60点タウンズ

ウルブズvsスパーズ

10アシストのフルツ君を見て「さようならマジック」を書こうと思っていたのに、疲労困憊でぶっ倒れてしまった管理人。1日遅れで見ようと思ったら、今度はタウンズが60点17リバウンドらしいので、スパーズの確認がてらウルブズを見ましょう。

50点ゲームは増えたけど、60点は珍しいよね。50点が増えた理由はシンプルに3Pです。だからビッグマンの50点はそんなに多くないし、50点よりも「3P打たずに36点」の方が凄く思えてくる。3Pキングのタウンズなので、似たような理由ではありますが、ウルブズの変化も含めて捉えていきましょう。ってことで、試合展開よりも雑感的な。

◎ハイペース

試合開始3プレーくらいでヤバい状況が浮き彫りになります。タウンズの3Pではなく、高さを使ったフックでもなく、スピードに全く対抗できないパートル。フェイク⇒ドライブで置いてかれてしまうので、その後のシュートの上手さなんて抵抗できるわけもなく。そして下がったところで3P打ち抜かれたので、実にどうにもならないパートル。

一方でベバリーも止められないスパーズ。こちらはタウンズへの警戒から、どうしても後手に回ってしまうわけですが、それだけでなくガード陣のディフェンスが効いていない。手を抜いているのかってくらい守れていないスパーズ。お疲れなのか、試合前にハードなトレーニングして負けようとしているのか。

しかし、オフェンスは好調だから意識がそっちに向いているだけかもね。そしてスパーズよりも遥かに酷いウルブズのディフェンスは、基本的に3Pを守る気がない。この傾向は元々あって、インサイドを固める方式がメイン。簡単にスイッチしちゃう悪い癖というか、スクリーンへの対処にルールが足りていないので、4ガードなスパーズが動き回ると割と楽に空いてしまう。

ってことで、逆サイドのコーナーへオフボールムーブしたらガラガラになったりして3Pトランジションゲームに近づき、ケルドンとヴァッセルが連打していきます。これによって試合のスピードは上がっていくので、そういう意味でもガードディフェンスに手が回らないのかもしれません。

それにしても酷いなウルブズ。ゾーンにしてみたらさらにコーナーがガラガラ。マジでガラガラ。時には片方のコーナーじゃなくて、両コーナーが空くんだもん。

ウルブズのディフェンスは「ディアンジェロがいれば守れる」なんていう変な状態がありましたが、その理由はオフェンスをしっかりとやってハーフコートディフェンスをするかどうかが大きかったです。でも、実はそれだけじゃなくてマンマークは弱くても、ちゃんと周囲を見えているディアンジェロがいないと、シンプルにフリーの選手を作ってしまう事がある。気が利いたことする選手が少ないからね。

そんなわけでハイペースになったことが60点に繋がったであろうスタート。確かにタウンズは止められないんだけど、タウンズ以外も止めることが出来ていないから、なおさらタウンズが止められない。ハイペースだから両チームがちゃんとハーフコートディフェンス出来ていないのでした。

◎ハンドラー多し

2Q初めにウルブズのナイトにワンパスダンクを決められるスパーズ。5人が走れる選手にしているはずが、トランジションに誰も戻っていないよ。なかなか厳しいね。そんなスパーズの事を考えていきましょう。

まだ可能性はあるけれど、かなり負けに行っているというか、成長を優先している今日この頃。プリモやザック・コリンズを長く使っており、若手の経験を積んでいくし、前述の通り、しっかりと両コーナーまで選手が配置され、システム的にも学ばせています。なお、ペイサーズ戦で26点取ったランドールは3分しか出てこなかったのでした。

プリモがトップからキャッチ&ドライブしたとき、コーナーにいたのはマレーになっているなど、4ガードシステムはポジションの流動性もあり、このシステムをしっかりと理解して状況に応じたポジショニングやパス判断を求められており、個人の戦術力も向上されるはずです。

そしてエースのマレーがトランジションでも、ハーフコートでもアタックを決め、全員が同じ役割を与えられているようでも、その中でエースになるにはどうするべきかも道しるべがあります。ザック・コリンズがブロック3連発するなど、残りのワンビッグが役割を果たせれば、さらに強力だぜ。

