ペリカンズvsグリズリーズ

2022/2/15

シーズン前に大きく動いた両チームは好調のグリズリーズと例年通りのペリカンズという前半戦でした。そこでデッドラインにマカラムを補強したペリカンズ。いろいろと大成功なわけでして、ディフェンスに目をつぶれば強烈だよね。

◎バランス⇒エース

バランチューナスの押し込み、イングラムのアウトサイド、ハーブ・ジョーンズの3Pと展開してからマカラムの3P。グラハムのゲームメイクでボールが散らされ、それぞれの強みでフィニッシュしていくペリカンズの立ち上がり。良いね。とても良いね。

でも「すごく」はない。連携はないので基本はグラハム待ち。ただし、イングラムもバランチューナスもマカラムも個人突破があるから、すごくはないけど、とても良い。なお、ハーブ・ジョーンズはちょっと困り気味だけど、そもそもディフェンス担当だしさ。

ポジティブな変化としては、グラハムとマカラムが外で構築するので、イングラムがオフボールで動いてのポストアップみたいなのがあったこと。イングラムはプレーメイカーとしてはイマイチなので、デュラントみたいにシンプルなジャンプシュートをいっぱい打たせたい。3Pに拘らなくていいし、パスアウトからグラハムの3Pが成功です。いい感じ。

一方で課題のディフェンスは弱さが目立つというよりも、ジェイレン・ジャクソンにワイドオープンを打たれまくります。やや意味が分からないんだけど、空きまくるJJJ。決めまくってはいない。そこでグラハム⇒ヘイズなので、なおさらわからない。空いているのは3Pなんだけど、ヘイズにしたら、さらに外に出てくるじゃん。で、何故かアダムスが3連続得点なので、更にわからない。ビッグマン増やしたらセンターにぶち込まれた。

タイムアウトでゾーンにすると、パスをつながれて、またもアダムスで&ワン。そしてメルトンの3P。されるがままのディフェンスでした。何が悪いって、特に何もないのが悪い。ハーブに頑張らせる以外は、これといってプレッシャーをかける選手がいないので、ちゃんと守っているけど、何も止めていないって感じ。

1Q後半になるとオフェンスもイングラム・イングラムし始めて苦しくなったのですが、ドライブパスアウトの形がハッキリしたことで、新加入スネルの3Pにも繋がって、これはこれで鍛えれば・・・時間かかりすぎるな。それでも序盤に比べるとエルナンゴメスがスクリーンに来るのでバランスアタックよりも、エースからの展開というのは明確だったのでした。

そういえば久しぶりにペリカンズをみましたが、ヘイズとエルナンゴメスを並べているぜ。前もそうだったけどさ。インサイド2枚体制はちょっと厳しいわけですが、ヘイズはコーナー担当になる時間も多く、ちょっと驚きの変化でした。ここにナンスを埋める予定なのかな。

1Qは27-37で10点ビハインドになったペリカンズ。3P2/9だったので、オフェンスはシュート力の問題でしかなく、時間と共に連携がスムーズになれば改善しそう。でも、守れないのも予想通りだったね。

◎合わせる

1Qの3P3/10だった割に37点も取れたグリズリーズ。本日はモラントが不在ですが、余裕って感じです。頼るべきエースがいないので、マカラムとイングラムがいるペリカンズが羨ましいでしょうが、だからといって負けるわけじゃないし、アダムスの優位性が際立った1Qでした。

こちらもゾーンになるグリズリーズ。ゾーンのトップがJJJという奇抜ゾーンは、マカラムのジャンプシュートを効果的に塞いでいきます。まるでマカラム対策な守り方をしており、ややヘイズあたりを無視するシーンも。ドライブ突破に弱そうなんだけど、ドライブ突破タイプがコートにいないペリカンズなので、完全に相手に合わせています。

そしてオフェンスはコンチャーとJJJが3Pをヒットし、ペリカンズがタイムアウト。相変わらずJJJはワイドオープンになります。いくらなんでもってくらい。

モラントがいないこともあってか、そもそもなのか、グリズリーズもドライブが少なく、シュートとパスだけで構築していきます。ペリカンズが打たせていることも含めてですが、パスアウト3Pは決まるんだけど、プルアップが決まらないので、ちょっとだけ苦しい。ちょっとだけね。キャッチ&3PをJJJが再び決めると17点差。

