながらカバー要員も確保。徹底してデュラントを困らせたい形に見えます。

ということでオフェンスの狙いを封じ込められたネッツですが、そうなるとどうする?
答えは「ブルース・ブラウンの独壇場」です。ピック&ロールからのダイブ、ドライブ、コーナー3Pと空いている空間に飛び込んでは決めていくブルース。そこにピストンズコンビのドラモンドへの合わせも混じるから、守り切れないキャブス。

そのブルースはディフェンスでもガーランドを抑え込みます。1週間前はいなかったブルースに対処しきれないキャブス。ジャレット・アレンがいないことでミスマッチも生まれておらず、仕掛け所が足りていないぜ。マルカネンはデュラントにブロックされちゃったし、厳しいな。

それでも、何回かのオフェンスを経て気が付いたのが「ルバートがイージーじゃん」ってことでした。セスやカイリーにマークされているので、あっさりと突破しファールドローにアシスト。ガーランドもセス相手にドライブを決めており、リズムを掴み始めます。カイリーなんて棒立ちディフェンスしているぜ。

ということで、両チームが「ディフェンスを誰にフォーカスするか」を準備してきており、それ以外の選手で攻めていく事で成功しました。ネッツはブルースの有能性って感じで、キャブスは気が付くのが遅い。特にキャブスの方は初めにアドバンテージを取りに行く作戦を用意しておくべきだったね。

オフェンスでの働き口が少ないデュラントはディフェンスで奮闘し、そこからトランジションに持っていきます。だからデュラントも得点以外の部分で働ける万能性を示したわけだ。ブルースとデュラントの存在感が強く出た1Qでした。

残り3分からはブルースをPGにしてカイリーとデュラントをオフボールで動かしていく形に移行。先手先手のネッツ。らしくないぞ。的を絞れないキャブスディフェンスだし、それは外から打たれていくことにも繋がるので完全にネッツペースだね。

キャブスはスターター4人がプレーオフ未経験。その差が出てしまったかのようです。ベンチからラブが出てきて3Pをヒットしますが、ミルズにディープ3Pを決め返され、さらに残り0.7秒でクラクストンがミドルをヒット。40-20と圧倒して1Qが終わります。

うーん、1週間前の1Qにやられたキャブス。もっとスローダウンして良かったんだぜ。自分たちの持ち味を使えていないで大きなビハインドを負ってしまったのでした。

◎若手には厳しい制度

大量リードのため1Q終盤はカイリーを、2Q序盤はデュラントを休ませるネッツ。ファールトラブルに追い込むならともかく、この形で休ませてしまうってのは、それだけ試合後半にもエネルギーを残すことになります。ナッシュの采配を考えても酷使させて、後半に競り勝つのが好ましかっただけに、実はこの時点でキャブスにとってはマイナスです。ビハインドを追い上げるエネルギー+試合終盤にスーパースター対決に勝つ必要が出てしまった。

そんな状況の中でロンドとラブが奮闘します。特別なことは何もしておらず、普通にシュート打って、リバウンドに参加して、トランジションを仕掛けるだけ。それが足りなかったっていうキャブス。ルバートもドライブしたのにゴール下ミスしちゃうし、苦しいけれど、ラブは3Pで追い上げる。

開始4分半を2人で9点奪い、13点差になったところでデュラントが戻ってきます。つまりネッツは「デュラントいなくて点gな取れない」状況になっていました。カイリーがミドルをミドルを1本決めただけで、フリーにされたエドワーズがミスショットばかり。両チームとも経験値の低い若手が確実性を失っているわけです。キャブスだけじゃないよ。

そう考えるとプレーインって若手が不利な制度だよね。プレーオフなら2連敗しても3試合目までにアジャストして復活していればいいわけで、アイザイア・トーマス時代のセルツもロンドのいたブルズと戦った時はそんな感じだったよね。キャブスは下手すると2試合しか経験せずに去ることに・・・。
若い方が勝ったのは去年のグリズリーズくらいかな。そのグリズリーズは前年にブレイザーズに負けている。