新加入のジョシュ・リチャードソンのハッスルディフェンスもみられ、ここにいる選手たちの奮闘も、成長も期待して良さそうだよね。だからこそ走りあう展開でウルブズと互角に渡り合っています。

しかし、2Q中盤になるとさすがにコーナーが空かなくなってきたウルブズディフェンス。そうなるとギャップに力強いドライブを決めていくケルドン。スピードドライブから展開するマレー。この2人中心のオフェンスになっていきます。いいかえるとドライブ中心だね。

マグダーモッドがいないこともあってか、ポジショニングとドライブの良さはあるけれど、オフボールスクリーンとか、3人くらいが絡む崩しとか、そういうのは出てこなくなってしまいます。まぁドライブ決まっているから必要ないとも言えますが、4ガードというか「ハンドラーが多い」傾向が強まってきたね。

もう1人は崩せる人材が欲しい。ってことで、トレ・ジョーンズとプリモなんでしょうが、それよりも「ダンカンに預けておいて、周囲を動いたパーカーがミドル」みたいなのが欲しくなるけどね。加えてシンプルなツーメンゲームをするにも、パートルではどうしてもフィニッシュが限られてしまうから難しいし。

アタックする人数は多いけど、パターンは似たようなもの。そんなスパーズオフェンスでしたが、やっぱり守れないウルブズ。マレーにぶち抜かれまくっているベバリーとか、何のためにいるんだろ。いないともっと守れないのかな。バンダービルドがいないから守れないんだろうな。前半で73点も取ったスパーズでした。75点取られたけどさ。

◎3Q32点!

タウンズは2Q中盤に見事なスピーンムーブを決めた後で吠えたらテクニカル。その次のディフェンスでスクリーンに来たパートルの正面に立ってフロップしたらディフェンスファール。そのフリースローでレーンヴァイオレーションとレフリーに狙われているのか、冷静さが足りないのか、いろんな問題を起こしています。

そんなことよりもウルブズはチームとして3P8/16と50%も決まりました。そのうちタウンズは1/3なので3Pは少なく24点取りました。「周囲が3Pを決めるからインサイドのタウンズが活きる」展開になっており、センターらしい点の取り方であり、パートルは苦しかった。

タウンズの良い所は、3Pを決め、ドライブを決め、SGみたいな点の取り方をする一方で、スクリーンやポストの押し込み、オフェンスリバウンドとセンターらしい仕事もすることです。片方しかやらなくなるセンターも多いからね。

タウンズの悪い所は、どっちもやって働いているから、試合終盤にばてている事です。よくいえば「頑張っている」ですが、悪く言えば「勝つためのコントロールが出来ないバカ」です。

今シーズンの改善ポイントとしては、相棒にディアンジェロがいるので勝手にコントロールしてくれることです。タウンズにマークが多いと思ったら他の選手を使っていくので、コンタクトプレーの疲弊が軽減されました。でも、前半はとにかくベバリーが抜きまくれるので、そのドライブからインサイドで合わせてフィニッシュして稼げました。

チームの3Pが決まりまくったこともあり、24点ほどにはタウンズは目立っておらず、フィニッシュにだけ絡むことが多かったです。比較的スタミナロスをせずに、それでいて点が取れた感じです。

後半が始まるとパートルにブロックされるわ、ドライブで膝蹴りをかましフレグラント1をコールされるわ。低調なスタートになります。前半に聞いていたインサイドプレーがスパーズの修正によって遮られたともいえます。

ってことでディアンジェロの出番です。他の選手をどけて片サイドでタウンズvsパートルのアイソを作ったり、パスアウトから3Pを打たせたり。自分が仕掛ける形からタウンズへと渡すので、スパーズはチームで対処するのが難しくなり、しかもパートル⇒コリンズになったら、ドライブを警戒しすぎのコリンズが下がるので、タウンズはシンプルに3Pです。

多彩なタウンズですが「いつ、どの武器を使うのか」はあまり上手くないし、ウルブズはウルブズでエースに持たせて「お願いします」のチームだったので、なかなか苦しかったのを、ディアンジェロが何とかしてくれている印象です。