ディフェンスの狙いがシュートチェック徹底にあることに気が付いたマカラムがドライブを選択し始めると、グリズリーズのディフェンスも考え直す必要が出てきましたが、その頃になるとイングラムが戻ってきたので、どっちにしても同じかな。そのイングラムがドライブして所を3人で囲んで奪い取り、トランジションのイングラムはレイアップ外してくれて助かった。リズムを失わないで済みます。

唯一問題があったのはファールで、早々にボーナススローを与えてしまい、2Qだけで10本のフリースローを与えてしまいました。これがなければもっと守れそうだったぜ。ルーキーのアフロなザイアー・ウィリアムスがエースキラー役を引き受け、そこにビッグマンがカバーに来ると大体守れた。

残り3分。そこまでのパスゲームがウソのように、タイアスがドライブからのフローターを連発します。アダムスのスクリーンがあって、相手がグラハム&バランチューナスだから、いくらでもシュートになる感じです。それをみてかバランチューナス⇒エルナンゴメスにされると、ちょっと打ち切れなくなり、逆にマカラムにゴール下まで押し込まれたので、やや失速して終わった前半でした。

ペリカンズ的にはイングラムとバランチューナスがベンチに下がったら急激にディふぇぬsが改善したともいえるよ。65-53と12点差に縮まったのでした。最後だけタレント力の差が出たね。

◎対応するマカラム

アダムスとバランチューナスがオフェンスリバウンドを押し込みあうシーンが出るなど、シュートミスが多くセカンドチャンスが増えていった後半の立ち上がり。イングラムがトランジションで仕掛けては決めきれないので、チームとして上手くいっていない反面で、ハーフコートで守られたら手も足も出ない気がするので、イングラムの選択も正しい気がするから難しいなぁ。

そんな中で同じくトランジションからヘジテーションドライブ&ワンのマカラムで、グリズリーズがタイムアウト。点差は10点あるけれど、このままトランジションを続けるとペリカンズペースになりそうなので切ってきたタイラー・ジェンキンス。

ところで、このマカラムのドライブにはイングラムとマカラムの違いが出ていて、トランジションだけど一回止まったマカラムは、ペイント内でバランチューナスがポジションを取ってくれるのを確認し、そこでバランチューナスが壁になってヘルプがこれないゾーンにドライブしていきました。個人ドライブなんだけど、チームメイトをしっかりと利用しているから、見た目が良いマカラム。一方でスクリーンは使うけど、最後は高さで決めきっているイングラム。

いずれにしても流れが出てきたペリカンズ。ただ守れないのは同じだから、なかなかラッシュにできません。あとアダムスのポジション取りに苦労してファールしてしまうバランチューナスがファールトラブルでベンチへ。

ここから堰を切ったようにグリズリーズのラッシュになります。アダムスのポストを起点にしたオフボールでコンチャーがゴール下アタック。ルーズボール争いに勝って速攻。スティールから速攻。要はディフェンスからだね。グリズリーズはガード陣とイングラムがボールを持てないように守っており、明らかにパスムーブさせませんでした。止める所がパスだった時間帯。これにハマってしまったペリカンズ。

タイムアウトを取ってセットしたのは、ウイングからのマカラムアタック。これが見事にドライブ&ワン。さらにドライブでアダムスにコンタクトしておきながら、急激にストップしてのフック。頼りになるぜマカラム。圧倒的な武器はなくても、手数が多いのでチェンジングしているようなグリズリーズディフェンスに対応しています。ドライブからゴール下のヘイズへのアシストも。

残り1分半。マカラムがドライブからキックアウトを通すもクラークの3Pは決まらず。続いてのオフェンスはマカラムが自分で決めきる。スティールしたスネルが速攻でダブルドリブル。最後はマカラムがアイソから&ワン。ってことでマカラムが1人で何とかしていた3Qでした。12点2アシストのマカラムがいなかったら、個々で終わっていたね。93-83です。

◎ディフェンス

JJJがバランチューナスとのスピード差でドライブ&ワン、バランチューナスやエルナンゴメスが高さで押し込む。パスをカルバーに奪われたグラハムは、チャージドローで取り返す。そこらへんは互角なんだけど、ルーズボールがグリズリーズばかりキープしていると嘆く解説(ペリカンズ側)

4分が経過したところで、イングラムの3Pが決まって点差が一けたになります。カルバーがミドルも、マカラムがミドルを返す。4Q序盤のペリカンズが良かったのは、高さの利があるエルナンゴメスを多く使ったことで、イングラムのアタックだらけにならなかったことです。セルツが良くなったのもスマートの判断でプレーを決めるから単調化しなくなったことだし、実はイングラムとテイタムの問題は似ているのかも。