ラブと交代したマルカネンがこの試合初めてのポストからターンシュートを決めます。キャブスの得意技なだけに、これがないのが苦しかった。ドラモンドがいない間に決めたけど、戻ってきてからのモブリーは外れてしまった。

しかし、ネッツもセスとミルズが連続でサイドラインを踏んでしまいます。どちらも点が入りにくい展開ですが、それこそがキャブスのペースだよね。8分もロンドを引っ張ったのですが、スローダウンしまくったので試合は重たくなってきました。

ガーランドのミドルは決まらず、カイリーはハンドリングミス。セスの3Pも外れて重たい中で決まったのはモブリーのダンク。こうやって重たくした中でインサイドプレーで加点するのがキャブスらしさ。・・・なんだけど、シーズン後半はガーランド中心に外から点取っていたんだよね。ってことで「ネッツの流れではないけど、キャブスも追い上げ切れない」ような2Qになりました。

残り2分半。キャブスがゾーンにしたところで、カイリーのドライブからドラモンドのダンク・・・が、エンドラインを踏んでいたドラモンド。ホームの試合でベテラン陣がライン踏みまくるっていうネッツ。

キャブスは狙い通りのトランジションアタックでラマー・スティーブンスが速攻を決めますが、続いていったルバートは何をするか迷ってのパスアウトを追いかけてきたセスに奪われます。弱気。迷い。鮮やかなプレーコールからガーランドがドライブしたのもレイアップミス。フリーのラマーもミドルをミス。

やっと決まったのはガーランドのドライブから(シュート打たず)ラマーが合わせての&ワン。つまりこれもペイント内ね。ネッツはセスが外しまくっていたけど、カイリーが3Pにミドル。それでも最後にガーランドが3Pを返すのですが、カイリーがブザービーターミドルを沈めるのでした。なんと前半はFG9/9でした。

そんなわけで経験値の差が出まくった前半。1Qにしっかりとスローダウンしていれば・・・、アレンでインサイドプレーを増やせれば・・・などなど、いろいろあるけれど、経験を積むしかないんだよね。57-43とネッツが大量リードです。

◎勝利よりも経験を

後半もデュラントから。というか、久しぶりのデュラント。前半はパスを振りまくっていましたが、ここでは4人に囲まれながら(チームメイトが誰も来なかったので)しっかりと決めきりました。

さらにネッツはブルースPGを続け、モブリーを外に引き出します。これはモブリーを「ヘルプ担当」と位置づけ、カイリーやデュラントへのカバーを意図しているキャブスに対して、ボール持っているブルースは無視できないという構図。そこからオフボールで動いたカイリーにボールが入るとディフェンスが乱れるので、空いたドラモンドのダンクが続きます。言葉にしていると難しいけど、要するにキャブスの守り方を逆手に取る修正をしてきたわけだ。

一方のキャブスは自信がないのか3Pを打ち切れないシーンが目立ちます。デュラントはマークマンを捨ててインサイドのモブリーへとヘルプに行き、そこでアウトサイドが空くんだけど打たないからモブリーが3秒オーバー。怒っているモブリー。やっと打ったマルカネンだけど決まらず、再び22点差になります。

なんかもうゲームオーバーな匂いがする後半開始3分です。

キャブスはデュラントへのカバーの意識はいいんだけど、それでブルースを空けちゃうから、多少ネッツがオフェンスに困っても、最後はブルースが空くんだよね。しかも前半にかなりやられていたのに、まだ続けちゃうのか。

もう誰かがステップアップするしかないじゃん。ロンドを投入したキャブスはガーランドとモブリーの個人技アタックを増やしてみます。前半の時点で分かっていたことはセスとカイリーのところから攻めればOKってことなので、ガーランドは少しずつ復調。でもドリブルしていてサイドラインを踏むミス。

モブリーはブルースに奪われてカウンターも食らうけど、インサイドに詰め切っての&ワンも出ます。なんか大事なことは「勝利よりも経験」にみえてきたぞ。ミスをしながらもアグレッシブに攻めるしかないんだ。まぁ決めるのはロンドなんだけどさ。3Pで気が付いたら14点差。どうやって詰めたかって言えばネッツのシュートミスさ。

