ニックスvsヒート

2022/2/25

オールスターブレイクがあけまして、そろそろ「もう見ないよ」というチームが出てくる時期です。プレーオフに向けて弱いチームを見ている場合じゃないってね。ただプレーインがあるからすごく難しくなってしまうよ。当落線上にいるニックスなので、個人的にはこの試合の印象はとても大事。ヒートは関係ない。

◎インサイドアウト

3月にオラディポが戻ってくるなんて言う情報もありますが、ここまで離脱者がいっぱいいても首位にいるヒート。スターターは既定の選手が全員戻ってきており、アデバヨの復帰からダンカンもスターターになっているし、ここからプレーオフに向けて戦い方を突き詰めていく感じかな。

特定の選手に拘ってしまうニックスに比べると柔軟性を重視しており、誰がでても、それぞれの特徴をだしたプレーが出来るのが強みです。

ところが試合は0-10で始まります。MSGってこともあってホームコートアドバンテージの強いコールもありますが、フィジカルにインサイドを守るニックスに対して、初手が3Pなのに、それが決まらないから苦しくなっていった序盤で問答無用の二桁ビハインド。

自分たちのインサイドアウトが機能せず、逆にアウトサイドが決まるニックスオフェンスに間に合わなくなってしまったよ。でも、なんでもないかのようにタイムアウトをコールしないスポルストラ。つまり点差ほど、内容に問題を感じていないわけです。そのうち決まるだろうし、ニックスは外すだろうし。

で、その外のシュートはこないのですが、ニックスディフェンスが前に前に出て来てくれたので、ダンカンのパスからインサイドのアデバヨ。ラウリーの3Pフェイクからのドライブファールドロー。何故か解決してしまいます。これはニックスの凡ミスであり、焦りにしかみえんぞ。

オフィシャルタイムアウトを挟んで、バトラーのドライブをミッチェル・ロビンソンがブロック。もう一度、中を固めようぜが成功すると、カウンターアタックからバレットがファールドロー。取り戻し始めたニックスに対して、ヒートはトランジションでラウリーが3Pをヒット。やっと決まった3Pで試合は動きそうです。

・・・が、アデバヨがドフリーのラウリーに気が付かずミドルを打ってしまい、追い上げ切れず。ヒーローからアデバヨへのアリウープも出るし、そこそこなんだけど、1Qなので出来れば3Pをうって広げておきたいし。

逆にランドルに何度もファールしてしまい、挙句にキックアウトからバレットのコーナー3P。インサイドアウトされてしまうので苦しくなってしまったヒートディフェンス。

そんな中、残り2分半、交代で入ってきたグライムスがファーストプレーのディフェンスで膝を抱えて倒れこんでしまいます。スクリーンにきたタッカーの膝がはいったようですが、見た感じハードヒットしたという雰囲気ではないので、ヤバいかも。グライムス目当てでニックスを見ているのに・・・

するとレディッシュが登場します。ホークスにとっても、ニックスにとっても謎のトレードでしたが、アクシデントで出番がきたわけですが、ニックスは突如としてクイックリー、レディッシュ、バレット、トッピン、シムズという若手チームに変貌します。なんじゃそりゃ。

すると3Pばかりになるニックス。レディッシュのキックアウトからバレットこそ決まったけど、基本的にインサイドに攻めこめなくての3Pなので苦しい。ロングリバウンドからカウンターでバトラーが&ワン。これでヒートペースになるかと思いきや、バレットのドライブにファールしてしまったビンセント。

ケイレブのオフェンスリバウンドからヒーローの3Pに繋げ、1Q終了間際にもヒーローが3Pを決めたけど、バレットの押し込みに耐え切れなくなったディフェンスだったので、30-32と2点ビハインドで終わったヒートでした。ただし、明らかに体力も武器も温存している1Qなので、0-10のスタートを考えれば、しっかりと追い上げたと言えます。

◎若手軍団

レディッシュのコーナー3Pがヒットしリードを守るニックスですが、どうにもヒーローが止められない。その若手の中に混じったバークスが余計なファールしてケイレブに&ワン食らうと、フリースロー時にリバウンド争いでラウリーの策にハマったシムズがワンモアファール。

それでもオフェンスで取り返す若手軍団。ちょっとビックリ。レディッシュがいるので、ドライブのあるウイングが増え、合わせ担当のトッピンも飛び込みが効いています。シボドーってこの手の展開を嫌う傾向があったのに、ガマンしているね。2Q開始2分半が経ったところでラウリーのロブからユートセブンが押し込んだところで3点ビハインドとなり、タイムアウトのニックス。まぁここはガマン出来たとみていいんじゃないかな。

しかし、ゾーンプレスに来たヒートに対して、トッピンのエンドワインスローインを奪われ、ドライブ&パスアウトを繰り返され、またもヒーローに3Pを食らってしまいます。逆にレディッシュはダンクミスだし、フォーニエの3Pは決まらないし。ミッチェル・ロビンソンもゴール下をミス。

