レイカーズvsペリカンズ

2022/4/1

プレーインの前哨戦です。数日前にも対戦していて、その時はペリカンズが勝っており、これによって順位が入れ替わりました。勝てないレイカーズですが、なんとこの試合でADが復帰。同時にいろんなことが入れ替わっており、驚きでもありました。

プレーインで戦う事も想定しての雑感スタイルでお送りします。なお、前半はちゃんと見ていないからでもあります。両チームの関係性を考えて行こうね。

◎ヴォーゲルの復帰

今シーズンのヴォーゲルの疑問はハワードがいてもビッグマン活用せず、スモールに拘ったことでした。AD不在時はスーパースモールで戦い続けてきたものです。ところがAD復帰してハワードと並べるツービッグにしてきました。どうしたんだい?

シンプルにTHTとリーブスがいないからかもしれません。真意は不明ですが1つ間違いないことはADが戻ってきても、他の選手が離脱しており、どうにもこうにもなっていないシーズンであること。健康の重要さを感じた昨シーズンのはずが、どうしてこんなに離脱者が多いのか。

またペリカンズはバランチューナスとヘイズを並べるツービッグのため、ヴォーゲルとしてもアジャストしやすかった事情もありそうです。終盤はハワード→スタンリーでしたが、ペリカンズの方はヘイズ⇒マーフィーだったので、マッチアップが噛み合った試合でもありました。

〇セカンドチャンス
レイカーズ 6
ペリカンズ 6

〇オフェンスリバウンド
レイカーズ 7
ペリカンズ 4

ペリカンズの高さに押し込まれることなく、リバウンドをキープしたのでツービッグは狙い通りだったと言えます。その一方でレイカーズ側もオフェンスリバウンドを奪えておらず、7つのうちガブリエル1人で4つ、ウエストブルックとモンクで3つなので、ツービッグの効果はゼロでした。

ディフェンス面の安定をもたらしてくれそうですが、連携の悪さは際立っており、オフェンス面での不安定さは何も変わっていませんでした。

要するにスモールでの戦いに慣れ切ったチームなので、突然の戦略変更についてこれなかった感じでした。まぁADが久々でガード陣が足りないんだから、こんなもんだろうけどね。これが5試合後だったらレイカーズが勝っていたかもしれません。そんな印象はあったよ。

◎3Pと未熟さと

トランジションでモンクが逆サイドのコーナーへパスを出したら、DJオーガスティンが45°で止まっているなど、なんともいえない連動性の悪さがあったレイカーズ。スタンリーは3つくらいのパスが繋がってコーナー3Pを打つシーンもあり、長くプレーしている選手は連携があって、短い選手に連携がない印象は強く出てしまいました。

これらの点を除いても、レブロン、ラス、ADの3人が並ぶチームとしてのマズさが散らばっており、そしてAD不在時の流れから起きた難しい判断も混じっていました。

ツービッグの時間帯はハワードがエンドライン担当で、ADはポジションを移していきます。久しぶり過ぎてADの動きの悪さもありましたが、それ以上に「ADしかポジション変更しない」という未熟さも出てしまいました。ブラッドリーはシューターポジションを動いてはいますが、全体の足は止まりがちで、リーブスの復帰が待たれます。

2年前を考えるとPGはPGだけど、カルーソあたりを投入するとポジションをトップから動かしていってコーナーシューターになりました。この動きをラスに求めるのは違うというか、求めてもいいんだけど、シーズン通して仕込んでいく動きなので、今日の試合でいきなりできるわけもなく。

「適正な距離感を保つ」というのも確立するまでに時間がかかっていたし、思えば昨シーズンだってレブロンとADのどっちかがいないとバランスが一気に崩れたし、総じてチームの連携を作っていく時間が足りませんでした。誰が悪いっていうか、ケガが悪い。それもロールプレイヤーも絡む話なので、なおさらね。

また、別の話として「キックアウト3Pを打ち切らない」という悪さもありました。レブロン、ラス、ADでアタックしながらキックアウトを打ち切れないと上手くいくわけがありません。

