セルティックスvsピストンズ

2022/2/16

何故だが超強いセルティックス。その秘密を解き明かしたいわけです。感じているのは大きく2つ

①スマートのゲームメイク中心になり、テイタム&ブラウンのダラダラ感が大きく減った
②ゾーンなりスイッチなりを駆使し、ディフェンスの分担が変わった

それぞれ戦術的な要素ではありつつも、プレーコールが変わったというよりは、誰が何をするかのバランスがかわった雰囲気なので、HCの指示なのか、例によってミーティングの成功なのかわかりません。いずれにしても攻守にスマートの価値は高まった気がするので、トレード話はどこいったんだろね。

本日は相手がピストンズなので10連勝は確実・・・と思ったらスマートとロバートがいません。思えば「セルツのキーマンって常にスマート」だと感じ続けて早5年。ここ1年ばかりはスマートの価値が落ちていたのが不調の原因な気もするので、いないならいないで問題がわかりそうだよね。

◎ホワイトとスマート

スマートのところにはホワイト。スマートよりも軽やかにボールを動かしてくれています。なので、割とリズムはいいぜ。ただし、ロバートのところにグラントなので、テイタム&ブラウンを囮にしてのロブパス攻撃がなく、ドライブチームになっています。なおグラントはグラント・ウィリアムスで、ジェレミがジェレミ・グラントね。

セルツに来てのホワイトはどちらかというとシューター的にオフボールで動いていた記憶ですが、本日はPGです。Jリッチやシュルーダーを使い分けて調整するのが下手だったからか、マルチなシックスマンを求めた効果が出ています。ヘイワードが欲しかったんだね。

トップからのアタックが極端に減っているホワイトのプレーメイクなので、両ウイングからのドライブやらターンシュートが目立ち、テイタム&ブラウンもオフボールで動き、なんなら、これはこれでスマートよりもいい感じ。多分、ロバートがいないなら、スマートよりも効果的なパターンだと思う。ホーフォードとグラントという中外動くビッグマンとの相性も良さげ。

一方でディフェンス面はスマートっていうか、ロバート不足なのでインサイドカバーで塞げません。オフェンスではなくディフェンスの問題で序盤は互角です。タイスよ、出番なのだぞ。

そのタイスが出てくると運悪くスチュワート⇒バグリーなので、ピストンズはゴール下に誰もいなくなり、ドライブキックアウト作戦になります。なお、バグリーだからではなく、元々ライルズにこれをやらせて機能していたからね。少しずつ遅れ始めるセルツのチェイス。

さらにスイッチするとバグリーvsプリチャードを何度も作られてしまいます。オフボールスイッチのスマートという武器がないことを感じずにはいられない展開。スマートとブラウンが並ぶことが大事に見えてきた1Qです。なお、バグリーが外してくれるから何の問題もなかったけどね。

オフェンスはホワイトが下がるとテイタムのダムダムが増えます。それでも3P決めるから悪くはないんだけど、こちらもチームとしての連動というか、序盤のようなバランスの良さが消えたので停滞。ってことで、尻つぼみの1Qは25-23で終わります。

◎精度と個人の問題

バグリーはシュートミスしまくっているけど、シュートを打てているって事なので機能しているピストンズ。ストレッチしてアウトサイドで絡んだと思ったら、インサイドへの合わせもあり、ドライブも出来るバグリーなのでフィットしているけど外している。あとは個人の問題なので、バグリーが悪い。

ピストンズはジェレミが離脱しディアロがスタートになって良くなったんだけど、層が薄いからどうにも勝てなかった。それがジェレミだけでなく、オリニクも戻ってきたので、ちょっと分厚くなりました。セカンドユニットならピストンズの方が豪華なくらいだよ。シュート決まらないだけで。

ヘイズ君がディフェンス力を上げてきていることもあり、ディフェンスはなかなか。動ける選手を揃えてスイッチしてでも追いかけるぜ。ただ、テイタムを止めるキラー役がいないので、止めきれもしない。全体の内容で上回って、精度でボロ負けしているような展開です。

4分経過してカニングハムが戻ってくるとファーストプレーでバグリーへのアリウープパスを通し&ワン。直前にオリニクがクソみたいなロブパスでタイスにカットされていたので、パサーの精度の差でバグリーにも得点が生まれました。今度はカニングハムがバグリーを完璧にワイドオープンにしたけど3P外すバグリー。個人の問題。

それだけフリを聞かせた後でバグリーを使わずドライブ一閃のカニングハムは見事にブラウンを抜くけどレイアップミス。精度の問題。良いプレーをしてはミスになると勝てるわけない。決まるようになれば一気に勝てそうでもある。