一旦は19点差に引き離すネッツですが、デュラントがトップからマルカネンとの1on1を増やすと、そこからカウンターを食らいます。マルカネンが良く守った部分もあるし、デュラント1人がトップで他がエンドラインに行くので、次の展開が何もなかった。あとトランジションに戻るのがブルースしかいない。

そしてキャブスはまたもラブの3Pです。今日はロンドとラブになっているな。あぁルビオ。ここにきて恋しくなるとは。

残り20秒。デュラントがドライブダンクを決めるも、ロンドの突破からオスマンが合わせてファールドロー。85-73と12点差で3Qが終わります。ベテランの時間帯だったなぁ。でもミルズの3Pが決まらないから試合も決まらなかったような展開でした。

◎7戦シリーズが良い

前半同様にデュラントを休ませるのですが、ヤバそうだと感じたのか2分で戻ってきます。それよりもブルースがいないのでガーランドのスピードを止められず、ファールするしかないネッツ。ドラギッチが禁的パンチで止めているしさ。ブルースを徹底してガーランドに合わせれば良かったのに。

相手がデュラントでもフェイダウェイ3Pを決めるガーランド。とにかくオフボールで動いてスイッチさせて、ブルースを引き離して、他の選手相手なら関係なくアタックし始めました。ステップアップするのかガーランド。なんと点差は1ケタになります。なったらデュラントが3Pなんだけどさ。

4Qになり、さらに点差もあることで、やっと思い切りが出てきたか、マルカネンの3Pに続き、ガーランドも3Pと積極性が生まれ、ルバートのドライブレイアップも決まります。うーん、普通にカイリーとセスを狙えば、いくらでもドライブ出来ているのにね。

しかし、その積極性はオフェンスが軽くなるのでネッツにも流れが生まれてしまいます。例によって空いたスペースに飛び込むブルースにイージーシュートを打たれ、そのブルースのロブパスからクラクストン。カメラがブルースを頻繁に抜くようになっています。

しかし、そのブルースのフローターが外れると、戻っているのに守っていないネッツは、イージーにトランジションをマルカネンに決められ、モブリーにはゴール下ダンク。あー、マジでワンゲームなのが勿体ない。7試合シリーズなら、どっちが勝ったかわからんぞ。

あとはもうデュラントの仕事。ほぼアイソかブルースとのピック&ロールにして、時間を使っては打点の高いミドル。なんてことはなく逃げ切ることに成功したのでした。せめて1Qの大量リードがなければ、デュラントを酷使するナッシュにより、ここで困ってくれたかもしれないんだけどさ。

◎次の試合は

そんなわけでキャブスの若者たちの経験不足が目立ちました。ラブとロンドがカバーするべき奮闘したけど足りなかった。あと、もっと徹底してセスとカイリーを狙いまくれば良かったのに、それが出来ない戦力性もあったね。これはキャブスが抱えている問題だし、ビッカースタッフでは解決しない可能性が高いよ。

それでもポジティブに捉えれば、ガーランドもモブリーも貴重な経験を積めたので、次の試合はこんなことにはならないでしょう。そう考えるとネッツは7位シードを手に入れたのが勝因な気もします。

惜しむらくはジャレット・アレンだよね。ビッグマンがもう1枚いれば得意のポスト押し込みが増えたはず。ディフェンスの駆け引きも含めて、ちょっと足りなかったマルカネン&モブリーだった。それも経験か。

ネッツはブルースの偉大さを思い知る試合でした。ディフェンスしているのはブルースとデュラントの2人だけって噂もあるぜ。ビックリするくらい抜かれまくっていたんだよね。それかファールコールされてクレームするか。

まぁこれでなんとかプレーオフへ。で次はセルツなのね。それはそれはボストンでカイリーがボッコボコにされるのを楽しみにしましょう。久しぶりにデュラントvsブラウンのスーパーマッチアップがみれるといいな。

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