〇3Pアテンプト
レブロン、ラス、AD 6/14
その他 5/13

確率は良かったのですが、ロールプレイヤーたちで13本だとインサイドは狭くなってしまいますね。もっとシンプルに打ってほしかったわけですが、これらは特にレブロンかラスがベンチに座っている時間に打ってほしかった。かわりにレブロンとラスが打っているような状況でした。きびし。

ってことで、これらはロールプレイヤーの問題です。カーメロもいない試合だったので、単に選手が足りなかったけど、実は超スモールをやっていたときはドライブキックアウトの連続だったので、今日のような判断で良かったのに、AD戻ってきたらツービッグにもするからドライブしにくくなったので

AD復帰で主役もわき役も、やるべきことが大きく変わった試合

そんな印象があり、単に未熟だっただけのように見えます。1つひとつのポジショニングが悪いというよりは、ちょっとずつ噛み合っていなかった。シーズン終盤にしては微妙にパスがズレちゃったんだよね。プレーオフを戦うには厳しい。

◎レブロンアタック

38点
FG13/23
4アシスト

得点王レースを戦うキングは本日もアンストッパブルでした。でも、上記の3Pとあわせてアシストの少なさが気になりました。レブロンの場合は、もっと省エネでパスを回してシュートを打たせ、ディフェンスの隙が作られたところでアタックして点を取るスタイルだったのに、今はむしろ「出来る限り自分で点を取りに行く」スタイルになっています。

FG5/15と今日も外していたラスに対して、キングは決めまくってくれたので批判は出来ないのですが、どうもチーム全体のリズムが生み出せないのは、レブロンのパスの判断が悪いことにもありました。悪いっていうか「もう少しパスしてあげなよ」ってね。

ただ周囲のポジショニングも微妙に悪いし、そもそもラスとADにキックアウトするのは効果的ではないし。いずれにしても目の前の試合を勝つために奮闘しようとしている姿が、逆にチーム全体にリズムを生み出さない様子でした。

シーズン前半にチーム全体の連動性が作られ、その中で目の前の試合に勝つために個人技アタックを増やすのは効果的ですが、連動性がなくてアタックしていたので、試合終盤に失速してしまいました。勝負所のレブロンのアタックに対して、ペリカンズがファールコールされなかったシーンが多かったのも事実ですが、3人くらいに囲まれてでもシュートに行っていたのも事実。パスコースもなかったし、事前にパスでディフェンスを振り回してもいなかったからね。

そんなわけでADの復帰からチームの戦い方も変更され、その割には頑張ったけど、どうしてもチーム戦術が未熟で息切れしてしまった印象が強かったのでした。

◎ディフェンスのペリカンズ

イングラムが戻ってきてもハーブとヘイズをスターターに置いているペリカンズ。ほぼほぼマカラム&イングラムの個人技+ディフェンダーという構成でした。バランチューナスはディフェンス能力低いけどさ。

皮肉なことを言えば「2人の主役とロールプレイヤー」状態だったのは、レイカーズよりもわかりやすさを生み出してもいました。ひょっとしたらザイオンいたら上手くいかないかもね。

その一方で「レブロンを止める」というミッションを考えた時にハーブが苦戦してしまったことがプレーインへの不安材料にもなる試合でした。全体としてディフェンスを考えたスタイルは上手くいったんだけど、ピンポイントではマッチアップの難しさがあり、この戦い方をしなければイージーに攻略されてしまいそうでした。

逆にレイカーズはスタンリーのハードマークでイングラムを困らせ、ブラッドリーの密着がマカラムを困らせました。マッチアップを考えるとレイカーズ側の方がポジティブな情報を集めることが出来た試合でした。

でも勝ったのはペリカンズ。理由は2つ。

1つはハードマークは効いていたのに、その上から決めきったイングラムとマカラムだったこと。「警戒されたプレーオフはミドルが有効」という形が目立ちました。届かない打点で打つイングラムと、超絶ジャンプシュートのマカラムは警戒されても決め切れる武器になっています。

実はミドルシュートが勝敗を分けた試合だった気がします。プレーインで直接対決した際にはプレーを読んでくるわけですが「読まれても関係ない」シュートの成功率は勝敗を大きく左右します。タフショット決める選手が目立つようになるよね。