逆転するかと思ったら、全然逆転しないんだもん。びっくりしたわ。

セルツのスターターが戻ってきた残り5分。なんとジェレミ、バグリー、スチュワートを並べたピストンズ。すると、カニングハムがフェイダウェイミドルを決めると、続けてドライブファールドロー。3Pもねじ込むエースタイムになります。スチュワートがホワイト相手に外したゴール下をバグリーがフォローして同点。

遂に逆転の流れかと思ったら、自分たちのミスからテイタムの速攻ダンク。シュートミスからブラウンの速攻ダブルクラッチ。そしてホワイトのパスで空いたホーフォードのダンク。スターターの弱さが目立ってしまったというね。

残り30秒。ボール要求するコーリー・ジョセフを無視したカニングハムはベイにアタックさせるも、そこに若干のジョセフの邪魔も入り、決めきれなかったベイ。全体的に空回りしているジョセフ。普通にヘイズでいいと思うし、ディアロをガード起用でも良かった気がするスターターでした。

◎3Pから変化する

セルツは最近の好調を考えるとピストンズに苦戦しすぎなのですが、内容を考えるとオフェンスが上手くいかなくてもディフェンスからのカウンターというガマンの展開が出来ているとも言え、強かった時期らしさも見えています。ちょっと選手が足りないだけ。

開始1分半。ホワイトの3Pが外れたロングリバウンドから、トランジション3Pのカニングハムであっさりと逆転。すぐにブラウンの&ワンで逆転。ジョセフとのミスマッチを使ったホーフォードで加点。慌てず冷静に対処できているね。そう思ったらグラントの酷いフロッピングがコールされずスチュワートで再逆転。そのグラントは速攻で決められるシーンだったけど、チェイスダウンブロックに来るジェレミをまってコンタクトさせてからの&ワン。

前半はロバート不足を感じさせていたディフェンスですが、ホワイトが早めにインサイドカバーに来てくれるので、次第に解決していきました。それはいいんだけど、3Pが空きまくります。ただ、これって最近の傾向でもあるから、インサイド重視の守り方だね。しかし、3Pが決まり始めたピストンズ。ベイ、ジョセフ、ジェレミと決めて5点リードになります。

タイムアウトのセルツはベンチでグラントがウドカに熱血指導します・・・なんで?
ホワイトとブラウンが3Pを決めて逆転すると、オフボールで動いたテイタムがミドル。ディフェンスはわかりやすく3Pを止めに出ていくとカニングハムにドライブジャンプシュートを食らい、さらにブラウンが滑ってこけたのでジェレミに3Pくらったので、リードを得ることは出来なかった。

ハードチェイスされてきたピストンズはスチュワート⇒バグリーでインサイドを空けることにします。するとオリニク⇒コーナーのバグリー⇒エクストラパスでヘイズに繋がりワイドオープンになりますが決めきれず。でもセルツの狙いを外すことは出来たね。そしてディアロが空いたインサイドにドライブ。レイアップは外したけどリバウンド取ってファールドロー。ゴール下の選手をどけた意味をだしてきます。

しかし、自分たちもインサイドをぶち抜かれまくります。お互い様にしたら意味ないし、ディフェンスの良いバグリーっていう都市伝説はどこいったんだろ。

3Qはピストンズが逆転し84-83で終わります。3Qの中だけでインサイド固める⇒3P打たれる⇒3Pチェイスする⇒ドライブアタックくらう、などなど、いろんな変化がありました。ポジティブでもあり、ネガティブでもあるけど、ベンチの層が厚い分だけ、対処できたピストンズって感じでした。スターター2人いないセルツが苦しいともいう。

◎シーソー

グラントがコーナー3Pを決めると、決められたバグリーがドライブレイアップで返して始まる4Q。カニングハムの3Pが決まるとテイタムのドライブをカニングハムが止め、リードはピストンズに。なお、ここでバグリーがキャッチミス。良いのか悪いのかどっちだよ。それでもオリニクの3Pで6点リードになります。

セルツはテイタムの個人技時間なのですが、そこを分厚く守られるので決まらない。でも、そんなテイタムを囮にしたグラントが再び3Pを決めれば、ニスミスは3人に囲まれながらのプットバックして追い上げます。テイタム自身もタイスを呼んでピック&ロールかと思ったら、タイスにボールを預けてオフボールで動きなおすシーンもあったし、セルツが良くなったのはテイタムのムリが減ったからって感じがするね。グラントも1月以降の3P43%と決めまくっているし。

タイムアウト明けに、そのグラントが再び3Pで逆転。25%だった2年前から成長しているぜ。テイタムも3Pで続き、わき役が決めてから空いた主役という流れは完璧で7点リードに。

ピストンズは前半同様にカニングハムのエースタイムになります。そんなに決まらなんだけど、急激にエースの単独突破な空気を出してくる。でも、ドライブをヘルプに来たグラントにスティールされ全くうまくいきません。テイタムがドライブダンクで残り4分8点差。10連勝が見えてきたセルツ。

ジェレミがホーフォードをテンテコマイにしたドライブを決めると、テイタムのドライブを止め、さらに再びアイソから3Pをヒット。あっという間に3点差にするも、本日テイタムのターゲットになっているジョセフがぶち抜かれます。あっさりとスイッチしているジョセフだから狙いやすいんだよね。ケーシーは試合観てんのか?