さて、ニックスは序盤にランドルアタックが目立ちましたが、シーズン前半はもっとフィーニエとランドルの絡みが多かったです。そしてこの時間はフォーニエだけがコートにいますが、スクリナーもいないので、単独個人技アタックを求められ、ちょっと困っているわけです。

若手軍団は単独アタックで良かったレディッシュで形になっていたので、プレーモデルと選手の特徴の問題に見えます。その単独アタックにバレットが参加し始めているのは、ポジティブな変化ですが、明らかに苦しくなっていきます。ビンセントとタッカーのトランジション3Pが続き、ビハインドは二桁に。若手で耐えたのに、スターターで一気にやられた。

苦しくなったニックスなのですが、スターターになるとフィジカル対応が増えるからか、またもファールコールが増えていきます。よくわからんが、お互いに手を出しているのも事実だ。そのフリースローを外したバレットと&ワンを決めたアデバヨで二桁ビハインドは変わらず。

ちなみにヒートはダンカンが決まらないと見たのか、ストゥースとヒーローで対応しています。

完全に抜け出したヒーローのドライブはバトラーのイリーガルスクリーンに助けられるも、ランドルのドライブはヘルプのアデバヨがブロック。ヒーローにドライブファールドローされるも、バレットはヒーローにぶつかりながらの&ワンで取り返す。

ってことで、なんだかヒーローvsバレットになっていった前半。ただし、その個人技でチームオフェンスを構築しているニックスと、チームオフェンスの中にヒーローの個人技を混ぜているヒートなので、2人の差ではなく、周囲の差で徐々に差が出てしまいます。

〇ヒーロー
15点
FG5/9

〇バレット
30点
3P6/9

とまらないバレットは残り2分から3Pを連発しますが、他が続かない。他っていうか、ランドルがタッカーに守り切られてレイアップがリングにも当たらないし、トランジションのパスアウトはディフェンスが見えていなくてスティールされ、カウンターからアデバヨの&ワン。

前半は65-55でヒートが10点リード。っていうかさ、バレットが30点取っているのに、チームが55点ってどういうことよ。バレットに非はない。凄まじく決めたし、ミスらしいミスもなかった。だからこそ悲しい前半でした。

◎バレットvsバトラー

後半もバレットのドライブねじ込みから始まります。止まらんバレット。1人でやっている。実は昨日の時点で次の記事としてニックスを書いていたのですが、そのまんまの内容になっており、ビックリ。逆に異常なくらいにバレットが活躍しているから、この試合の感想みたいになりそうで嫌だなぁ。

そのバレットに対してはバトラーがマッチアップするのですが、バトラーってスクリーン対応とか下手なんだよね。お構いなしにしていたウルブズ時代のシボドーなのに、相手にバトラーがいると分析して対処させている空気がある試合です。なんせオフェンスのバトラーも、ファールドローされないように守り、ドライブさせてブロックで対応するような戦略っぽい。

加えて後半も決まらないダンカン。逆にフォーニエが3Pを決めたのでニックスペースになります。それもローテミスで再びフォーニエをドフリーにしてしまい、開始4分で2点差に。

バレットがヤバいので早めのヘルプで対応していくと、しっかりとパスを出しているバレット。ところがランドルはレイアップをミスするので、可哀そうなバレット。個人技決めまくりから発展させることが出来そうだったのに、ことごとく外されてしまう。なお、ダンカンも外すから点差は開かない。

ヒートはもうひとつのバレット対策として、バトラーにポストアップさせ、ひたすら削りに行きます。そこでファールも引き出し悪くないけど、バトラーの方もファールするから互角。かなりしつこくバトラーにやらせるも、バレットはディフェンスリバウンドから走ってレイアップも決め、エース対決でアドバンテージを取っていきます。

そしてバトラーはワイドオープンのコーナー3Pを打たず、押し込んでシュートミス。段々とバレットの試合になっていくのですが、どうしても足を引っ張るランドルがワイドオープン3Pをミスし、パスアウトをバックコートに出してしまう。そしてゴール下に飛び込むバトラーに対して誰もヘルプに来ないので、バレットが可愛そうな展開は延々と続きます。

それでもバレットはトランジションでマッチアップがビンセントになるとタフミドルで加点。エグイな。フィジカルの強さと3Pで点を取りまくっている進化系バトラーみたいだ。

残り2分半、バレットがベンチに下がると椅子を叩いて怒り、そのままロッカーへ。戻ってきたけど不機嫌な顔を隠そうともせず。一方でバトラーはフリースローを2本ミス。バレットが下がったのにリードを広げられず、フォーニエの3Pで2点差です。