もう1つはスイッチ誘導されるとレイカーズ側は守れなくなっていく事。特にレブロンが想像以上にイングラムに苦戦した気がします。これは単なるマンマークではなくて、オフェンスの仕事が多いレブロンの事情だったり、ゴール下のヘルプが機能していない(連動不足)なこともあります。

ペリカンズは厳しいマークを受けてもスイッチ誘導をしていけば解決しそうな情報も手に入れたと言えます。止められないマカラムとイングラムの個人技。これがプレーインでも続くのかどうか。っていうかレイカーズはプレーインに出れるのかどうか。

ツービッグで守るのは有効に見えたのですが、その上から決めてくる能力に対してヴォーゲルはアクションするのか、それとも「決まるはずがない」と見切るのか。7試合シリーズじゃないからムズカシイネ。そういえばヴォーゲルってゲーム1に弱い・・・

◎ウイング

最近良く触れている事ではありますが、試合終盤にルーキーのマーフィーを起用したことも含めて、ペリカンズはウイングの強みを使っていきました。ガードばかり指名していたチームなのに、シーズン後半に大きく舵を切ってきたよね。

グラハムとアルバラドを並べていた最近のゲームから、その役割はそのままマカラムとイングラムにして、他の選手はディフェンス優先。起用されるのはハーブ、マーシャル、マーフィー、ナンス、ヘイズなわけで、運動量と高さというかオールラウンドな能力を重視してきました。

結果的に111失点なので機能したかどうかはニャンとも。でも、選手が変わっても戦い方は変えずに過ごせたので、エース頼みではあるけども、それが自分たちの形として機能していました。ちょっとレイカーズと対照的だったね。こちらもトレード直後だったら、こんなに上手くいかなかったはず。

堂々とウイングを活用して戦うスタイルが様になってきたペリカンズ。完成度でレイカーズを上回った試合だったと言えます。マカラムとイングラムが勝負強く過ごせれば、プレーインのファーストラウンドは行けそう。そこに頼るには頼るけど、カバーするだけのウイングの強みもあるのでした。

このままいくとスパーズとのプレーインです。これまで随分と大胆なスタイルなわけで、今日とは違ってインサイドの強みを使う必要もあります。相手によって変化する必要があるのだから大変だし、どっちかというとレイカーズとやりたいかなー。

レイカーズvsペリカンズ” への4件のフィードバック

  1. 昔からの、コービー &シャック時代からのレイカーズファンなのですが、ここ最近のレイカーズの試合には胃がキリキリしています…ようやくレブロンとデイビスが復帰したと思ったら勝ちきれない…

    もうね、レブロンチームとラスチームのツープラトンにでもしてしまえと、半分冗談、半分本気で思ってますよ(笑)

    ビッグマンの使い方は気になっていて、ラスがいればラスのピックでかなり点は取れそうな気はしますが、結局レブロンのチームだからラスの良さは消えちゃうんですよね。なんならラスのピックからレブロンの外でもいいと思うんですが。
    レブロンのチームならラスはいらないし、勝ちたかったらラスをトレードして駒を増やしたほうが良かったなと…

    何はともあれレイカーズファンの自分としては、プレーインに滑り込んで、最後まで他チームを脅かしてほしいです😭

    1. 極端なスモールをしていた時期にピック&ロールが不要になって、それがチーム構成を惑わしている気がします。
      今のラインナップだと、普通に多用すれば良さげなのですが、キングが自分で打ちまくるようになっているので、突如として切り替えるのは難しいでしょうね。

      でも、2人どうこうよりも「駒を増やした方がよかった」といわれるように、使えるコマが少なすぎるのが最大のネックでした。

  2. 確かTHTとリーブスはinjury reportに載っていなかったので、単純に使われなかっただけなのかも知れません

    1. ハーフタイムのシューティング時にTHTの姿が見えず
      そしてリーブスは球拾いしていたので、そもそも出番なかったのかなーと思いました。

      その程度しかわからなかったですが、少なくともリーブスは使うべき展開に見えましたね。

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