キングスvsナゲッツ

2022/2/24

オールスターブレイクあけの初戦ですが、シーズン後半戦ではなくて終盤戦なんだよね。サボニスを補強したキングスはプレーインに向けて落とせない試合ばかり。ナゲッツはプレーインに回らないように、ホームコートアドバンテージを目指して落としたくない試合ばかり。

サボニスとヨキッチの直接対決を多く見れるようになったのは楽しみだね。そしてサボニスがオールスターのポイントセンターなのに対して、似たように見えてヨキッチは「至高」だということを味わう機会が増えるのかもしれません。同じようなタイプだけど、決定的に違うレベルにいるのがヨキッチです。

◎キングスオフェンス

ジェフ・グリーンの3Pから始まる試合は、解説にさっそく「ローテミス」と言われてしまうキングスディフェンスです。逆にナゲッツはハイプレスに出てパスカットからのカウンター速攻。ゴードンがフォックス相手にスピンムーブすると誰もヘルプに来ないのでダンク一閃。

フォックスとサボニスが3P決めたので点差こそはなれないものの、両チームのディフェンスの差が出るスタートになりました。

タイムアウトのキングスはヨキッチの弱点であるスピードを使います。走りこんでのレイアップを決めたサボニスに続き、バーンズのドライブ、ダビオンのドライブと高速ヘルプが足りていないナゲッツを困らせたので、コーナーにキックアウトからハークレスの3Pも生まれるぜ。

そういやナゲッツは昨シーズンのデッドラインに、そこそこの対価を払ってマギーを手に入れたんだけど、あれは何だったのかね。

サボニス⇒ダミアン・ジョーンズになると、再びスピードドライブでヨキッチを振り切っての&ワン。本日はライルズもローテに加わったので、ツービッグの形からディフェンスの奮闘が見え始めたキングスのペースになっていくのですが、ショットクロックがなくなって困ったところでヨキッチがドリブルで下がって3P決めるので点差は縮まらない。こういうところがMVP。

ルーキーの評価でも書いたけど、キングスはPGダビオンの時のオフェンスがイマイチだと思うんだよね。なんていうか、ダビオンが頑張りすぎ。もっとテンポよくパスを動かさないと、小さいダビオンのドライブアタックでは手詰まりになると思うんだ。っていうか、ジョーンズとのピック&ロールとか、ライルズのポップ3Pとか、使えそうな武器があるので、もっとコンビプレーを促したい。

で、残り3分くらいになってサボニスを戻します。初めはフォックスとサボニスのコンビを優先していたけど、2人をわけて起用することでプレーメイク能力を保つ手法もあるよね。特に今日はディヴィチェンゾとライルズを出しているのでサボニスとのコンビプレーが作れそう。

サボニスのポストアップにディヴィチェンゾがカットプレー。ダビオンのドライブキックアウトでディヴィチェンゾ⇒コーナーのライルズがドライブファールドロー。1Q最後はサボニス⇒ディヴィチェンゾ⇒ライルズ⇒ディヴィチェンゾ⇒ダビオンと繋いで3P。外れたけどライルズがプットバックしたので、なかなか面白いユニットになりました。

ただし、スモールのナゲッツはジャマイカルがサボニスとのマッチアップだったので、ピック&ロールからのミドルで加点し、35-25とナゲッツがリードを広げて終わったのでした。結局はディフェンスの穴が出来てしまったキングス。

◎ザ・MVP

そういやカズンズってどうしたの?
ナジは何しているの?
スモールのナゲッツはハイランドのPGから始まるのですが、ダビオンのディフェンスに大苦戦。ディフェンスではディヴィチェンゾのドライブを奪い取るなど、働いているけどちょっとチームオフェンスになりません。あとリバースが良くも悪くも。

アウトサイドだけでボールを動かしてフォーブスの3Pが決まるなど、スモールなりの戦い方で何とかしているし、キングスが3秒オーバーしてくれるしで、なんとか点を取っている感じです。内容よりも結果が出ているセカンドユニット。