残り6分。ハーブ・ジョーンズのドライブ、そしてマカラムの見事なパスからイングラムのダンクで8点差。エースの個人技アタックを使わずに追い上げ、勝負どころの時間帯に入ります。逆転の準備は整ったぜ。相手はモラントいないし、終盤勝負でまくりたい。

タイムアウトのグリズリーズは、またもアダムスのポスト起点でオフボールムーブからタイアスがドライブレイアップ。さらにスティールから速攻に行くとコンチャーがレイアップを外すもクラークがフォロー・・・を外し、もう一回フォロー・・・も外し、もう一回でファールドロー。

ペリカンズは5ファールのバランチューナスを戻すと、マカラムのパスからショートレンジを決めきり、さらに3Pも狙うけど、これはミス。ただ、まだ時間もあるし、空いているなら積極的にいかないとね。さらにハーブ・ジョーンズも合わせのカットでレイアップ。

未だにJJJを戻さないグリズリーズはタイアスのロブパスからクラーク。さらにタイアスがディープ3Pで再び12点差にします。つまりはどっちも特定の選手ではなく、チーム全体で攻めることが出来ています。ただ一日の長があるグリズリーズはクラークがコーナーからのドライブフローター。うーん、全員が活躍しちゃうタイラー・ジェンキンズの魔術。

交代ゾーンにJJJが立っていたんだけど、クラークが決めたのを見て交代を辞めるんだぜ。点差も残り2分で14点あるしね。

ここからマカラムとイングラムに打たせていくペリカンズですが、追い上げるにはディフェンスで止めないといけないんだけど、ベインがディープ3Pでトドメ。オフェンスは悪くなかったけど、ディフェンスはね・・・ということで試合が終わりましたとさ。

◎まだまだね

プレーメイカータイプではなく、フィニッシャーなマカラムとイングラムですが、両者の差を強く感じてしまう試合でした。未熟だったねイングラム。その武器はマカラムが持ち合わせていない圧倒的なものなんだけど、状況判断してプレーするのはマカラムの方が3枚くらい上手でした。

〇マカラム
30点
FG12/25
7アシスト

まぁ同じチームにいるわけでイングラムはマカラムから学びましょう。それだけだよ。ただ、大事なことはオフェンスは楽になったんだから、もっとディフェンスを頑張れや。ちなみにマカラムは守れない選手ではあるけど、頑張るからね。

さて、そのマカラムとコンビを組んだグラハムは、いくらなんでも気を使いすぎでした。ある意味でマカラムをちゃんと生かしたんだけど、自分も適切に絡まないとダメだぜ。もっとグラハムスタートのオフェンスでいいと思いますが、イングラムもバランチューナスもいると難しいのかな。

そんなわけで、まだまだやるべきことが多いので、一気に浮上するのは簡単ではないかな。でも、マカラムの頼りになるエースっぷりが光っていたし、後半になってから個人技アタックのオンパレードにならないのは良い傾向でした。ポジティブに観て行こう。

グリズリーズはさすが。もうそれだけでいいかな。

JJJがモラント不在の中で異様に積極的でした。すっかりスターターに定着したザイアー君や、主力としてイングラムのマークすらも担当したコンチャー。迷いなくプレーしているカルバー。うーん、完成度高いわ。若手だらけなのにね。

そして本日はアダムスに預けておいて、周囲が動き回るパターンが機能したよ。5アシストのアダムス。そのパターンも出来るのか。純粋にチームとして手数が多い。使いどころもわきまえているし、ディフェンスも微妙にチェンジングだし。嫌なチームだ。

〇タイアス
27点
FG11/19
9アシスト

モラントの控えとしては、スタッツを残していないんだけど、代役としては残しまくりのタイアス。シックスマンアワードでヒーローの対抗馬になれるのか。それくらいの活躍だったね。

ペリカンズvsグリズリーズ” への5件のフィードバック

  1. ところで…対価も少なくマカラム失ったブレイザーズはなんで勝ってるんですかね…?

      1. ヌルキッチ劇場とサイモンズのやりたい放題は、勝ちたいチームとしては現実性をかきネガティブだけど、再建チームとしては個人の成長があってポジティブ!

    1. 欲しがるチームが出ますかね。
      ウィザーズあたりが高額契約したがるかな。

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