それでもショットクロック残り3秒に追い込まれ苦しい中でベイがタフ3Pをヒットすると、ジェレミはトランジションからねじ込み、残り1分半で同点に。

ホーフォードのパスアウトからホワイトの3Pは外れるも、ホワイトはカニングハムからチャージドローで取り返す。あとはテイタムに託す・・・ことをせず、スチュワート相手に仕掛けてターンオーバーのホワイト。何してるんじゃい。

残り1分。ピストンズはカニングハムが活きます。これを再びホワイトが止めるのですが、外れたシュートを3Pラインの外から走ってきたベイがプットバック。セルツはブラウンのパスアウトからホーフォードが3Pを決めて1点リードに。

残り32秒。カニングハムがジェレミに託すと、テイタムのディフェンスに追い込まれ、身体を倒しながらのタフショットになるも、見事に決めたジェレミ。

タイムアウトのセルツはブラウンで勝負に行くも、シュートはカニングハムとスチュワートがダブルブロック。吠えているスチュワートだけど、実際にはボールを叩くカニングハムの手を叩いていたよ。

これで終わったかと思いきや、ピストンズのスローインをスティールしたホワイト。お見事。即座にファールで止めてトランジションさせなかったカニングハムの判断も良かったけどさ。

残り6.9秒。最後は流石にテイタム勝負。トップからドライブし、ストップジャンパーを打ったテイタムですが、これが決まらず、まさかの10連勝を止めたのはピストンズでした。

◎負けたけど

終盤は「さすがにテイタムに渡さなすぎ」なセルツでしたが、考えようによっては、この判断が出来るようになったことがセルツが勝ち始めた要因でもあります。それまでは寝ても覚めてもテイタムだったのに、かなり自重しているというか、テイタムを使わない選択肢を増やしてきました。

だからまぁ負けたけど、これはこれでいいんじゃないかな。ホーフォードの3Pが決まったところまでは上手くいっていたわけだし、問題は最後にジェレミにタフショットを決められたことであり、その前のベイのプットバックでした。ディフェンスの問題じゃ。

ところで、この変化はどうも選手が勝手にやっているようにも見えます。それは初めから選手がやるべきことだった気もする変化だしさ。良くも悪くもウドカではない気がするのでした。その理由の1つはホワイトの獲得に合って、グラントの選択も含めてインテリジェンスを重視した変化にもみえます。

ってことで、チームとしての一体感が生まれてきたのかな。それはセルツ生え抜きだらけになって生まれたケミストリーなのかもしれません。それが面白いよね。

ピストンズはジェレミが戻ってきて、ちょっと悪くなったよ。コーナーで待てる選手が減ってしまい、鮮やかさが減ったし、やっぱりジョセフは違うだろ。よくわからんぜ。逆にジェレミとジョセフがいないセカンドユニットはしっかりとコーナーまで使い、パッシングし、なかなか面白かった。どういうチームだよ。

とはいえ決めきってくれる選手がいることが勝利への近道であり、ジェレミがいることが本日の勝利に繋がりました。外しまくりのカニングハムだったり、バグリーだったりじゃ勝てない。決まるようになるまで成長することができるのか。グラントは3年で3P決まるようになったぜ。

〇3P
ピストンズ 16/30
セルツ   13/32

今日はこの差でした。確率良く決めたチームが勝つのは当然だわな。セルツが追い切れなかったことも含めて、とにかく決めきってくれる選手が帰ってきたピストンズでした。やっと13勝目だけど、ジェレミを売れなかったのがどうでるのかな。

セルティックスvsピストンズ” への2件のフィードバック

  1. カニンガムの事を考えたら相性でいっても5点ほど差があるヘイズのほうが今は良いんだろうが、
    ヘイズの成長を考えると2ndでポール持たせてる今のほうがヘイズの持ち味が出て成長できるだろうから悩ましいところですね、オフにジョセフのところはドラフトなりFAなりで替えてくるだろうし
    いや、このチームはカニンガムなんだ、カニンガムが全てという考え方もあるとは思うから難しい

    DETの記事ありがとうございます、楽しんでます

    1. ヘイズがベンチスタートは良いのですが、最後はコートに残してほしいですね。
      完全セカンドユニットはあまり好ましくないような。

      ディフェンスが良くなっているので、そこを強く出すスターター起用も面白いと思います。

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