その意味ではフォーブス獲得の価値はあって、よくわからないけどシュートを決めてくれるから助かります。一方でそこまで守れていたローテディフェンスは、フォーブスとリバースのガードコンビで崩壊した印象が強く、キングスがアウトサイドから攻略し始め、点差は縮まります。まぁリードしているだけでラッキーかもね。

先に戻ってきたフォックスがドライブで切り裂き、ミドルを決め、同点になったところでナゲッツもスターターが戻ります。

ヨキッチがまずインサイドにポジションを取ってサボニスからゴール下を決めると、続いてキックアウト3Pを生み出し、ナゲッツはチームオフェンスが戻ります。エグイ。ヨキッチのエグさはこういうのが「点」ではなく「線」であること、インサイドを使ってから外に展開したり、3Pを決めておいて空いたインサイドへアリウープパスしたり。

サボニスも見事なコンビプレーで対抗します。ポストアップしたところでカットしてきたバーンズへパスを通し、自らはヨキッチを引き出してミドル。フォックスとのツーメンゲームでフローターを決める。・・・のだけど、そのエンドラインスローインからヨキッチがワンパス速攻で反撃しちゃう。見え過ぎているし、フォックス&サボニスがゴール下まで来たことで生まれたスキを狙っていた。

まぁそれでもキングスからするとディフェンスの差にされた1Qよりはマシです。打ち勝てる可能性の方が守りあうよりも高い。そしてナゲッツからすると、どうしてもヨキッチの出番が増えてしまうので好ましくない。マレーとMPJがいない以上は、ある程度のスローダウンも必要さ。

しかし、ヨキッチのポストアップに頼ることに。そこにダブルチームに行くキングス。無視して&ワンにするMVP。さらにショットクロックがなくなって困ったところで、またも3P。さすがはMVP。レベルが違うんじゃ。

その頃、サボニスはベンチに座っていました。うっかり交代させるのを忘れていたのか、予定通りのローテだったのかわからないけど、1Q終盤から出ていたのに交代させていなかったため、2Q残り2分半をベンチで過ごしました。まぁ4Qじゃないからいいけどさ。

キングスのラストオフェンスはフォ㏍酢がスピードドライブで切り裂くも、バートンがこれをブロック。63-58でナゲッツが5点リードの前半でした。うん、MVPは偉大。そこを除けば、ややキングスが上回っていました。カウンターのワンパスと、ショットクロックなくなったときの3Pというディティールでリードを作ったMVPという前半です。

◎ヨキッチをいじめろ

ヨキッチは相手がサボニスなので、外に引き出す必要がないわけですが、サボニスからしてもゴリ押しは出来ないけど、別にスピードで振り切れる相手です。ならばサボニスの方が積極的に仕掛けてスタミナを奪いたいところ。先に仕掛けておかないとサイズの差を使われてしまうのが怖い。

例によってローテミスから最後にヨキッチのゴール下を決められてしまったものの、直後にカウンター発動してハークレスがゴール下。これを繰り返すのはヨキッチを困らせる意味で有効。前半からバランス崩しても仕方がないけど、ちょっと仕掛けたい3Qだよね。

そんな狙いがあったのかどうかは知りませんが、ヨキッチ相手に1on1で仕掛けたサボニス。ところがドリブルを突くところでスティールされてカウンター。ゴール下まで行ったのもブロックされ、点差が9点に広がります。うーん、でも結果論でしかないので、仕掛けること自体は正解だったと思う。思うんだけど、カウンター食らいすぎじゃないか。

タイムアウトのキングスはフォックスとサボニスの絡みで行きますが、ここでフォックスがモリス&ヨキッチに止められてしまいます。コーナー3Pもモリスにブロックされてしもうた。逆にバートンの3Pでリードを広げるナゲッツ。

さて、サボニス合流直後のキングスの感想は「フォックスがサボニスによってコンビプレーに絡むことが増え、キングスになかった連携が生まれた」でした。それは良い傾向なわけですが、相手がウィザーズだったので「まぁ相手のディフェンスも悪いし」という印象もぬぐえなかったね。同じパターンでツーメンゲームが成功し続けた。