3Q中盤に、そのディアンジェロが下がると中途半端なパスを受けることになったタウンズが、インサイドで囲まれてコリンズにすら止められるシーンも出てきますが、再びディアンジェロが出てくると、片サイドでタウンズvsコリンズのアイソにしてくれるので、シンプルにアタック。そして残り1分でステップバック3Pも決めたタウンズ。

〇3Qのタウンズ
32点
2P4/7
3P5/6

前半は3P3本しか打っていないので、インサイドを警戒されてしまい、その結果が3P5/6という3Qでした。えぐいわ。

その一方で2Pは4本しか決まっていませんが、そのうち3本が片サイドでアイソにしてくれたゲームメイクからでした。それ以外のインサイドアタックはハーフタイムで修正してきたスパーズが止めたよ。でもって、その修正が3P連打を生み出したわけだ。

他にフリースローが8本あったのですが、これがまた難しくて、前半にタウンズにテクニカルをコールしたり、いろいろと忙しかったレフリーが、この3Qも働きまくっていて、ベバリーを踏み越したコリンズがテクニカルくらったり、あからさまなファールドローにきたベバリーにキレたマレーが小突いたり。

よくわからないけど、荒れまくっていた3Qが、タウンズに多くのフリースローを与えたのも事実です。全部決めたシュート力は偉いけど、なんだかラッキーだった。

そんなわけで3Q終了時点で56点のタウンズ。それはそれは凄まじい内容でしたが、ぶっちゃけ「確実に決めまくった」だけで、止められない凄みよりも正確なシュートでした。ただそれはスパーズのディフェンス変更に対して、的確に変化したからこその正確性だったとも思うのでした。

試合は4Qに抵抗したスパーズが10点差前後で推移したので、タウンズも4分ほど出てきて、4点を追加し、60点になったところで残り1分12点差でお役御免でした。3Qまでに56点取っているのに、試合が決まらなかったのも珍しいね。

◎アンツ

そのうち別の機会で触れようと思っていますが、タウンズの60点というか、最近のウルブズの好調にはアンソニー・エドワーズが欠かせません。それはネガティブな意味で、欠場していたことも含めて、あまりオフェンスに絡まなくなったことで、ウルブズは改善しているのでした。

ちょうどノーウェルが台頭してきたこともあり、ハンドラーをエドワーズに任せることが減り、それがチーム全体の連動性をあげています。タウンズの60点もある意味でエドワーズの時間が減ったことで生まれたよね。

エドワーズ自身はスコアリング以外の仕事を頑張る気持ちがあるので、これが必ずしもマイナスではありません。ただ、エドワーズの点が減り、チーム全体の得点が増え、好調になってきました。25点取ったマジック戦には負けたよ。

強力な武器でも使いどころを間違えては効果が低いし、そもそもFG%が足りていないエドワーズなので、もう少しチームプレーを学んでもらう時間とし、ディフェンスに軸足を移してもらいましょう。とにかく守れないウルブズを改善しないとさ。

60点タウンズ” への2件のフィードバック

  1. アントはどうなんでしょうね。怪我がちなのでHCがセーブさせている気もします。ディフェンスなど必要なことを覚えさせてプレイオフに得点面で爆発させたいのが理想ですが、上手くいくのか。あと10試合程度で苦しい時にアントに任せるタイミングがあるかどうかはチェックしておきたいですね。

  2. 3Pを決めまくったわけでもないのにウルブズのひどいディフェンスのおかげで139点も取ったスパーズ。しかしウルブズに149点、ダウンズに60点取られて敗戦なんてダンカンがいた頃には考えられない試合ですね。真っ向から打ち合うスタイルで成長を促していると言えなくもないですが。

    >それよりも「ダンカンに預けておいて、周囲を動いたパーカーがミドル」みたいなのが欲しくなるけどね。
    今のドライブ偏重なオフェンスに対してまさにこういうプレーが必要だと思うけど全然出てこないです。それにはパートルの能力も関係してるわけですけど。

    >加えてシンプルなツーメンゲームをするにも、パートルではどうしてもフィニッシュが限られてしまうから難しいし。
    この問題にもパートルが絡んでるんですよね。まあパートル自身の問題だけじゃなく結局ロスターの問題がデカいと思います。PFポジションにビッグ役もできるタイプの選手を加えることができれば色々と解決しそうな気がします。って2年前から言ってる気がする。

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