バレットがいなくなってヤル気をだしたのか、ランドルはここから急に調子をあげます。強引につっかけてファールドローすると、スティールから速攻。これで1点差にしたニックスでしたが、ラウリーにファールドローで返されると、最後のオフェンスでシュートを外したランドルが直後に余計なファールをして、ボーナススローを与え、90-85と5点ビハインドになって終わります。何してんじゃ。

◎時間と点差

2分経過したところで戻ってきたバレット。若手軍団再び。早速ファールドローするバレット。マジでバトラーみたいだ。しかし、本当にファールなのかはプレーオフにならないと分からないのがNBAの怖さでもあるんだよね。ファールドローじゃなくて3P決めたヒーローで9点差になってしまいます。

ラウリーがトッピン相手の3Pをミスし、ヒーローもシムズ相手のミドルをミスするも、バレットのドライブはアデバヨがブロック。そしてカウンターからケイレブの&ワン。ヒートの流れになってきたのでランドルを投入するのですが、そこなのか疑問。レディッシュが見事な読みでスティール速攻を生み出しており、今日は走った方が正解なんだよね。

そしてハーフコートオフェンスに行こうとしたところでケイレブがパスカットからのダンク。さらにシムズvsケイレブになったゴール下へランドルのロブパスは雑なので,、ケイレブのフィジカルな対応に守り切られてしまいます。

うーん、オラディポが3月中旬に復帰するらしいですが、ケイレブを下げるってのは違うよねぇ・・・10点差で残り5分となります。

ここでバトラーを戻すヒートですが、そのバトラーをコーナーに置いて他の4人でオフェンスを構築してしまうことも。逆にバレット、バレットなニックス。多分、心の中で面白くないであろうランドル。そのバレットはフリースローミスも多いものの、ドライブスピンからのフローターも決めます。一方でバトラーは囲まれてミス。両方ともエースアタックは分厚く守られるよね。

それを乗り越えているバレットは見事ではあるけど、残り時間が無くなっていく中で点差は二桁あり、個人技アタックで本当に追いつくのか。いや、2点ずつとるしかないから、批判の仕様もないけど、個人技に分厚い対応だから、スピードアップしたくても難しい。

時間を使うヒートはラウリーがファールドロー。やり直しはバトラーが延々とボールを持ってからバレットを押し込んでの&ワン。ショットクロック2秒まで行ってのフローターが外れたニックスに対して、残り1秒で3Pを打ったラウリーがミス。時間が過ぎていきます。

結局、ただただ重たくなっていったことでさらに点が取れなくなったニックス。内容以上に時間と点差のコントロールに追い込まれてしまい、4Qは15点しか取れずに終わったのでした。まぁ仕方がないけど、勝ちパターンが少ないことと、PGバークスの厳しさもあったよね。

〇RJバレット
46点
2P7/11
3P6/11
FT14/22
2アシスト

46点だけど8本もフリースローを外しており、余裕で50点取れたはずのバレット。50点取っていれば試合はわからなかったね。でも、もっと問題なのは2アシスト。バレットがパスを上手くないのはわかっているけど、今日はパスを出しても決めてくれなかった。

3P&フィジカルアタック&ファールドロー。シボドー門下のバトラー同様だけど、3Pの上手さが違うから進化系バトラー。特集する前に点を取りまくりやがった。最大の特徴はやっぱり3Pなんだよね。これがないと、そこまでドライブ出来ないはず。一方で抜かなくても押し込みさえすれば、フィジカルの強さでシュートに持っていけるので、最後のフック系が調子よいと止めきれん。

〇バトラー
23点
FG9/20
FT5/9
2アシスト

バトラーもフリースローミス多し。こっちのアシストが少なかったのは、今日は強引に仕掛ける担当だったから。それが余計にバレットに負けた印象を付けてしまったけど、活躍度としては及第点。その程度かな。なお、ダンカンが決めてくれず5本の3P全部外した。

〇ランドル
11点
FG2/15
8アシスト

外しすぎだろ。フォーニエとの関係性で触れようと思ったのですが、今日はバレットが主役になったら途端に決まらなくなった。自分中心じゃないと厳しいわけで、元のランドルに戻ってきた。まぁそういうことだね。

ニックスについては次回に回すとしてヒートは、シューターが機能しないという事態に、さほど困っていなかったし、ヒーローが何とかしてくれていた。一方で強みのはずのディフェンスにおいて、バレットの個人にテンテコマイだったので、プレーオフに向けて大丈夫か不安もあるぜ。ヤニスやデュラント、ハーデンなので、個の対応はもっと難しいよ。

ヒートのキーポイントはディフェンスなので、ここまで完膚なきまでにバレットにボコられるとは意外。チームとしては強いけど、プレーオフの個人技が目立った展開でどうなるのか。そうならないように持って行けるのか。ちょっと意外な試合でしたとさ。

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