それが封じ込められているvsナゲッツです。わかりやすくチームディフェンスの差でしかなく、モリスとヨキッチの連携だったり、ローテしてくるバートンやゴードンだったりで困ってしまっているフォックス。

ならばとパスを出さずにシンプルにスクリーンを使ってヨキッチ相手にスピード勝負を決めたフォックス。さらに今度はサボニスがヨキッチ相手に強引に仕掛けて決めきり反撃にでます。良くも悪くもエース2人が頑張るべき時間だよ。バーンズも3P決めたよ。

そして困り気味のヨキッチが下がって守ると、サボニスはミドルをヒットし5点差に追い上げます。だから3Q序盤は結果的に失敗したけど、これはこれでやっていることは正しい。それはいいけど、前半はサボニスをローテで休ませる時間帯だけど、出続けているぜ。

タイムアウトのナゲッツ。インサイドにつっかけてくるキングスに対してカバーを厚くしますが、それはわかりやすく3Pを打たれることに。でもダビオンもフォックスもミスしてくれます。助かったぜ。あと、そこにいるのがダビオンじゃなくてディヴィチェンゾかバーンズであるべきだった。ハリバートンの時には起きなかった問題。

パスアウトを受けたディヴィチェンゾがドライブからゴール下のサボニスに通すも珍しくキャッチミスのサボニス。しかし、ナゲッツもヨキッチのパスアウトをハイランドがミス。ハイランドはさらにキックアウトからのコーナー3Pをバックボードに当てちゃう。どっちも予定通りのインサイドアウトで成功しているのに決めきれない。

ゴードンがドライブしたのをサボニスがブロックすると、カウンターからディヴィチェンゾが3Pをヒット。遂に決まったアウトサイドで2点差になるとともに、ローテの時間なのでヨキッチがベンチに下がります。これをみてサボニスもベンチへ。ん、前半と違ってフォックスもサボニスもベンチに下がってしまったぞ。

ヨキッチがいなくなって代役が足りない代わりにスモールにして戦い方を変えるのがナゲッツ。ジャマイカルの3Pで5点差にすると、リバースは・・・ダビオンにショルダーチャージでオフェンスファール。ハイランドはムダに仕掛けてダミアン・ジョーンズにバレーボールスパイクを食らいます。余計なことするな。

最後にダビオンが個人技からのタフミドルを決めて92-87と5点差で3Qが終わります。うーん、またも個人技だったな。ここには問題を感じまくるぜ。ナゲッツのミスに助けられた終盤でした。まぁ前半は内容以上に決まっていたナゲッツのセカンドユニットなので、試合トータルではこんなもんかな。

◎ジャマイカル

リバースがダビオンに追い込まれながらタフ3Pを決め、フォーブスの3Pで再び11点差になる4Q序盤。だからさ。なんでフォックス、サボニス、バーンズを全員ベンチに下げちゃうのよ。前半に良いプレーしていたライルズも出していないし、わけわからんローテしているジェントリー。困ったからサボニスとフォックスを戻します。

しかし、そのフォックスからサボニスへのパスをジャマイカルがスティール。ヨキッチと違って動きまくって前に出てくる守り方を意識していなかったフォックスの凡ミス。オフェンスはポストアップするハイランドに対して外から飛び込んだジャマイカルがファールドロー。

ジャマイカルは優秀だよね。特にビッグマンを守るのが上手く、ハードワークで勝てるってのがポイント。ただ、そこにジェフ・グリーンもいるから成立しているナゲッツのセカンドユニット。MPJがいれば、さらに強そうだけど。

このスモールラインナップにサボニスが外に引き出されると、インサイドが足りていないキングス。だからライルズを使いなよ。ジャマイカルにオフェンスリバウンドを抑えられてしまいます。ダビオン&サボニスのツーメンゲームで反撃はするものの、ヨキッチが休んでいるだけに、早めにアドバンテージを取らないと

・・・ってところで、今度は外に開いたジャマイカルが3P。完璧な仕事をしたジャマイカル。もっと見たかったけど、ヨキッチと交代でベンチに下がります。残り7分半でナゲッツが10点リード。お疲れジャマイカル。

スターターのナゲッツはバートンがドライブすると、ダビオンが見事なフロッピングでチャージドロー。なお、ワザとのフロップじゃなくて、当たらないようにしようとして倒れたって感じ。今度はサボニスがドライブするとエンドラインを踏んだコール。が、他のレフリーがヨキッチのファールをコール。まぁ完全に押していいたけどね。

そんなホームコートアドバンテージもあったけど、なかなか追い上げられないキングス。バートンがゴール下でフォックス相手の&ワン、ミスマッチ誘導からヨキッチのゴール下。トランジションに参加したヨキッチとギブ&ゴーのモリスもゴール下で決めて17点差になります。やけにあっさりと広がったな。

全てゴール下プレーだったので、キングスのディフェンス問題が広げてしまった印象を強くする3連発でした。そういやホルムスはお休みか。これもまた厳しかった要因かもね。

結局このままナゲッツがリードして終わるのですが、4Q開始直後にビハインドを広げられたキングスはスターターを戻す解決策に出たため、ヨキッチが戻ってきた時点で「あとは選手が頑張れ」になってしまいました。手元にある武器を使うのが早すぎて、残り5分もあるのに気合に頼るしかないって感じでした。

つまり最終的に、この試合の差は「ジャマイカルが作った差」だった気がします。ジャマイカルで得たリードを生かしたナゲッツというか、手段が多かったナゲッツ。でもさ、ジャマイカルだぜ。その差で負けるってなんだよ。

前半に書いたダビオンの問題は、ダビオン本人ではなくキングスの問題。いろんな武器を使っていいはずが、同じ形が多過ぎる。それでも何とかなっているのは強みなんだけど、さすがに上位チーム相手に勝つには、それだけじゃムズカシイネ。

〇サボニス
33点
14リバウンド
5アシスト

〇フォックス
20点
4アシスト

2人でFG24/41と50%を超えており、エースコンビとしては良かったぜ。その分バーンズのアテンプトが減って14点だったけど、それは同時起用なら仕方がない面もある。仕方がないっていうか、そうならないローテにすればいいのにね。

ちょっと選手起用が微妙過ぎる面も含めて、戦略的な問題の多かった試合でした。ラムは点を取ったけど、せっかくウイングを厚くしたはずが、ガードばかりのオフェンスになっちゃだめだよね。あと苦しくなるほど、オフェンスに頼ろうとするのもね。

〇ボーンズ・ハイランド
5点
3アシスト
FG2/9

今日はバートンとモリスのガードコンビだけでなく、ベンチのジャマイカルが12点、フォーブスも3P2/3と的確な援護射撃をしたことで、ヨキッチ頼みになりすぎず、オフェンスで押し切ったナゲッツでした。ってことで、点取っている選手を誉めるには、人数が多過ぎたので割愛。

一方でイマイチだったというか、ダビオンのディフェンスに困らされたハイランド。プレータイムを得られるけど、安定して結果は出せていません。ただ、今日気になったことは、ずっとPGをやっており、そしてジャマイカルにしろ、リバースにしろ、フォーブスにしろチームメイトは点を取ったこと。

そしてハイランドはディフェンスローテが良かったこと。攻守に個人技ではなくチーム戦術の中にフィットし始めているのが印象的でした。これが個人として活躍した試合なら、わかりやすいですが、活躍できなかったからこそ、それでもチームオフェンスを出来ていたことは、選手としての成長です。

ダビオンとハイランドでは、ダビオンの方が1枚も2枚も上手なんだけど、チームの中で果たすべき役割が見えているのはハイランドの方であり、だからこそナゲッツが勝ち切った試合でもありましたとさ。

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